ライター : 上田 裕美

管理栄養士

甘酒には2種類ある!「酒粕」と「米麹」の違い

甘酒は、酒粕から作られる酒粕甘酒、米麹から作られる米麹甘酒の2種類があります。

酒粕甘酒は日本酒を作るときに出る絞りかすを水で割り、甘味を加えたもの。お正月の初詣で振舞われることが多いですよね。市販の酒粕甘酒は、アルコール分が1%未満程度含まれています。

米麹甘酒は、米麹にお湯を加えて60℃前後に温度を保ち、自然な甘味を引き出したもの。アルコールは含まないので、お酒が苦手な方でも安心して飲めますよ。

この記事では、健康美容作用が高いと注目されている、米麹甘酒について詳しくご紹介します。(※1)

飲む点滴!米麹甘酒の効果効能とは?

肌の健康をサポート

米麹甘酒の原料である米麹には、グルコシルセラミドN-アセチルグルコサミンといった、肌の健康維持をサポートする成分が含まれています。特に、N-アセチルグルコサミンはヒアルロン酸の生成を促すため、肌の潤いを保つのに役立ちますよ。

肌のハリと弾力は、コラーゲンによって維持されています。甘酒を飲むとコラーゲンを分解する酵素の産生を抑えるので、毛穴を引き締めたり、肌にハリを与えたりする作用もあります。(※2,3,4,5)

ダイエットのサポート

食事制限により、栄養バランスが崩れやすくなるダイエット中は、甘酒を摂り入れるのがおすすめです。

米麹甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれ、栄養豊富な食材。体のエネルギー源となるブドウ糖のほか、ビタミンB群やアミノ酸、食物繊維などを含んでいます。

甘酒を飲むとブドウ糖によって血糖値が上がり、満腹感を得られます。間食で甘酒を飲めば、ほどよく空腹が満たされ、食べ過ぎを抑えられますよ。(※1,6,7)

便秘の対策

米麹甘酒には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が含まれています。水溶性食物繊維は水分を含んでゲル状になり、便をやわらかくする作用が。不溶性食物繊維は水分や老廃物を吸着して便のカサを増やし、腸の運動を活発にさせるはたらきがあります。

また、米麹甘酒には、糖質の一種であるオリゴ糖が含まれています。オリゴ糖は腸内で善玉菌のエサとなって増殖を助けるので、腸内環境を整える作用がありますよ。(※1,6,7,8)

エネルギー代謝を助ける

米麹甘酒には、ビタミンB1やビタミンB2などのビタミンB群が含まれています。ビタミンB群は「代謝ビタミン」とも呼ばれ、さまざまな酵素の補酵素としてはたらき、エネルギーを作り出すのに必要な栄養素。

ビタミンB1は糖質を燃やしてエネルギーに変えるはたらきがあり、不足すると倦怠感やむくみの原因になります。ビタミンB2は脂質の代謝を助け、エネルギーに変えるはたらきがありますよ。(※6,9,10,11)
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