ライター : ☆ゴン

さまざまな品種があるアワ(粟)とは?

「アワ」はイネ科の穀物で、“猫じゃらし” の名で有名なエノコログサの交雑種が原種だそうです。草丈1.5mほどの穂先に白や黄色の実をつけ、穂の大きさや形状、収穫期などで分類。実の粒色でもいろんな品種に分けられ、その数は100種にのぼるとされます。

稲や大麦、とうもろこしなどと同じくアワにもウルチ種とモチ種があり、選ぶときにはこの2種類で区別するのが一般的です。

五穀のひとつ!海外と日本のアワの歴史

アワはアジア原産とされ、野生原種がユーラシア大陸に広く分布しています。中国では紀元前から栽培され、大部分の地域で主食として食べられていたそうです。

日本へは米よりもいち早く伝わり、縄文時代にはすでに栽培されていた最古の穀物。古くから稲と麦、豆にヒエを含めた五穀として史実に残り、近代まではヒエと並ぶ庶民の大切な主食でした。現在はアワ栽培もすっかり衰退していますが、最近になって再び、ヘルシーな雑穀として注目を集めています。

ウルチ種・モチ種の特徴と味わい

ウルチ種(ウルチアワ)

黄色がかった粒色が多く、古代から主食として食べられてきた品種です。ウルチ米と同じく粘りを阻害するアミロースを含むため、炊いたものはモチモチ感が少なく、パラパラ・プチプチした食感に。ご飯とおかずのように、飽きのこないさっぱりした味が主食として好まれてきました。

モチ種(モチアワ)

ウルチ種から変異した品種で、クリーム色の粒色が多くアミロースを含みません。炊くと粘り気があることから、アワ団子やアワおこしに利用されるのがこのモチ種。多めの水で炊くと仕上がりがとろりとして、ほのかにスパイシーな香りもあるため、塩を効かせてとろけるチーズ代わりに使用されることもあります。

アワに含まれる栄養素とその栄養価は?

アワの精白粒100g当たりのカロリーは367kcalで、たんぱく質11.2g、脂質4.4g、炭水化物66.4g、食物繊維3.3gを含みます。ビタミンEとビタミンB群が豊富で、鉄やマグネシウム、カルシウムなどのミネラルも多く含む、栄養価の高い穀物として人気です。(※1)

主食である白米と比較してみると……

100g当たりのウルチ精白米はカロリーが358kcalで、たんぱく質6.1g、脂質0.9g、炭水化物77.6g、食物繊維0.5gを含みます。アワのほうがたんぱく質と脂質、食物繊維が豊富で、炭水化物は0.9倍ほど。ビタミンやミネラルは、大半の成分で白米を上回ります。(※1)
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、不要不急の外出は控えましょう。食料品等の買い物の際は、人との距離を十分に空け、感染予防を心がけてください。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
この記事に関するキーワード

編集部のおすすめ