ライター : いとう まさと

WEBライター

おもなアジの種類

マアジ

アジと聞いて皆さんがイメージすることが多いのは、このマアジでしょう。アジの種類のなかではもっとも一般的で、スーパーで見かけることが多いのもこの種類です。日本各地の沿岸や東シナ海などに分布し、甲殻類やイワシなどの稚魚などを食べて生息しています。 漁獲量が一番多いのは長崎県で、そのつぎに島根県、福岡県と続きます。また、マアジは年間通して漁獲されるため、「旬の時期はいつ」と特定するのはむずかしい魚です。しかし、たくさん出回る時期は春から夏なので、一般的に4月から7月が旬とされています。

ムロアジ

ムロアジはマアジに比べればマイナーの魚で、産地周辺以外で鮮魚の状態のものが出回ることは少ない傾向にあります。それというのも、ムロアジは基本的に脂乗りがよくなく、傷みやすいため、生ではあまり流通しないのです。 しかし、加工品の干物やムロ節などは一般的によく見られ、有名な「クサヤの干物」はムロアジが原料のものが最高とされています。また、新鮮なものなら刺身でも十分に美味です。機会に恵まれたら、ぜひ新鮮なムロアジを食べてみてください。 おもな産地は関東以南の太平洋側で、おいしい時期は初夏から初冬までです。

シマアジ

アジ科の魚のなかでも高級食材として知られているのがシマアジです。"島で釣れるから""体に縞があるから"など、命名の由来は諸説あります。鯛のように背高があり、大きいものだと1メートルを超えることも。とはいえ、実際には30~40cm位の大きさのものがおいしいといわれています。 おもな産地は伊豆七島や三浦半島などで、旬は夏から秋にかけて。味わいは脂がのっていて甘みがあり、ほどよく繊維質で身離れがよいのが特徴です。とくに天然物は大型のアジ類のなかでも、もっとも後味がよいといわれています。

マルアジ

ムロアジの仲間であるマルアジは、外見がマアジに非常に似ているのが特徴です。慣れていないと見分けるのがむずかしく、市場では「青アジ」と呼ばれてマアジと区別されています。 とはいえ見分け方がないわけではなく、"ゼイゴの入り方"や"尻尾のくびれにヒレが付いているかどうか"というポイントで見分けることが可能です。 おもな産地は三重県や島根県、神奈川県や大阪府など。もっとも味が安定しているのは秋から初夏にかけてです。刺身にして食べると脂がとても甘く、食感もほどよい味わいを楽しめます。

赤尾アジ(オアカムロ)

赤尾アジ(オアカムロ)はムロアジの一種。名前のとおり尾ひれに赤みがあって色艶にも特徴がり、サバやブリのような流線型をしています。そのため、一見するとアジとはまるで別物の魚のように見えるでしょう。 関東以外のスーパーで見かけることは少なく、価格も非常に安いのが特徴です。おもな産地は高知県や静岡県などで、旬は秋から春にかけて。塩焼きにすると脂乗りが少なく、パサついた印象をおぼえます。 一方で、刺身にすると身がやわらかく、時期がよければ意外なほどおいしく感じることも。ただ、アジだと思って食べると肩すかしを食らうこともあるでしょう。

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