ライター : 堀田 らいむ

webライター

伝統的な紅茶の飲み方「ロシアンティー」

「ロシアンティー」とは、ロシア圏での紅茶の飲み方のことをいいます。 昔、まだまだ砂糖が大変貴重なものだった時代に、砂糖の代わりに完熟果実から作ったジャムを舐めながら濃い目の紅茶を飲んだのが、ロシアンティーのはじまりです。 ロシアでは、紅茶はティーポットでかなり濃く煮出し、ティーカップ半分ほどまで注ぎます。そこに、「サモワール」という湯沸かし器から熱湯を加えて紅茶の濃さを調整します。そして、ジャムを舐めながら紅茶をいただくのです。それが、本場ロシアの「ロシアンティー」です。

イギリスで「ロシアンティー」というと…

おもしろいことに、イギリスでロシアンティーと言うと、レモンティーのことを指すのだとか。19世紀の終わりごろ、ビクトリア女王がロシア王室を訪れた際に、レモンを浮かべた紅茶をふるまわれそうで、そのことからレモンティーのことをロシアンティーと呼ぶようになったということです。

「ジャムを入れたらロシアンティー」は間違い

そんなロシアンティーですが、紅茶にジャムを直接入れて飲むのがロシアンティーだと思っていませんでしたか?日本ではそれがロシアンティーだと広まっていましたので、ジャムを入れて飲むものだと思っている方は多いと思います。 でも実はこれ、ロシアではなくてウクライナやポーランドでポピュラーな飲み方なのだとか。ロシアでそれをやらないのは、ジャムを直接紅茶に入れると紅茶の温度が下がって冷めてしまい、体を温めることができないからではないかと言われています。

ジャムは紅茶に入れるわけじゃない!

ロシアンティーは、ティーカップとは別に小さな器にジャムが添えられ、スプーンでジャムを直接舐めながら、濃い目の紅茶を飲むというのが一般的なスタイルで、ジャムを直接入れる人はあまりいないようですね。

ロシアンティーの作り方

  1. ティーポットを温める
  2. 茶葉を入れて熱いお湯を注いだら、3分程蒸らす
  3. ジャムを用意しておく。お好みでジャムは、ウォッカでのばしてもよい
  4. 蒸らした紅茶をカップに注ぎ、用意したジャムを舐めながら飲む

ロシアンティーのおいしい飲み方

サモワールを使う

「サモワール」というのは、ロシアの湯沸かし器です。昔ながらのサモワールは、内部に筒があり、筒の中に炭を入れてお湯を沸かすという仕組みになっていました。今のサモワールは、電動のものがほとんどです。 まず、小さめのポットに茶葉を入れて、茶葉と同量程度のお湯を注ぎます。かなり濃い紅茶が出ますので、それをカップに注ぎます。サモワールを使って、好みの濃さまでお湯を注いで、調整しながら紅茶をいただきましょう。

たくさんのジャムで飲み比べる

紅茶とともに、たくさんの種類のジャムを用意して、味比べをしながらロシアンティーを楽しむというのはいかがでしょうか。 ロシアンティーにもっともおすすめなのは、ベリー系の甘酸っぱいジャムで、いちごやブルーベリーのジャムがよく合うとされています。しかし、オレンジマーマレードやレモンのジャムなど、柑橘系もさわやかでいいですね。甘くてフルーティなマンゴーのジャムなどを試してみるのも楽しいかもしれません。また、芳醇なバラのジャムも、ラグジュアリーな気分を味わえて素敵です。 一度のティータイムに、さまざまな味を楽しめるというのも、ロシアンティーの魅力のひとつですね。

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