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なぜコーヒーには利尿作用があるの?
コーヒーに利尿作用があるというのを、一度は耳にしたことがあるのでは?その作用を起こしているのは、コーヒーのもっとも特徴的な成分で、苦みがあり、コーヒーのおいしさを引き立てている「カフェイン」によるものです。
では一体、カフェインはどのようなメカニズムで利尿作用を引き起こしているのでしょうか?(※1)
利尿作用がおこる理由は?
カフェインが利尿作用を起こすメカニズムには、尿を作る役割をもつ腎臓が大きく関係しています。摂取したカフェインは、腎臓で行われる体内への水分の再吸収を抑制することが明らかになっています。
その結果、本来は体内に戻るはずだった水分が再吸収されずに排泄されるため、尿の生成量が増え、排尿の量や回数が増加するのです。(※2)
利尿作用のメリットはある?
本来、尿というのは、体内の老廃物や不要な水分を排泄する役割があり、利尿作用によってそれが促進されます。
医療の現場では、腎臓の機能が低下した方に向けて、利尿薬でむくみを改善したり、血圧を低下させるということが行われていますが、健康な人の場合、尿量の調節などを状況に応じて腎臓が行っているため、コーヒーの利尿作用に特にメリットはなさそうです。(※3,4)
利尿作用のデメリットは?
カフェインが入っているコーヒーや紅茶は、水分補給にならない、もしくは脱水になるという話を耳にしたこともあるのではないでしょうか?
実際のところ、日本人が通常飲んでいるコーヒーの量では、脱水が起きる可能性はないことが明らかになっています。私たちの体は、カフェインを定期的に摂取すると、耐性を獲得し、カフェインがもつ僅かな利尿作用は低減されるようです。
まだコーヒーからの水分摂取と脱水の関連を調べた研究はわずかしか報告されていませんが、イギリスでコーヒーを飲む習慣のある健康な成人男性50名を対象に行われた研究では、適度な毎日のコーヒー摂取(1日あたり3〜6杯(カフェイン:300〜600 mg /日))による脱水の可能性はないことが報告されています。(※5,6)
コーヒーの利尿作用と上手に付き合う方法
寝る前に飲みすぎない
コーヒーに含まれるカフェインの利尿作用は僅かですが、一度にカフェインを大量に摂取した場合、短時間で利尿作用が起きることがわかっています。
寝る前にカフェインを大量に摂ってしまうと、夜間トイレに起きてしまったり、カフェインの覚醒作用で眠れなくなってしまう可能性も。個人差はありますが、寝る前にコーヒーをたくさん飲むのは控えましょう。
ほかにも、カフェインの過剰摂取は健康に影響を及ぼす可能性があり、一日に摂取する量に注意が必要です。
コーヒーの場合、健康な大人で1日3〜5杯(カフェイン400mg程度)であれば健康への影響はないといわれています。しかしながら、コーヒー以外の緑茶や紅茶、コーラなどの清涼飲料水、エナジードリンクなどにもカフェインが含まれています。
一日のカフェイン摂取量を意識しながら、何を飲むか選ぶように気を付けてみてくださいね。(※1,7)
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