ライター : chika

管理栄養士 / 公認スポーツ栄養士 / 調理師

缶詰が長期保存できる理由

缶詰は、品質表示基準(JAS法)や食品衛生法などで「食品を缶に詰めて密封したのち、加熱殺菌を施し、長期の保存性を与えた食品」と定義されています。缶詰が長期保存が可能な理由は、「密封」と「加熱殺菌」という製造工程にあります!

食品を密封し、無菌状態に

食品が傷む原因の大部分は、微生物や細菌による食品の腐敗です。缶詰は、空気、水、微生物などが絶対に入らないように「密封」したのち、「加熱殺菌」するため、中身は無菌状態に!長期保存が可能な最大の理由です。缶の中に微生物や細菌がいない状態なので、冷蔵庫に入れなくても腐敗する心配もありません。

一般的な賞味期限とは

缶詰の賞味期限は、「おいしく食べられる期限」として製造メーカーが決定しています。

水産や畜肉缶詰の場合は製造から3年、果実や野菜缶詰は製造から2~3年。中身によって異なりますが、未開封の場合、製造されてから3年間を設定しているものがほとんどです。2~3年経てば賞味期限が切れるということを覚えておくとよいですね。

災害時の備蓄用として5年間おいしさが保証されているものもありますよ。

賞味期限切れの缶詰は食べられるの?

加工食品には「賞味期限」または「消費期限」のどちらかが表示されています。

常温で長期保存ができる缶詰に表示されているのは「おいしく食べられる期限」を意味する賞味期限。期限を過ぎたからといって、すぐに安全性に問題が発生したり、食べられなくなったりするわけではありません。

一方で、弁当や調理パン、惣菜、生菓子など比較的傷みやすい食品には「安全に食べられる期限」を意味する消費期限が表示されています。消費期限の過ぎた食品は安全のためにも、食べないようにしてくださいね。

適切な環境で保存すればOK!

缶詰は、未開封で適切な環境状態で保存していれば、安全性や衛生面に問題はなく、賞味期限が過ぎていても食べることができます。直射日光のあたる場所や風通しが悪く湿気のこもりがちな場所を避け、冷暗所に保存するようにしましょう。

賞味期限からの経過期間が長くなるほど味や風味が落ちたり、食感が悪くなったりといった「おいしさ」は低下するので、なるべく早めに食べるようにしてくださいね。

不適切な保存では安全性は失われる

高温多湿な場所での長期保存により、安全性は低下します。賞味期限が過ぎたものは、開封前に缶の状態から安全性に問題がないか確認しましょう。缶が錆ついている場合、缶自体が腐食して穴が開き、そこから空気や水分とともに微生物が侵入している可能性があります。

微生物の汚染や缶内面の腐食により、缶の蓋がふくらんだり、蓋を指で押すとペコペコとへこむ場合も注意してくださいね。微生物によって汚染を受けた缶詰は開けると腐敗臭がするので、食べないようにしましょう。

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