これぞ王道!塩で食べる「真鯛のお刺身」

ながさきさん:
「真鯛はどちらかというと淡白で脂が少ない魚なので、クセがなく食べやすいと思います。やっぱり、シンプルなお刺身がベストですね。

ここはぜひ醤油ではなく、塩で食べてみてください。塩が真鯛の甘味を引き立ててくれるので、真鯛の味をダイレクトに感じることができるはずです」

旨味を最大限に生かす「真鯛のパエリア」

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ながさきさん:
「養殖の真鯛は、天然の真鯛に比べるとえぐみがなく上品でまろやかな出汁が出ます。その出汁をぜひお料理に生かしてください。

炊き込みご飯やパエリアにするととてもいい香り。真鯛の旨味を贅沢に閉じ込めた米はまさに絶品です。出汁が十分に出ているので、余計な味付けは必要ありません」

新鮮な魚をかしこく手に入れるには

スーパーでいざ魚を買おうとしても、魚を選ぶのはなかなかむずしいですよね。積極的に魚を購入するためにも、おいしい魚に巡り合うためのコツを教えていただきましょう。

ながさきさん:
「魚をおいしく食べるには、やはり新鮮な魚を選んで買うことが一番。生産者が直接販売しているオンライン市場には、新鮮で普段はあまり手に入らないめずらしいものが多くそろっているので、ぜひチェックしてみてください。

またスーパーで購入する場合には、天気を見るのもひとつのポイントです。というのも、台風や大雪など全国的に天気が悪い日には漁に出られないので、魚の入荷が減ります。つまり天気が悪い日から2、3日は、鮮度のいい魚が入荷される可能性はかなり低いということ。このようなときに売り場に出る魚はストックされていたものが多く、新鮮さに欠けます。

もうひとつ買うタイミングとして狙い目なのが、火曜日と金曜日と土曜日。東京や大阪など大規模な消費地では、水曜日と日曜日は市場が休みなので魚の入荷が基本的にありません。そのぶん、木曜日と月曜日は相場が高くなる傾向にあります。天候の状況によって変化することはありますが、これらを考慮すると、火曜日と金曜日と土曜日には新鮮な魚が手頃な価格で手に入りやすいといえるんです」

ピンチをチャンスに!こんな状況だからこそ魚を食べよう

種類が多く、調理がむずかしいという理由から、魚を敬遠される方は多いかもしれません。だからこそ、魚にまつわるさまざまな情報を伝えることの大切さを痛感しているという、ながさきさん。正しい知識があれば魚の調理は決してむずかしくないということを皆さんに知ってほしいとおっしゃっていました。

また深刻化するコロナ禍で、生産者の方々の苦悩は計り知れないことでしょう。こんな状況だからこそ、積極的に魚を食べることでフードロスを減らし、生産者の方々を元気付けたいですよね。今できることを、ひとりひとりが少しずつはじめていきましょう。

取材・文/鎌上織愛
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