ライター : shucyan

フードアナリスト / 江戸ソバリエ / ソルトマイスター

琥珀色のお酒「ブランデー」

ブランデーをお飲みになったことはありますか?最近は女性でもウィスキーが好きだという方が増えていますが、ブランデーを日常的に飲んでいらっしゃる方は、ほとんど聞きません。 ブランデーは、男性向きのお酒のようなイメージがありますが、果実酒を蒸留して作られるお酒なので、フルーティーなテイストを持っていて元になった果実酒の種類や製法によって、幅広いタイプがあります。スイーツにもたくさん使われているので、実は知らず知らずのうちに女性でもその風味をご存知の方も多いはず。 それでは、ブランデーの種類やおいしい飲み方について、まるごと詳しくご説明いたします。

そもそもブランデーとは

果実酒から作った蒸留酒

ブランデーは果実酒を蒸留して作られるお酒であり、果実酒には様々なフルーツが使われています。最も多くは白ブドウが使われていますが、他にもリンゴやサクランボ、洋ナシ、イチゴなどいろんなフルーツを原料としているブランデーもあります。 主に白ブドウのワインを蒸留して樽に入れ、長期間の熟成を待ちます。(熟成期間は5~8年、種類によっては25年以上熟成させるものも)。熟成させ過ぎたものは新しいものとブレンドして若返らせる場合もあります。

ブランデーの語源

ワインは有史以前から作られて来ましたが、ブランデーの歴史は比較的新しく、南仏アルマニャックでは15世紀ころ、今や世界に冠たるコニャックのブランデー造りは、フランスの中でも遅い方で、1番最初にコニャック地方でブランデーが企業により作られたのは1613年とされているようです。 ブランデーの語源は「焼いた(蒸留した)ワイン」という意味の「burnt wine」であり、ブランデーを世界に最初に広めたオランダの商品はブランデヴァイン(Brandewijn)と呼んでおり、後にイギリスで英語の訛りによってブランデーになったと言われています。 ちなみにフランスではブランデーと呼ばれることはあまりなく、オー・ド・ヴィー(命の水)と呼ばれています。日本においては明治時代の辞書に「葡萄地酒」と訳されています。

ブランデーとウィスキーは違う物?

原材料の違い

ブランデーとウィスキーの違いは何でしょうか?最も明確な違いは、原料の違いです。ウィスキーは穀類(大麦、ライ麦、トウモロコシ)を糖化・発酵・蒸留させ、木の樽で熟成を行ったお酒ですが、ブランデーは果物(白ブドウ、リンゴ、洋ナシ等々)を発酵・蒸留させたお酒です。 使用するフルーツの種類によってブランデーの呼び方や製造方法が変わってきます。ブドウ以外にも、アップルブランデーやチェリーブランデーなどもありますし、中にはぶどうの絞りかすを原料とした「グラッパ」や「マール」という種類のブランデーもあります。 原料以外にブランデーとウイスキーで違う所は「糖化」と「木製の樽」です。原料を発酵させるためには糖分が必要ですが、ブランデーの場合は果物に糖分が含まれているため糖化の必要がありません。ウイスキーの場合は原料が穀物なので、糖が含まれていないのために意図的に糖分を加えて糖化させる必要があります。 また、ウイスキーはどのウイスキーでも木製樽での熟成が必要ですが、ブランデーの場合は、コニャック・アルマニャック・カルヴァドス以外は木製樽を使用しないことがあります。木の香りを加えずに、素材であるフルーツの香りを活かしたい場合は木樽を使いません。

アルコール度数

同じ原材料を使ったお酒でも別の種類がありますね。例えばブドウを使ったお酒は、ワインとブランデーがあり、穀物を原料にしたお酒はビールとウイスキーがあります。同じ原料を使ったお酒でも、蒸留することによって水分が減るため、アルコール度数が極端に上昇します。 ワイン(アルコール度数は約14%)→ブランデー(アルコール度数は約40%) ビール(アルコール度数は約5%)→ウイスキー(アルコール度数は約40%) アルコール度数の変化だけでなく、味や香りも大きく変化します。
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