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お酒に詳しくない人にとっては一見同じようにも思えてしまう、ウイスキーとブランデー。飲んでみれば味が違うのはもちろんですが、その違いはどこから生まれてくるのでしょうか?おすすめの飲み方も紹介しますので、ぜひ実際に飲み比べてみてくださいね。

ウイスキーとブランデーの違いは?

お酒はその造り方で醸造酒と蒸留酒に分かれます。原料をアルコール発酵させてつくる醸造酒と、醸造酒を蒸留してアルコールの濃度を上げた蒸留酒があります。また、原料の種類でも分類されます。ビールの原料は大麦、ワインはぶどうです。

ウイスキーとブランデーどちらも蒸留酒ですが、原料が違います。ウイスキーは大麦などの穀物、ブランデーはぶどうなどの果実が原料です。

ウイスキーとは?

蒸留酒は醸造してできたアルコールを蒸留して濃縮するため、高度な技術が必要です。12~13世紀に、スペイン人の冶金技術者・アルノーがワインを蒸留したのが蒸留酒のはじまりとされます。ウイスキーは欧州中西部から海を渡ってブリテン諸島(イギリス)に移住した民族が作りはじめたとされます。

ウィスキーの原料は大麦です。大麦のでんぷんは、そのままではアルコール発酵しません。発芽させて、酵素の働きで胚乳中のでんぷんを分解させる必要があります。水を加えて酵素の働きを加速させ、でんぷんを糖に変えるのです。

発酵工程では糖は分解し、アルコールと炭酸ガスが生成します。ウイスキーの香味も生まれます。この状態でアルコール度数は約7%。これを銅製の単式蒸留器(ポットスチル)に移して2回蒸留し、アルコール度数60〜70%まで濃縮します。

蒸留とは、水とアルコールの沸点(沸騰開始温度)が異なることを利用し、蒸発と冷却を組み合わせてアルコールを濃縮する工程で、揮発性の高い香り成分も蒸留されます。蒸留が終わると木製の樽で熟成。3年、5年、10年あるいはそれ以上の年数を樽の中で貯蔵します。

樽の材質、貯蔵場所、温度や湿度によって微妙に熟成具合が変化し、無色透明な液体が風味豊かな琥珀色の液体に変ります。樽から出し、加水してアルコール度数を40~45%程度に調整して、瓶詰め・出荷されます。

気になるカロリーですが、ウイスキーはアルコール度数が高いので、アルコール由来のカロリーは高くなります。ただし、少量飲むだけで満足できますから、飲んだ後の総カロリーは他のお酒に比べて低いのではないでしょうか。糖質は、蒸留酒ですからゼロです。ご安心を。

ブランデーとは?

スペイン人の冶金技術者・アルノーは医師でもあり、ワインを蒸留して気つけ薬として処方していたといわれます。16~17世紀、フランス・コニャック地方はワインをオランダに輸出していました。

輸送中に酸っぱくなってしまったワインを蒸溜したところ、おいしいと評判になり、オランダ語のブランデヴァイン(焼いたワイン)からブランデーとなったといわれています。ブランデーは糖分が少なく、酸味の強いぶどうからできる白ワインを蒸留して作られます。

ユニブランという白ぶどうですが、ブランデー作りには素晴らしいぶどうです。酸味が強いため、醸造時に雑菌の繁殖が抑制され、芳醇な香味が醸成されます。酸の影響でアルコール発酵しにくくなりますが(7~8%程度)、蒸留もむずかしくなりますので、香味が濃縮されます。

蒸留は単式蒸留器を使い、アルコール度数約70%まで濃縮します。蒸留を終えると樽で熟成。数年から数十年の間、樽の中で貯蔵します。アルコール度数が下がり、香味と色が変化してまろやかなブランデーに変っていきす。

樽から出し、いろいろな樽をブレンドして瓶詰め・出荷されます。熟成年数によってVSOP、ナポレオンやXOといったランクが決まります。カロリーはアルコール度数に応じて、高くなります。ただし、糖質は、ウイスキーと同じ蒸留酒ですからゼロです。

「スコッチ」「バーボン」はウイスキー

スコッチ

ウイスキー発祥の地・イギリスのスコットランドで製造されるウイスキーがスコッチウイスキーです。使われる原料で細分類されています。大麦だけを使ったウイスキーをモルト・ウイスキーとよび、スコットランド北部のハイランド地方が有名です。

大麦麦芽をライ麦や小麦などに加えて使ったウイスキーをグレーン・ウイスキーと呼びます。さらに、両者をブレンドしたものをブレンデッド・ウイスキーと呼びます。しかし、スコットランドで作ったウイスキーはすべてスコッチウイスキーです。

起源は古く12~13世紀とされますが、製法の多くは、密造酒時代に確立されました。スコットランドがイングランドに併合された18世紀初頭、スコットランドの蒸留メーカーに高い税金が課されました。不服を持つ者は北部へ逃れて密造酒を製造しはじめました。

スコットランド北部の原野に広がるピート(泥炭)で 麦芽を乾燥させる方法が開発されました。麦芽に残る燻された香りをスモーキー・フレーバーといい、今ではスコッチウイスキーの特徴になっています。当時はまだ、樽熟成は行われていませんでした。

