4. じゃがいもからゆではじめ、同じ鍋でパスタをゆでる

Photo by Makoto Kishita

じゃがいものゆではじめてから3分後に、パスタを鍋に投入します。パスタのゆで時間はソースと和える時間を考えて、表示より2分ほど短めにしましょう。

「パスタはロングパスタ以外でも何でもOKです。パスタの存在感を楽しむレシピなので、ゆですぎには注意してくださいね」

5. ブロッコリー、ズッキーニを投入する

Photo by Makoto Kishita

パスタを入れた2分後に、ブロッコリー、ズッキーニを加えます。野菜のゆで時間は5分。崩れるぐらいまでやわらかくゆでていきましょう。

野菜を入れるとお湯の温度が下がるので、日髙シェフは再び沸騰するまで火力を強火にしていました。

「野菜はつぶしてソースがわりにしたいので、触ると崩れるくらいまでゆでてください。このレシピのメインはパスタなので、野菜に歯応えはないほうがいいんです」

6. ボウルを湯煎しながらさばの水煮、トマトを温める

Photo by Makoto Kishita

野菜とパスタをゆでている鍋でボウルを湯煎にかけて、さばの身、ゆで汁、そしてトマトを温めながら、和えていきます。さばの身はヘラで潰していきましょう。徐々にソースの乳化が進みます。

「ステンレスのボウルは熱伝導が早く、あっという間に熱くなってしまいます。ふきんやタオルなどを使ってやけどなどしないようにして!鍋が沸騰してボウルが浮きあがってきたら、吹きこぼれないようにボウルを持ち上げてください」

7. パスタと野菜をざるにあげ、ボウルに加える

Photo by Makoto Kishita

じゃがいもをゆではじめから10分たったら、パスタ、野菜をざるに上げてよくお湯を切り、ボウルに加えます。

「ボウルの中に十分な量の水分があるので、パスタのゆで汁は捨ててしまって大丈夫です。しっかりとお湯をきって、さば缶のゆで汁をパスタに吸わせます」

8. パスタにソースを絡ませ、盛り付ける

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ゆでた野菜をヘラでつぶしながらパスタと和え、仕上げにエキストラバージンオリーブオイルを加えて、軽くまぜます。

「パスタを入れるまでは、ボウルに水分が多いと思われるかもしれませんが、和えるうちにパスタがぐんぐんソースを吸収していきます。水分が足りず、パサパサした感じになってしまったら、残しておいたさば缶のゆで汁を少し足してください」

Photo by Makoto Kishita

完成したら、皿に美しく盛り付けていきます。まずはパスタ。トングで適量のパスタをつかんで皿の中央に置き、トングを持ち上げながら回転させて、立体的に盛り付けます。さばや野菜はパスタの上に彩りよくのせ、最後にボウルの底に残ったソースをかけましょう。

色あざやかな、パスタのおいしさを味わうひと皿

Photo by Makoto Kishita

やわらかくゆでた季節の野菜は、白い皿に盛り付けられると一層目をひくビジュアルに。実食すると、ほろほろの口あたりの野菜は口の中でやさしくとけます。さばと野菜のうまみをたっぷり吸い込んだ味わい深いパスタが存在感を放ち、日髙シェフが“パスタを味わうひと皿”というのも納得です!

「鍋ひとつでゆでていくので、とにかく手軽に調理できます。ぜひ季節ごとの旬の野菜で作ってみてください。アスパラガスなんかもおすすめですよ。ボリュームがあって食べ応えもあるので、これだけで満足できます」と日髙シェフ。

温野菜サラダとパスタ、2種類の料理が楽しめる一石二鳥のレシピです。野菜とさばもたっぷりなので、バゲットにのせていただく充分な量があります。

Photo by Makoto Kisihita

日髙シェフにご紹介いただいた“パン泥棒”レシピ、いかがでしたか?

今回ご紹介した5つのレシピすべてにトマトが入り、イタリアンに不可欠なイメージのあるにんにくの登場機会はありませんでした。ふと気になって日髙シェフに聞いたところ、「僕はトマトが大好きなんです。だから、トマトの酸味、風味をそれぞれのレシピで味わってもらいたいですね。

“イタリアン=にんにく”というイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうではないんです。もちろん、お好みで入れていただいてもかまいません」とのこと。

日髙シェフのレシピ通りに調理すると、むずかしいテクニックや特別な材料を使わずに、感動的な料理ができあがり、食卓が華やぎます。ご紹介したレシピを好みに合わせてアレンジしてみると、一流レストランの味がもっと身近に、そしてよりおいしく感じられるかもしれません。

7月は中華料理の井桁良樹シェフに、「暑さも吹き飛ぶ旨辛レシピ」を紹介していただきます!楽しみにお待ちくださいね。
取材協力
取材・文/古川あや
撮影/木下 誠
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