発酵文化人が教える「なれ寿司」の基礎知識。郷土に伝わる保存食にせまる

日本各地の郷土料理としてに古くから伝わる「なれ寿司」。一説によると稲作が始まった弥生時代にはすでにその原型があったとされます。その定義は専門家の間でも見解が分かれますが、そもそもどんな食べ物なのでしょう?この記事では、なれ寿司の定義や日本各地の代表的ななれ寿司をご紹介します。

2020年7月9日 更新

ライター : 大山 磨紗美

発酵食健康アドバイザー / 発酵文化人

東広島市在住。味噌づくり歴15年、広島県内各地で親子サークルでの味噌づくりワークショップを開催し、2018年12月広島県の事業「ひろしま「ひと・夢」未来塾」で味噌づくりで地域と個人…もっとみる

各地の「なれ寿司」に共通した特徴

保存食として作られた発酵食品

なれ寿司は、主に魚介類と米(飯)、塩を材料として発酵した保存食です。一説によると、弥生時代ごろには作られたのではないかといわれています。

魚を原料とした発酵食品なので、独特の風味とにおいがあるのが特徴。保存食として食べられるほか、特別な日のお祝いの席で、ごちそうとしてもふるまわれてきました。

各地に伝わる「なれ寿司」文化

なれ寿司は世界的には珍しい発酵食品ですが、日本以外でも、タイやラオス、ベトナムなど東南アジア、東アジアに同様の食文化があることがわかっています。

日本国内でも、地方によりさまざまな製法があり、使われる食材・その保存法・保存期間もまちまちです。そのため、定義や分類については、専門家の間でも意見が分かれています。

漬け込み期間で変わる「なれ寿司」の呼び名

数か月から数年以上「本なれ」

本なれは、魚や肉、飯、塩を使って作る保存食です。代表的な本なれは、琵琶湖の「鮒ずし」。製法は魚を数か月間塩漬けにしたあと、塩抜きをし、飯と一緒に本漬けします。通常は、漬けた魚だけを取り出して食べます。

なれ寿司の酸味は乳酸発酵によるもので、乳酸が増えることで酸っぱくなると同時に、アミノ酸などのうま味成分が増加し、酢による酸味とは違う、独特の風味に仕上がります。

酸性に傾くことで雑菌の増殖が抑制され、冷蔵庫がなかった昔の日本では、たんぱく源を年中食べることができる保存食として作られるようになりました。

数日から1週間の「生なれ」

生なれの発酵期間は数日から1か月ほどで、半生の状態の魚と、うっすらと酸味が付き始めた飯を一緒に食べます。また、野菜や米麹と一緒に漬け込まれるものもあります。

生なれの代表例は、石川県や富山県で作られるかぶらずしです。漬け込む期間は1週間ほどで、麹の甘みも加わるので、なれ寿司のなかでは食べやすいです。

数日以内に食べきる「早なれ」

早なれは、数時間~数日間発酵させたもの。代表的な早なれは、和歌山県のサバずしです。作り方は、飯の上に塩漬けにしたサバをのせ、イネ科の植物暖竹(だんちく)の葉「アセ」で巻き、重石で押して発酵させます。

発酵期間が短いため、発酵食品独特のにおいや、酸味が少なく食べやすい一方、発酵段階で消失される、食中毒菌が残っている場合もあり、製造過程や保存方法の上で注意が必要です。

ITEM

紀州本場 なれずし 早なれ(2本入)

内容量:約460g(ご飯1合分)×2本

¥2,700 ※2020年6月11日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。
Photos:6枚
長皿に盛り付けた鮒の本なれ寿司
とろりとした見た目の生なれ寿司「かぶら寿司」
和歌山の郷土食である早ずし
スライスした鮒ずしを皿に盛りつけたところ
切って皿にもりつけたかぶらずし
サンマのなれ寿司
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