役人の目から逃れるため、ウイスキーをシェリー酒の樽に詰めて保管しはじめたところ、ウイスキーが琥珀色に変化して芳醇さが加わり、香味がまろやかになることを発見したといわれます。

バーボン

バーボンウイスキーとは原料に51%以上80%未満のトウモロコシを使用し、醸造と蒸留を経て、内側を火炎で焦がしたオーク樽で2年以上熟成させた酒というのが、その定義です。歴史をたどれば、アメリカで蒸留酒が作られるようになったのは17世紀頃からで、欧州からの移民が持ち込みました。

はじめはライ麦を使っていましたが、18世紀末には売れ残り穀物の再利用としてトウモロコシを使ったウイスキーが作られるようになりました。バーボンと呼ぶ理由は、ケンタッキー州バーボン郡で作られるようになったからですが、ケンタッキー州のほか、テネシー州でも製造されています。

テネシー州では厳密に製造方法を規定して、テネシーウイスキーとして販売しています。バーボンウイスキーの原料はトウモロコシですが、トウモロコシ以外にライ麦、小麦などを使います。これらを大麦麦芽で糖化し、アルコール発酵させます。

蒸留は連続蒸留器で行われ、アルコール度数65~70%の蒸留酒に濃縮され、その後、内側を焼いて焦がした新品のオーク樽で熟成されます。バーボン特有の液の色やバニラ香は、新しい木材で作られる樽の影響だといわれています。最後は、アルコール度数40~45%に調整して瓶詰めです。

「コニャック」はブランデー

コニャックはフランス中西部のシャラント県の町で、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路にあります。この周辺で製造されるブランデーをコニャックといい、コニャック周辺でワインを蒸留したのがブランデーのはじまりとされます。

コニャック地方は、土壌が石灰質を多く含んでおり、ユニブランと呼ばれる糖分が少なく、酸味の強いぶどうの栽培に適しています。収穫したぶどうをアルコール度7〜8%の白ワインに醸造し、おりを取り除かないで、濁ったまま蒸溜します。

蒸溜は、単式蒸溜器で2回。その後、フランスのトロンセやリムザン産のオーク樽で熟成されます。まろやかな風味と芳醇な香りが特徴です。国外のぶどうや木材は使えない厳しい規定があるようです。

ウイスキーとブランデーの味の違いは?

ウイスキーとブランデーはどちらも蒸留酒で、蒸留後に樽で熟成させて琥珀色です。アルコール度数は高く、ほぼ同じですから、味の違いはわかりにくいのが本音かもしれません。

スコッチウイスキーにはモルトに由来する「旨味」、ピートによる「スモキーフレーバー」、
樽貯蔵の落ち着いた「ウッディさ」があり、バーボンウイスキーには「オーク樽の香り」と「バニラの香り」があります。ウイスキーに共通するのは、熟成で生じる「芳醇さ」と「重厚な味わい」だとされます。

他方、ブランデーはぶどうなどの果実が原料ですから、「芳醇」で「まろやかさ」があり、「フルーティな香り」と樽熟成による「ウッディーさ」を楽しむお酒だといわれています。

おすすめの飲み方

ウイスキー

ウイスキーが誕生したときから、最も親しまれてきた飲み方はストレートでしょう。製氷機ができる前からウイスキーはありましたから当然です。しかし、ウイスキーは味わいたいけれど、アルコールがきついなと感じる人は多いでしょう。おすすめはオン・ザ・ロックスです。

冷やしたオールドファッションのロックグラスに、大きめの氷を1~2つ入れて、氷を回転させて、さらにグラスを冷やします。ウイスキーをグラスの1/2まで静かに注ぎ、マドラーで軽く混ぜます。オン・ザ・ロックスは冷たさが大切です。大きめの溶けにくい氷を使いましょう。

最初はストレートに近く、段々水割りに近くなっていきますので、味の変化も楽しむことができます。氷がグラスに当たる音、氷どうしが触れる音。耳でも楽しめる飲み方です。

ブランデー

ブランデーをグラスに注ぐだけのシンプルな飲み方・ストレートがおすすめです。飲む前にグラスに顔を近づけ、ブランデーの色と芳醇な香りを確かめます。飲んでいる途中の香りも楽しんでください。ブランデーを口に含み、飲んだあとに口を閉じ、鼻から息を抜くと、濃厚なブランデーの香りが強く感じられます。

鼻を通り抜ける至福の香りといわれています。グラスに注ぐ量は、30分ほどで飲みきれる量がよいとされます。温度は室温です。無理に香りが立つように手のひらで温めたり回したりする必要はありません。

最近ではグラスも、ブランデーグラスよりグラッパグラスやフルートタイプのシャンパングラスがよく使われます。ブランデーを温めてしまう心配がありませんし、香りを閉じ込める形状になっています。

ウイスキーとブランデーどちらも英知が結集

ウイスキーとブランデーはどちらも蒸留酒です。原料が違いますが醸造酒を蒸留してアルコールの濃度を上げています。

極端にいえば、ウイスキーはビール、ブランデーはワインを蒸留して、アルコール濃度を上げた後、いろいろな樽に詰めて熟成させています。原料の栽培・収穫から瓶詰めにいたるまで、一朝一夕に工程が完成したとは考えられません。何百年におよぶ人間の英知が結集されているのです。

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