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10. 海苔のパリッを楽しんでもらえる巻き方を
では、海苔を巻いていきましょう。橋本さんによると、出張ほぐれおにぎりスタンドのほぐれおにぎりは「全部は巻かない」んだとか。
「冷めてもおいしいおにぎりをつくるなら、おにぎりを海苔で包みこんでしまった方がしっとりとしておいしくなるんですが、ボクらのおにぎりはそうではないので。握ってすぐに食べてもらうのであれば、海苔のパリッとした食感をより強く楽しめるボクらの巻き方のほうがいいと思います」
「冷めてもおいしいおにぎりをつくるなら、おにぎりを海苔で包みこんでしまった方がしっとりとしておいしくなるんですが、ボクらのおにぎりはそうではないので。握ってすぐに食べてもらうのであれば、海苔のパリッとした食感をより強く楽しめるボクらの巻き方のほうがいいと思います」
ちなみに、おにぎり1つに使う海苔の大きさは、「全型の海苔を3等分したくらい」。具体的な大きさについては上の画像を参考にしてください。
海苔をのせるときは、「片手に海苔を広げ、空いた手でその真ん中に置くようにしています」(橋本さん)。あとはおにぎりの側面に海苔をつければOK。作業的にはとても簡単。悩むようなところはありません。
そうして海苔を巻いた状態がこちら。おにぎりにふんわりと張り付いた海苔、たしかにパリッとしていますね。
11. おにぎりの頭に具材をのせてできあがり
仕上げに、具材をおにぎりの頭にのせます。橋本さんに理由を訊くと、「なかの具材がひと目でわかりますし、こうしておけばひと口目からしっかり具材が口に入っておいしいじゃないですか。たとえば鮭おにぎりを注文した人がそれを食べるとき、頭のなかは鮭とお米の甘さのことでいっぱいだと思うんですね。握り手として、その期待感にいち早く応えられるものをつくりたいというか……これ、伝わりますかね(笑)」とのこと。
そうしてできあがったのがこのおにぎり。なかの具材は鮭明太です。
さっそく試食をしてみると、海苔がパリッと音を立てるや否や、口に入れたお米の塊がほろりとほぐれ、お米の甘みが口いっぱいに広がりました。塩加減はもちろん、具材の量とお米のバランスも申し分なし。噛みしめるほど沁みる旨みに、試食をした全員が知らず笑顔になっていました。握りたてだったこともあり、その味わいはまさに格別!究極のほぐれおにぎり、本当においしゅうございました……。
ほぐれおにぎりがみんなを笑顔に
最後に、「おにぎりの良さってどんなところだと思いますか?」と橋本さんに訊ねてみました。
「ケータリングで行った現場で、『仕事はきついけど、このおにぎりのおかげでがんばれる』なんて言っていただけることがちょくちょくあって。おにぎりには人を元気にする力があるのかな?って思うことがあるんです。今改めて考えると、ボクらふたりはそういうおにぎりの魅力に引かれて今の仕事をしているのかも……。
ご紹介したおにぎりの作り方を覚えたら、ぜひご自分の家族やお友だちにおにぎりをふるまってみてください。そうして多くの人が元気になってくれたらいいな……って思います」
今回ご紹介した“ほぐれおにぎりの握り方”、後日自宅で試してみたところ、かつて自分が握っていたものとは次元の違うおにぎりをつくることができました。このメソッドを実践すれば、誰でも口ほぐれの良いおにぎりを握れる。これは自信をもって断言できます。
もし周囲に暗い顔をしている人がいたら、自作のほぐれおにぎりを差し入れてみてはいかがでしょう。握りたてのおにぎりのおいしさには、快感にも似た感動がある。あなたのほぐれおにぎりが上手に握れていたなら、きっと明るい笑顔を見せてもらえるはず!
構成・文・写真:植松富志男(macaroni編集部)
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