加熱時間がカギ! シェフ直伝「濃厚トマトソース」の作り方

洋風の料理に欠かせないトマトソース。トマト缶をベースに煮込むだけのシンプルなレシピではありますが、酸っぱかったり、コクが出なかったり、作るのが少し難しいレシピでもあります。今回はシェフ直伝のトマトソースの作り方をご紹介します。

2018年8月12日 更新
この記事は、三越伊勢丹が運営する、食メディア「FOODIE」の提供でお送りします。
パスタをはじめ、洋風の料理に欠かせないトマトソース。トマト缶をベースに煮込むだけ、とシンプルなレシピではありますが、酸っぱかったり、コクが出なかったりと、いまいち美味しくできないメニューでもあります。また、世の中にはさまざまなレシピがあって、「結局どれが正解なの?」と悩むことも……。
そこで今回は、一度覚えたら一生使える本格トマトソースのレシピをシェフに徹底解説してもらいました。教えてくれるのは、イタリアンに詳しい伊勢丹新宿店キッチンステージの柬理美宏シェフ。
「トマトソースは、トマトとじっくり炒めた玉ねぎ、にんじん、セロリのうまみが濃縮されたソース。シンプルな味だからこそ、材料選びと煮込み加減が大切。加熱時間を目安に、煮詰め完了のサインを見極めることが重要です」
うまみがギュッと詰まった濃厚トマトソース、まずは外せない3つの鉄則からチェック!

うまみが濃厚! 本格トマトソース3つの鉄則

【鉄則1】「粗塩」で野菜の甘さを引き出す
トマトソースの味の要は「野菜の甘さ」。ミネラル豊富な粗塩を使うことで、玉ねぎ、にんじん、セロリの甘さが引き出され、それがソースのコクとなります。
【鉄則2】味に深みを出す「バジル」はマスト!
バジルは一緒に煮込むことでトマトの甘みと酸味を引き立ててくれる、重要なアイテム。味に深みを出すためには欠かせません。少量でも必ず入れることが大事。
【鉄則3】「煮詰め完了のサイン」を見逃さない!
トマトソースの酸味とコクを決める重要なポイントが、煮込み加減。ソースの色と油の浮き具合をよく見て、火を止める頃合いを見極めることが大切。

【保存版】プロが徹底解説! 本格トマトソースのレシピ

冒頭の鉄則を頭に入れてレシピ通りに作れば、うまみが濃厚な本格ソースが完成! トマト缶4つと1回分の量は多めですが、これが煮詰めやすいおすすめの分量。まずは一度、レシピどおりに一度作ってみてください。余ったぶんは冷蔵庫で2日ほど寝かせると、味がなじんでさらに美味しくなりますし、冷凍保存も可能です。

<材料>作りやすい分量

ホールトマト(水煮缶)…4缶(1缶400g)
玉ねぎ(中)…3/4個(150g)
にんじん…1/2本(75g)
セロリ…3/4本(75g)
にんにく(半分に割って芯を除く)…2片分
バジルの葉…3枚
粗塩…適量
黒こしょう(お好みで)…少々
オリーブオイル…大さじ2

