ライター : 池野 三奈美

管理栄養士 / Webライター

ぎばさ(アカモク)とは

ぎばさとは秋田県のソウルフードで、海藻の一種です。正式には「アカモク」と言い、日本海側を中心に親しまれています。

ぎばさはほぼ日本全域の浅瀬に生息しています。しかし、ぎばさがよく食べられている地域は少なく、秋田県、山形県、新潟県、富山県などと限定的。地域によって呼び方が異なり、秋田では「ぎばさ」、山形では「ぎんばそう」、新潟では「ながも」と呼ばれています。

また、ぎばさは冬の終わりから春にかけて収穫されることから、「春告げ草」とも呼ばれています。

ぎばさは海藻の一種!

ぎばさは褐藻類に分類される海藻です。みなさんお馴染みの昆布やわかめ、もずくなどの仲間です。アカモクは漢字では「赤藻屑」と書きます。その理由は、生の状態では赤い色をしているから。ゆでると鮮やかな緑色に変わる特徴があります。

ぎばさはしゃきしゃきした食感で、強い粘り気を持っています。その粘り気の強さは「海の納豆」と呼ばれるほど。一本一本は短い海藻ですが、箸で持ち上げると粘り気によってひとかたまりになり、一気に持ち上げられます。

ぎばさの栄養素は?

ぎばさには、骨の材料になるカルシウムや、カルシウムが骨に定着するのを助けるビタミンKが多く含まれ、骨を丈夫にするはたらきが期待できます。そのほか、抗酸化作用をもつフコキサンチンや、鉄や亜鉛などのミネラルも豊富です。

また、ぎばさにはフコイダンという食物繊維が多く含まれています。フコイダンは、ぎばさの粘りの素となる成分です。余分なコレステロールや糖質とくっついて体の外に出すはたらきや、整腸作用があります。(※1,2,3,4)

ぎばさ(アカモク)の食べ方

味にくせのないぎばさは、どんな料理にもよく合います。生のぎばさは、水がきれいなるまでしっかりと洗ってから、たっぷりのお湯で数十秒〜1分ゆがきます。鮮やかな緑色になったら湯から取り出し、冷水で冷やします。

市販のぎばさはゆでた状態で売られていることが多いので、購入後すぐに食べられます。冷凍ぎばさは解凍するだけでOK。乾燥ぎばさは水にさらして戻すだけ。ぎばさはこんなにも手軽に食卓へ取り入れられます。

ぎばさを食べるときの味付けはしょうゆやめんつゆ、ポン酢しょうゆが定番。冷たいぎばさをつるっとそのまま食べるのもおいしいですが、熱々のごはんにのせて食べるのもおすすめですよ。生卵や納豆との相性も抜群です。

さらにぎばさの粘り気は火を通しても残るため、みそ汁や卵焼きの具、炒めものにしても存分にその特徴を味わえます。ぎばさはいろいろな楽しみ方ができる、魅力的なスーパーフードです。

ぎばさ(アカモク)のレシピ10選

1. 栄養満点。ぎばさのめんつゆ和え

ぎばさそのものを楽しめるレシピです。冷凍ぎばさを解凍して白だしとめんつゆで味を付け、卵黄をのせるだけ。クセのないぎばさに卵黄がからんで、奥深い味わいのひと品です。忙しい日の朝ごはんにもぴったりですよ。

2. さっぱりいただく。ぎばさときゅうりの酢の物

あっさりとぎばさをいただきたいときにおすすめのレシピです。ぎばさのねばねばときゅうりのシャキシャキ、食感の違いも楽しい酢の物です。手早くできるので、あとひと品欲しいときにもおすすめ。味の濃いものと合わせると、箸休めとしてもぴったりです。

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