プロ直伝!究極のおいしさを追求した「フィナンシェ」レシピ

焼き菓子のなかでも人気の高い「フィナンシェ」。しっとりとした食感と芳香なバターの香りが印象的ですよね。お店で作るような逸品を家で再現できたら、素敵です。そこで今回は、洋菓子研究家が教える作り方をご紹介します!

2018年10月8日 更新
この記事は、豊かなフードライフを演出するWEBメディア「dressing」の提供でお送りします。

洋菓子研究家が伝授! 最高においしい「フィナンシェ」の作り方

焼き菓子の定番の中でも人気の高い「フィナンシェ」は、しっとりとした舌触りと芳醇なバターの香りが印象的ですね。でも実は、フィナンシェが最高においしいのは“焼きたて”だったのです!!
表面はカリッと、中はふんわりの食感が味わえるのは、手作りした人だけの特権。

ということで今回は、プロがオススメする「焼きたてフィナンシェ」の感動が味わえるレシピを教わるべく、新妻グルメライターの植木祐梨子(写真・左)が、洋菓子研究家・たけだかおる先生(写真・右)に弟子入り。
たけだ先生主宰の予約がとれないお菓子教室に参加して、とっておきのレシピを教わってきました!
●祐梨子
「4月に発売された先生のレシピ本(※1)を読んで、すごく作りたいと思ったスイーツがあるんです!」

●先生
「わ~! お手に取ってくれてうれしいです。作ってみたいスイーツとは、何かしら?」

●祐梨子
「それは、ズバリ『フィナンシェ』です!!」
●先生
「涼しくなった秋にぴったりの焼き菓子ですね♪ プレーンの生地にココアパウダーを加えるだけで、こんな風にバリエーションも楽しめるから、手土産にもぴったりね! ところで、フィナンシェって、焼きたてが一番おいしいって知っていましたか?」

●祐梨子
「焼きたて!? う~ん、食べたことないなぁ……。一体、どう違うのでしょうか?」

●先生
「フィナンシェは、油分が多いスイーツなので、時間が経つほど生地がしっとりとしてきます。それももちろん、おいしいのですが、焼きたては表面がカリッとしていて、中はしっとりふわふわなの。この食感のコントラストが味わえるのは、焼きたてからせいぜい半日ほどかな。そのなかでも最高の瞬間は、焼き上がり5分後くらいなんですよ!」

●祐梨子
「食感のコントラスト! 味わってみたいです!! 焼きたてをおいしく仕上げるためのコツなどあるのでしょうか?」

●先生
「フィナンシェには、いろんな配合のレシピがありますが、今回は特に“焼きたて”がおいしく仕上がる配合で作っていきたいと思います。大切なポイントは、”焦がしバター”と”ベーキングパウダー”を加えること。
材料の調理方法や加えるものひとつで、口当たりや風味を大きく変えることができるんです。その理由も解説しながら、食感の差がより感じられるフィナンシェを作るためのポイントをお伝えしますね」

●祐梨子
「はい、よろしくお願いします!」

「フィナンシェ」作りの押さえておきたいポイント3つ

1.バターは「焦がしバター」に! 混ぜながら火にかける
2.卵液と焦がしバターをあわせるときの温度に注意!
3.焦がしバターは濾さない!

[point1]バターは「焦がしバターに」! 混ぜながら火にかける

●先生
「最初のポイントは、バターの焦がし(溶かし)方。より風味よく仕上げるために、私のレシピでは、ただバターを溶かすのではなく、“焦がしバター”にしてから加えます!」

●祐梨子
「たしかに、より香り高く仕上がりそうですね! ところで先生、焦がしバターってどのくらい焦がせばいいのでしょうか?」

●先生
「焦がしバターは、フランス語で『ブール・ノワゼット』と言います。ブールはバター、ノワゼットはヘーゼルナッツという意味です。焦がし具合は好みではありますが、今回は、ヘーゼルナッツの皮の色を目指しましょう」
▲左:焦がしバター、右:ヘーゼルナッツ

●祐梨子
「ヘーゼルナッツの皮の色……けっこう濃いですね! そこまでしっかり色をつけるとなると、鍋を焦がしてしまいそう…」
●先生
「そうね。鍋底をこがさないように、小さいホイッパーを使ってしっかりと混ぜていきましょう。
まず、バターが溶けはじめると、中に含まれる水分が蒸発してパチパチと音を立てはじめます。その時点からしっかりと混ぜ続ければ、鍋底にバターの焦げがこびりつくことなく、水分が蒸発しやすくなってバターも跳ねません。
逆に、火にかけたまま放っておくと、バターがバチバチと音を立てながら鍋から跳ねますよ!鍋のそばから逃げるほど危険です(笑)そのうえ、色づく頃には鍋底に焦げがこびりついて取れなくなってしまうんです。

