ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

野菜たっぷり!優しい味わいのしっぽくうどん

だんだん寒さが増してくるこの時期、出汁のきいた温かいうどんが食べたくなりますよね。そんな時におすすめしたいのが、野菜たっぷりの「しっぽくうどん」です。 この「しっぽくうどん」名前は聞いたことある方でもどのようなうどんなのか詳しく知らない方もいることでしょう。しっぽくといえば、長崎の卓袱料理を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?その卓袱料理との関係についてもみていきます。今回はしっぽくうどんについてご紹介します。この時期に恋しくなる温かい、野菜たっぷりのおうどん、ぜひご家庭でもお試しくださいね!

しっぽくうどんって?

香川の郷土料理

しっぽくうどんは、秋から冬にかけての寒い時期限定で、香川でよく食べられている郷土料理です。数種類の旬の野菜をいりこやかつおのだし汁で煮込み、茹でたうどんの上からかけます。香川では、年末に年越しそばの代わりに食べることもあるそうですよ。けんちん汁をうどんにかけたようなものといえば、イメージしやすいでしょう。 しっぽくうどんのしっぽくは漢字で書くと「卓袱」。「卓」はテーブル、「袱」はふろしきを指しており、そこから転じて大皿という意味を持つようになりました。卓袱料理といえば、思い浮かぶのは長崎で有名な宴会料理ですよね。大皿に盛られたコース料理を円卓囲んでいただくきます。そのコース料理の中にうどんも含まれていたことが、しっぽくうどんという名前の由来となったのだそう。そこから、今ではしっぽくうどん=「大皿にたっぷりの具材とともにのせたうどん」として親しまれています。

どんな食べ物なの?

しっぽくうどんによく使用されている具材は、大根・にんじん・ネギ・里芋・鶏肉などが一般的です。また好みや時期に応じて、ごぼう・椎茸や油揚げなどを入れることもあります。いりこやかつおから取っただしに、醤油やみりんで味付けしており、あっさりと優しい味わいです。 レシピにカロリーが表記されているものを見てみると、350~500kcal程度とされています。野菜と鶏肉の組み合わせなので、カロリーを抑えたい方にもよさそうですね。たっぷりの野菜が摂れるので、栄養分が豊富で野菜が足りていないという方に適しています。

京都のしっぽくうどん

ここまで香川のしっぽくうどんを紹介しましたが、京都の方は「ちょっと違う」と思われているのでは?実は、京都にもしっぽくうどんがあり、京都のしっぽくうどんは香川のものとは具材が違うのです。 京都の具材は、卵焼きや椎茸・かまぼこなどの具材がのっています。これは、関東でいうところの「おかめうどん」に近いものだそう。同じ「しっぽくうどん」という名前でも、具材が変わると見た目にかなり違いが出てきますよね。 さらに、京都のしっぽくうどんは寒い時期になるとだし汁があんかけに変わるところも特徴です。ちなみに、あんかけになると、名前は「のっぺい」に変わります。冬の寒さが厳しい京都、からだの芯からもポカポカ温まりそうですね。京都に訪れた際は、京都のしっぽくうどんもぜひ味わってみたいですね。

しっぽくのレシピ3選

1. しっぽくうどん

基本のしっぽくうどんレシピです。具材を切るときには大きさをそろえるようにするのがポイント。そうすることで、火の通りが均一になり、味の染み込み方もムラがなくなるのです。見た目がよくなるのはもちろんのこと、ぜひ意識して具材を切ってみましょう。具材をだし汁で煮込んだら、あらかじめ茹でて器に移しておいたうどんにかけて完成です。具材はレシピに紹介されているものだけでなく、冷蔵庫に残った野菜を足してもいいですね。野菜そのものの旨みが感じられるシンプルな味わいは、食欲がない時でもすっと食べやすいですよ。

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