ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

「メリケン粉」とは?

主に関西地方で普及している「メリケン粉」。一歩関西を出ると、ほぼ知名度がないこちらの名前、いったい小麦粉とは何が違うのでしょうか。ただの言い方の違い?それとも関西地方にしか普及していない別のもの? 今回は、そんなメリケン粉について、そもそものメリケン粉の定義から小麦粉との違い、メリケン粉を活用したレシピまでご紹介していきます。いつも何気なく使っているようで詳しくは知らない、メリケン粉と小麦粉、その他の粉類の違いを知れば料理がより一層楽しくなりますよ!

メリケン粉とは

結論から言うと、メリケン粉とは、小麦粉のひとつです。小麦粉のため、クッキーやケーキなどのお菓子作りや揚げ物の衣作りなど関西地方では幅広い用途で使用されています。 ちなみにメリケンは漢字で書くと「米利堅」と書きますが、カタカナで表記されていることがほとんど。由来については次で詳しくご説明しますが、明治時代にアメリカから小麦粉の輸入が始まった頃がメリケン粉の始まりとされています。

メリケン粉の由来

そもそもメリケン粉は、輸入が盛んになった明治時代、国産の小麦粉とアメリカ産の小麦粉とを区別するために呼ばれたのが始まりです。 当時の日本産小麦粉は石臼を使って生産されていたのに対し、アメリカ産のものは特殊な機械で生産されていました。当時の日本人はアメリカ産の小麦粉のあまりの白さに驚きを隠せなかったそうですよ。 メリケン粉の由来については諸説ありますが、当時のアメリカ人が「American(アメリカン)」と言っていたのが、日本人の耳には「メリケン」と聞こえたからではないかと言われています。聞き間違いから生まれたメリケン粉。なんだかクスッと笑えるエピソードですね。

メリケン粉と小麦粉との違いは?

先述の通り、どちらも同じ種類の粉です。小麦粉には、薄力粉や強力粉がありますが、メリケン粉には細かい種類分けはありません。 通常であれば、作る料理に合わせて粉を選びますよね。最近は天ぷら粉やたこ焼き粉など、レシピに特化した粉もありますが、メリケン粉は幅広い用途に使える、いわば小麦粉の俗称ととらえてよいでしょう。メリケン粉が普及した明治時代当初は国産のものを小麦粉、アメリカ産のものをメリケン粉と分けて呼ばれていたそうですが、現在ではそのような分け方もなくなり、関西地方で小麦粉のことを「メリケン粉」と呼ぶようになっています。

うどん粉とはどう違う?

うどん粉は国産の小麦粉のこと。厳密に言うと、パン作りに欠かせない強力粉と薄力粉の中間である中力粉が、これに当たります。小麦粉に含まれるグルテンの割合もちょうど中間で、程よい弾力が生まれるためうどん作りは最適とされています。 もし、うどん粉が自宅に無い時は、薄力粉と強力粉を半々に混ぜるとよいでしょう。なかなか自宅でうどんを粉から作るという機会はないかもしれませんが、ぜひいちから自分の手で作りたい!という時は試してみてくださいね。

メリケン粉レシピ3選

それでは、メリケン粉を使ったおすすめレシピ3選をご紹介します。ムニエルからカレー、スープまで幅広い用途に使えます。

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