ブランデーの種類

グレープブランデーとフルーツブランデーの違い

ブランデーは、原料や産地によって分けられますが、まず次の2つに大きく分けられます。 ・グレープブランデーフルーツブランデー これは、名前のとおり原料の違いによる分類です。ブドウを原料にしたものがグレープブランデーで、それ以外の果実を使ったものがフルーツブランデーです。 日本では「ブランデーにフルーツを漬け込んだお酒」をフルーツブランデーと呼ぶことがありますが、これはリキュールになりますのでここでは触れません。

コニャック

ブランデーの代名詞ともいえるのが、フランス産のコニャックです。知名度と人気が抜群に高く広く、知られています。フランスのコニャック地方で、定められた製法によって作られたブランデーがコニャックを名乗ることができます。コニャックの成功は、品質の高さに加えてボルドー北部の海に面した地理的な条件にあり、輸出の成功が大きいと言えます。 コニャックに使われるぶどうの品種はほとんどがユニブラン(別名サンテミリオン種)という品種です。単式蒸留を2回行い、フランス産のオーク樽による熟成を2年半以上行って製品化されます。これは「悪魔のお告げに従い、僧侶が2度の蒸留を試みた」という曰くつきのエピソードがあります。 コニャック地方は細かく6種類の地域に分かれており、それぞれでランクが異なり、ちょっとややこしいです。コニャックは、王侯貴族を始め今でも「社会的成功者の酒」というイメージは衰えておらず、ハイクラスなブランデーとしてますますその人気を高めています。

アルマニャック

コニャックと肩を並べるほどの高級ブランデーとして知られているのがアルマニャックです。フランスのアルマニャック地方で原産地呼称統制法(AOC)によって厳しく保護、管理されていて、その規定に沿って製造されたブランデーだけがアルマニャックを名乗ることができます。 アルマニャックの歴史は700年以上とコニャックを上回ります。食後酒として人気がある高級ブランデーで、男性的でフレッシュな風味が特徴です。 アルマニャックは、その多くがダム・ジャンヌと呼ばれる丸く膨らんだ、独特な形状の瓶に詰められており、未開封なら数年間の保存が可能です。芳醇な香りが漂い、若返りの妙薬とも言われており、食後酒として広く親しまれている琥珀色のリキュールです。

カルヴァドス

ノルマンディー地方の特産品であるリンゴを使ったシードルを蒸留して造ったものがカルヴァドスで、女性でも飲みやすいブランデーとして最近、人気が高まっています。カクテルやスイーツにも使われているので、比較的身近なブランデーと言えるかもしれません。 カルヴァドスの誕生は、1553年に貴族ジル・ド・グベルヴィルが、自らの果樹園で栽培したリンゴで作ったお酒に由来するとされています。1940年以降に原産地の呼称規制が厳しくなったことにより、ノルマンディー地方以外で作られる同様の蒸留酒は「カルヴァドス」と名乗ることはできなくなりました。

ピスコ

ピスコは南米のペルーで作られている、ブドウを原料とした無色透明のブドウの蒸留酒です。16世紀にブドウがカナリア諸島からペルーに持ち込まれ、気候等の条件が合っていたため栽培が盛んとなり、ピスコの製造が始まりました。 ピスコはジュース状にしたブドウを自然発酵させ、一般的な製法では樽熟成を行なわないため液色が透明なまま出荷されます。アルコール度数は42度もあります。さわやかな風味と優しい口合当たりが魅力で、カクテルのベースとしても人気のブランデーです。

キルシュヴァッサー

サクランボから作られた蒸留酒で、日本では略して単にキルシュと呼ばれることが多いですね。種子ごと潰したサクランボ(ドイツ語: Kirsche)を醗酵させ、6週間前後寝かせた後に蒸留した無色透明のスピリッツで、ドイツ・シュヴァルツヴァルト地方の名産品です。主に製菓やカクテル用に使われます。 キルシュヴァッサーのおすすめの飲み方はストレートです。北ドイツでは、ビールをチェイサーとして交互に飲みます。
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