<作り方>

1. 玉ねぎ、にんじん、セロリを切る
玉ねぎは2㎝角に切り、にんじんは厚さ5 ㎜のいちょう切り、セロリは長さ2㎝に切ります。火が通りにくいにんじんは、玉ねぎとセロリよりも小さめに。量の目安は、玉ねぎ:にんじん:セロリ=2:1:1です。
2. オリーブオイルに、にんにくの香りを移す
鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて弱火にかけ、にんにくがオリーブオイルに浸るように鍋を傾けながら熱します。にんにくから水分が出て、油がシュワシュワと泡出ち始めたら、香りやうまみがオリーブオイルに移っているサイン。にんにくがきつね色になる前に火を止めます。
3. 2の鍋に1の野菜を入れ、野菜がしんなりするまで炒める
2のにんにくは鍋に入れたまま、野菜を加えて中火にかけます。さっと炒めて全体に油が回ったら粗塩をひとつまみ加えてさらに炒め、野菜がしんなりとしたら火を止めます。
「ここで加える粗塩は、味付けではなく野菜から甘みを引き出すために加えるもの。野菜の甘みがソースのコクになります」
4. ホールトマトをボウルに入れ、手で握りつぶす
ホールトマトを汁ごとボウルに移し、手で2〜3回握ってつぶします。かたくてつぶれないへたの部分は取り除いて。
「ホールトマトに使われているトマトは、加熱することでうまみが際立つイタリアントマト。果肉に甘み、種に酸味があるので、ほかの食材と合わせて煮詰めていくことで深い味わいに仕上がります。種は取り除かず、そのまま使いましょう」
5. 3の鍋に、4のトマトを加える
つぶしたホールトマトの果肉と汁をすべて鍋に入れます。この段階ではまだ加熱しません。
6. 空き缶1杯分の水を加える
ホールトマトの空き缶に1杯分(約400ml)の水を入れ、少しゆらして缶の内側に残ったトマトを水に溶かしながら鍋に加えます。
「ホールトマトだけで煮詰めると、濃くねっとりした重たいソースになるため、空き缶1杯分の水を加えることで、ほどよいかたさに仕上げます」
7. 粗塩とバジルを加え、中火でソースを煮立たせる
鍋に粗塩をひとつまみとバジルの葉を入れて、中火にかけます。煮立ったら弱火にし、焦げないように鍋底をかき混ぜながら煮詰めていきます。
「バジルを一緒に煮詰めることで、トマトの甘みと酸味が引き立ち、味わいに深みが出ます。ソースは鍋底が焦げないように、絶えず混ぜることが大切です」
8. 弱火で1時間ほど煮詰める
約1時間ほど経ち、ソースの色が鮮やかな赤から深みのある色合いに変化し、気泡の周囲に黄色っぽい油の膜ができたら加熱完了。ソースの水分が飛んで、十分に煮詰まったというサインなので、火を止めます。
「煮詰め不足だとトマトと野菜のうまみが出ず、酸味が立った水っぽい仕上がりになります。逆に煮詰めすぎると味は濃厚になりますが、酸味が飛びすぎて立体感のない味わいに。煮詰める加減が、ソースの味のバランスを左右するのです」
9. トマトソースを裏ごしする
煮詰めたトマトソースを裏ごしし、なめらかな食感にします。シェフは、プロがよく使う裏ごし器「ムーラン」にソースを入れ、ハンドルを回して裏ごしますが、家庭では目の細かいザルで裏ごしするか、フードプロセッサーで粉砕して滑らかにします。
「フードプロセッサーは、粉砕しすぎるとねっとりとした仕上がりになるので、野菜の粒が少し残る程度にとどめてください」
10. 鍋にトマトソースを戻し、粗塩と黒こしょうで味を調える
裏ごししたトマトソースを鍋に戻して中火で温め、粗塩で味を調えます。好みで黒こしょうを加えたら出来上がり。
「仕上がりのソースの濃度の目安は、レ―ドルですくってポタポタと落ちるくらい。ゆるいと感じたら、少し煮詰めてください」

甘さと酸味のバランスが絶妙。濃厚な味わいは、まさにプロの味!

完成したトマトソースをひと口食べると、まずは口の中で溶けて崩れていくようなやさしい食感に驚きます。トマトの甘みが際立ち、酸味は感じるもののあくまで穏やか。後味にバジルの清涼感がほんのり香ります。調和のとれたバランスと満足感は、さすがプロの味です。
ソースをパスタに合わせるときは、フライパンにソースと少量のオリーブオイルを入れ、弱火でフライパンを回しながらソースを乳化させ、ゆでたパスタを絡めればOK。ベーコンと赤唐辛子を加えたらアマトリチャーナ、オリーブとケッパーとアンチョビを加えたらブッタネスカにも。また、ロールキャベツやハンバーグのソースとしても使えます。冷蔵保存なら1週間、冷凍保存なら2ヵ月保存できるので、まとめて作るのがおすすめです。
材料も工程もシンプルだからこそプロのテクニックが光るトマトソース。一度覚えたら一生もののレシピ、ぜひ一度チャレンジしてみてください!
文: 白鳥紀久子
写真:矢野宗利
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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