ライター : ☆ゴン

しっぽくうどんは野菜たっぷり

四国の香川県にはいろいろな観光名所がありますが、食べ物ではなんといってもうどんが有名です。讃岐うどんとして全国的に知られていて、県自体がうどん県と呼ばれるほど。釜揚げやざる、釜玉などのうどんが、地元民だけでなく観光客にも大好評です。

そんな香川県には、農林水産省が郷土料理として認定するしっぽくうどんがあります。とくにお店では寒い時期だけ提供される、野菜たっぷりなかけうどんです。この記事では、しっぽくうどんとはどういうものかを、名前の由来や具材、調理法などを交えて解説します。

しっぽくうどんとは?

しっぽくの名の由来

しっぽくは漢字で「卓袱」と書きます。グルメならこの字を見ただけでピンとくるはず。そう、長崎県の有名な卓袱料理です。円卓にいろんな料理を並べたり、大皿に料理を盛りつけたりする中華風和食のこと。そのなかにある、具だくさんな麺料理が由来だとする説が一般的です。

一方、昔から香川の一部地域の猟師は、尻尾が長い山鳥(とくにキジ)を「しっぽこ」と呼んでいたのだとか。それをうどんの具材にしたことが由来だとする説もあります。どちらにしても、公的な文献や記録はとくになく、本当のところは定かではありません。

具材の種類や調理法

しっぽくうどんには大根やにんじん、里芋などを入れます。これらの野菜はすべて、秋から冬にかけてが旬。昔はそこへ猟師が獲ってきた山鳥を、現在は鶏肉を加えます。

食材をすべて煮干しだしで煮込み、薄口しょうゆやみりんなどで味付けし、うどんにかけるのがオーソドックスな作り方。いまは豚肉や牛肉を使ったり、油揚げやきのこを入れたり、かつおぶしでだしを取ったりと、具材や調理法はさまざまです。

しっぽくうどんは京都にもある

京都にもしっぽくうどんと呼ぶメニューがあります。もちろんつゆは、かつおぶしと昆布でだしを取り、薄口しょうゆで調味する関西風のやさしい味付け。具材は香川県のものとまったく異なり、卵焼きやかまぼこ、湯葉、たけのこ、しいたけなどを入れるのが特徴です。

しっぽくとは、京都では「かやく(具)」のこと。かやくうどん、五目うどんという意味合いで使われます。おそらくこちらも卓袱料理が由来なのでしょう。かつての江戸には京都や大阪から伝わった、しっぽくそばというメニューがあったそうです。現在の京都にもしっぽくそばがあります。

しっぽくうどんのおすすめレシピ3選

1. 煮干しだしと冬野菜で作る。基本のしっぽくうどん

いりこのだし汁を薄口しょうゆとみりんで味付けし、大根やにんじんなどを具材にする基本のしっぽくうどんの作り方。一般的に鶏肉を使いますが、レシピのように豚肉でもかまいません。長ねぎの食感が良いアクセントです。

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