ライター : ちゃいまい

旅するスパイスラバー

書いたひと

ちゃいまい
まだあなたが知らないかもしれない「スパイスの魅力」を発信中!旅歴20カ国以上、スリランカへスパイス留学もしたスパイスラバー。スパイスの販売や、カレーやスパイス料理のイベントなども行っています♪

一度使ったきり、眠っているスパイスがたくさん

「うちに眠っているスパイスたちを救って欲しいんです……」

そんな悲痛な叫びを届けてくれたのは、都内某所に住む料理好きのTさん。Tさんは旦那さんと2人暮らし。料理はよくするけれど、スパイスをうまく使いこせず、箪笥の肥やしにしてしまっているんだとか。

今回は、そんなTさんのお悩みにお応えしながら、スパイスの使い方をご提案します。

あら、これを読んでくださっているそこのあなたも、そういえば家に使っていないスパイスや調味料があったな……とひやっとしましたか?

Photo by ちゃいまい

使いきれないスパイスたち
さっそくTさんのご自宅にお邪魔し、お話をお伺いすることに。そして、出るわ出るわ財宝の山(笑)。今日の私は、スパイスラバーではなくスパイスハンターです。

見つかったスパイスは、サフラン、カルダモン、シナモン3瓶、シナモンスティック、シナモンシュガー、ナツメグ、クローブ2瓶、ジンジャー、クミン……加えてお土産のスパイスたち。中には未開封のまま2013年に賞味期限が切れているものさえありました。(写真は一部のスパイスです。実際にはもっとありました)

「クミンは何に使っているんですか、カルダモンはいつ何の目的で買いましたか。クローブは?」

スパイスハンターからの詰問に黙るTさん。困った顔をしながら、一冊の本を持ってきてくださいました。
スパイスと料理本
「何のため、と言われても困ってしまいます。だって、本に書いてあるものをその通りに買っているだけなんですもの。それがどんなもので、何のために入れているのかまったく分かっていません!!」

スリランカ好きのTさんは、料理本を見てスリランカ料理を作ることがあるそうです。そして、料理をするたびに本の通りにスパイスを買いそろえるものの、購入したスパイスのほかの使い方がわからないため、一度使ったきりになってしまうことが続いてしまっているそうなのです。

「持ってはいるけれど、クローブやカルダモンがどんな香りなのかは意識したことがないですね。和食だったら味見をして少し醤油が足りないなとか、お砂糖を足そうってなると思うんですけど、スパイスとなるとさっぱり。あとはアレを足そうっていう発想が湧きません」

分かるなあ、その状況。なぜなら、かつて私もそうだったからです。気合を入れて何かを作るためにスパイスを買ってみても、1回使ってそのまましまい込んでいましたし、それぞれのスパイスの香りを知りませんでした。毎日スパイスと触れ合うことで、少しずつ知っていくことができたんです。
「ところで、シナモンが多いですね」

「そうなんです。実は、アップルパイが好きで。作るたびに家にあることを忘れて買うもんだから、アップルパイの数だけシナモンが増えていくというか…」

「まあ、シナモンは古代エジプトでミイラの防腐材として使われていたと言われているスパイスですし、なかなか腐りはしませんが。それでもこの量を使うのは大変そうですね」

Tさんはお菓子作りもされるということで、キッチンを漁るとかわいらしいクリスマスツリーのクッキー型を見つけました。そこで、今回はクリスマスにぴったりなスパイスクッキーのレシピをご提案することに。

ヨーロッパでよく食べられているジンジャークッキー(スペキュロスと呼ばれることもあります)をベースに、Tさんが持っていらっしゃるスパイスで作れるレシピを考えてみました。

スパイスクッキーの材料

Photo by ちゃいまい

クッキーに使用する材料

材料(30枚分)

無塩バター……100g
砂糖……………70g
卵黄……………1個分
薄力粉…………180g

【お好みのスパイス(下記は一例*)】
シナモン………小さじ1
カルダモン……小さじ1/4
クローブ………小さじ1/8
ジンジャー……小さじ2

*今回はTさんのご自宅にあったパウダースパイスで作れるレシピですが、お好みのものでぜひ。生姜は生のものをすり下ろして入れてもおいしいです。塩や胡椒を入れると味がしまります。

下準備

・粉とスパイスはふるって混ぜ合わせておく
・バターと卵を常温にしておく
・材料を測っておく

スパイスクッキーの作り方

1. クリーム状にしたバターと砂糖をすり混ぜる

Photo by ちゃいまい

バターに砂糖をすり混ぜる
常温に戻しておいたバターをクリーム上になるまで泡立て器で混ぜます。バターが冷えていると混ぜにくいので、固まっていたら少しだけレンジにかけるなどしてください。フワッとしたら、砂糖をすり混ぜましょう。砂糖は白いものやご自宅にあるもので大丈夫です。
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