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エチレンガスの影響を受けにくいもの
・ニンジン
・タマネギ
・ニンニク
・アスパラガス
・ぶどう
などがあげられます。
これらの果物類を一緒にしておくと当然のごとく腐敗するのが早まってしまいます。また、オレンジはかびが発生し表皮が傷んでしまいます。スイカも表皮が柔らかくなるので注意しましょう。
ホウレンソウやコマツナといった野菜のそばにエチレンガスの発生率が高い果物を置くと野菜が早く傷んでしまいます。逆にニンジンやじゃがいも、タマネギやニンニクなどはエチレンガスの影響をあまり受けません。しかし、あまり長時間一緒にしておくとタマネギやニンニクは悪臭を放つ原因となります。
エチレンにまつわるおもしろい実験
エチレンガスが野菜や果物の熟成を促したり発芽を抑制するなどの影響についてはわかってきました。そのなかでも特にリンゴのエチレンガス発生率が高いのですが、そのリンゴが与える最も有名な影響3つのを紹介します。
もやしの育成
太平洋戦争終戦後、日本では食糧難という時期がありました。その食糧難のときにリンゴとカーネーションを同じ貨車で運んだそうです。しかしカーネーションが開花しなかったということから、リンゴのエチレンガスには発育抑制効果があるということがわかったそうです。このリンゴのエチレンガスによる発育抑制効果を応用し、もやしの栽培方法が普及していきました。
エチレンガスによる発育抑制効果は、もやしの縦に伸びていく成長を止め、横に太らせるという作用があります。私たちが普段食べている太くてシャキシャキとした食感のもやしは、実はエチレンガスによる発育抑制効果のおかげだったんですね。
ちなみにもやしは漢字で「萌やし」と書きます。もやしと萌やし。なんだか同じものとは思えませんよね。
キウイの熟成
キウイフルーツとリンゴを一緒に保存しておくと、キウイフルーツが早く熟しておいしくなる。意外とみんなが知っていることなのではないでしょうか。
キウイフルーツは木になっている状態では熟しません。収穫後すぐは固くて酸っぱいし、おいしくは食べることはできません。また、キウイフルーツは自力では熟せないので追熟させる必要があります。そこで登場するのがリンゴなんです。しかし、リンゴにもいろいろな種類があります。津軽・ジョナゴールド・王林・フジなどが有名ですが、ここで気をつけたいのがフジにはキウイフルーツを追熟させる効果があまりないことです。同じリンゴでもさまざまなんですね。キウイフルーツを追熟させる場合は津軽・ジョナゴールド・王林といったリンゴを選んでください。
スーパーなどで売られているキウイフルーツはどうしてあんなに熟しているの?そんな疑問がわいてきますが、あれはエチレン剤というものをふりかけているそうです。
じゃがいもの発芽抑制
ジャガイモの性質として、収穫後、湿度が高くそして低温で光の当たらないところで保存することでじゃがいもは休眠した状態になります。しかし家の中で放置しておくと休眠状態から覚めてしまい、じゃがいもは発芽します。この発芽を抑制するのに効果があるのがリンゴなのです。
リンゴは収穫後もエチレンガスを放出し続けます。他の野菜や果物には熟成を促す効果があるのに対し、じゃがいもに対しては発芽を抑制する効果を発揮するのです。
じゃがいもを長期保存する場合は、新聞紙に一緒にリンゴと包んだり、箱にリンゴを一緒に入れるなどすれば、ジャガイモの発芽を遅らせることができますよ。
エチレンガスを上手に活用しよう
キウイフルーツやアボカドの熟成を早めたり、じゃがいものように発芽が抑えられたりとエチレンガスの効果は野菜や果物によってさまざまです。でもエチレンガスの効果を知ることによって野菜や果物の熟成方法や保存方法もわかってきます。エチレンガスの効果を上手に活用しておいしいものが食べられる毎日にしましょう。
それから、食材のなかでは最も多くのエチレンガスを放出するのがリンゴです。そして、リンゴのエチレンガスの働きで発芽を抑制されてしまうじゃがいも。このふたつの食材、実はカレーとの相性がバッチリだそうです。エチレンガスではいろいろあるけどカレーのなかでは仲良しなのかも。
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