この写真を見れば、その違いがわかるかしら?」
▲焦がしバターを生地に流し入れた後の、鍋の様子
左:放ったままにしたときの鍋底、 右:しっかりと混ぜながら焦がしたときの鍋底

●祐梨子
「わぁ。焦げのつき具合が全然違う! 右は鍋底に焦げが付着していませんが、左はべったりとこびりついてしまっていますね、バターの風味も損なわれてしまいそうです……。同じように色をつけても、混ぜ方ひとつでこんなにも差がでるなんてびっくり…」

●先生
「そうなんです。バターから気泡がでてきて、じゅわじゅわと音を立てはじめたら、小さめのホイッパーを使って、鍋底に焦げがこびりついていないことを確認しながら混ぜましょう。音がおさまったら、焦げつきをおさえる程度で大丈夫! ただし、混ぜるときは火傷しないように気をつけてくださいね」

[Point2]卵液と焦がしバターをあわせるときの温度に注意!

●先生
「焦がしバターがヘーゼルナッツ色になったら、ここからが一番重要なポイント! サクッとふんわり食感に仕上げるために大切な“生地と焦がしバターを合わせるときの温度”について解説しようと思います」

●祐梨子
「バターと生地を合わせる温度が、食感にどう影響するのでしょうか?」

●先生
「焦がしバターが冷めていると生地と馴染まず、乳化しにくくなってしまいます。バターと生地が均一に混ざっていないと、焼き上がりが油で揚げたような状態になってしまうんです」

●祐梨子
「それは、カリッと芳ばしい食感を超えて、硬そうですね……逆に焦がしバターの温度が高いと、どうなってしまうのでしょうか?」

●先生
「熱々の状態で生地に加えてしまうと、卵白に熱が入りすぎて、煎り卵状態になってしまうことがあります。そうならないためにも、温度に気をつけていきたいと思います。まず、焦がしバターが完成したら、温度が上がり過ぎないように、濡れ布巾を使ってすみやかに粗熱を取っていきます」
●祐梨子
「濡れ布巾を使うのですね! 先生、ちなみに目安となる温度はあるのでしょうか?」

●先生
「火からおろしたら、濡れ布巾の上に鍋をのせてください。ジュッと音がしたら、濡れ布巾をひっくり返してもう一度。何度が繰り返すうちに、ジュッと音がしなくなったら、冷たい水で絞り直した布巾の上にのせてもう一度試します。そこで音がしなければ、粗熱がとれた証拠。温度は80℃くらいかしら」

●祐梨子
「なるほど~! その方法なら、粗熱がとれているかどうかとってもわかりやすいです!」

●先生
「布巾を返すときは、鍋底に触れた部分はとても熱くなっているので、やけどしないようにしてくださいね」

[Point3]焦がしバターは濾さない!

●祐梨子
「そういえば、完成した焦がしバターを見ると、中に黒い焦げの粒が沈殿しているのがわかります。この焦げは、一体どうすればよいのでしょうか?」

●先生
「良い質問ですね。バターを火にかけたときにできる焦げは、バターの中のタンパク質が焦げたものなんです。焦げの粒を濾すか濾さないかはお好みですが、私のレシピでは濾さずにそのまま加えます!」

●祐梨子
「え~! 取り除かなかったら、なんだか苦くなってしまいそう……」

●先生
「色を付ける工程でしっかりと混ぜていれば、焦げは風味に全く影響しないんです! また、食感がザラザラすることもないので、濾さずに生地と合わせていきましょう」

■フィナンシェの生地をふっくらと焼き上げるには?

●祐梨子
「ところで先生、レシピを見て気になったのですが、先生のフィナンシェには、“ベーキングパウダー”を加えるのですね! 」

●先生
「その通り! よく気がつきましたね。ベーキングパウダーに含まれている炭酸ガスには、生地を膨らませる働きがあるんです。入れるかどうかはお好みですが、焼き上がりが変わってきます。
この写真を見れば、その違いがわかるかしら?」
▲左:ベーキングパウダーを加えずに焼いたフィナンシェ、 右:ベーキングパウダーを加えて焼いたフィナンシェ

●祐梨子
「生地の高さが全然違う! 右はふっくらと焼き上がっているけれど、左はぺったんこ! 膨らんでいませんね。ほんの少しベーキングパウダーを加えるだけで、こんなに見た目が変わるとは知りませんでした! 味にも影響があるのでしょうか?」

●先生
「ベーキングパウダーは、入れても入れなくても失敗の原因にはなりません。ただ、加えた方が、口当たりがより軽く、加えなければよりしっとりとした生地感に仕上がるんですよ!」
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