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私の食生活は昆布水のダシで決まり
皮膚科の専門医という立場ながら(ゆえに?)、セルフスキンケアを色々と試して、食材の持つ効能にそのたび驚いている私。本連載では、そんな私が特に効果を実感している民間療法を毎回紹介しています。
さて、医師といっても人間ですから、20代のころはやんちゃもしました。まだまだ若く、健康を意識しなくても元気が有り余っていたので、医師の仕事を懸命にこなすこと以外、好き勝手に暮らしていたんですよね。食生活なんて適当そのもので、ジャンクフードも脂っこいものも大好き。さらにアウトドアの趣味にかまけた結果、肌がシミ、シワだらけになったことは連載第1回でお伝えしたとおりです。
肌は元より、体の健康を考えるようになったのは、30代に入ってから。「健康は食で決まる」といっても過言ではないので、まず、食生活を大幅に見直すようにしました。特に私の場合は皮膚科医ですから、肌によいと思えるものには関心も当然高く、日々の食生活に積極的に取り入れるようにしたんです。
とはいえ、作るのが難しいもの、手に入りづらいものでは、三日坊主で終わってしまいます。簡単に作れて、すぐ手に入って、美容・健康が高くて、そして何よりおいしいもの……そう考えたときにひらめいたのが「昆布水」です。健康法というよりは、ようするに、ダシですね。そのまま飲んでもいいですし、料理に加えれば旨みが倍増!しかも昆布は美容・健康効果ばつぐんですから、いいことづくめなんです。
お通じが改善し、ニキビも出なくなった
実際、昆布水を摂るようにしたら、私の場合、お通じの状態が明らかによくなりました。また、肌にもよい結果が出て、ニキビができなくなったり、髪のフケも出なくなりました。そうした実感もあって、昆布水はとても信頼を置いているセルフケアのひとつです。
昆布水のよいところは、昆布の栄養成分が効率よく得られる、というだけではありません。昆布水をダシに使う機会が増えるので、自然と和食に切り替わるんです。しかも、昆布水のダシはあっさりとしながら料理の旨みを格段に上げてくれるので、余計な調味料で塩分の摂りすぎも防げます。食生活自体の改善につながる、という点でも、昆布水はおすすめなんですよ。
今でもほぼ毎日のように昆布水を作り、何らかの方法で摂っています。常備ダシとして、美容・健康のセルフケアとして、私のキッチンに欠かせない大切な存在です。今回は、昆布水の効果や作り方、そして私がよく摂る方法などをご紹介しますね。
昆布水の効果効能
美肌
皮膚科医の立場から見ても、昆布は美肌成分を豊富に含む食材です。特に、昆布やワカメなどの海藻類に含有されているフコキサンチンは、抗酸化作用がとても強い成分として知られています。じつは、このフコキサンチンを使って、ある実験が京都大学でおこなわれました。気になる実験結果が出たので、皆さんにもお伝えしますね。
実験をおこなったのは、京都大学大学院農学研究科教授の平田孝先生です。実験ではフコキサンチンをマウスの皮膚に塗り、そこに紫外線を照射しました。そしたら、フコキサンチンを塗った皮膚は、フコキサンチンを塗っていない皮膚と比べて、シワの数も体積も少なくなったんです。
その理由として、フコキサンチンが、紫外線によって発生するコラーゲンなどの分解酵素や、コラーゲンにダメージを与える活性酸素などを無力化したのではないか、と考えられています。まだ実験段階ではありますが、昆布の美肌作用が期待できる結果といえますね。
便秘の改善
私自身も効果を実感したとおり、昆布水は便秘の改善にも役立ちます。昆布を水に浸けると、水がヌルヌルになります。ヌルヌルの正体はアルギン酸と呼ばれるもので、便に水分を与えてカサを増やし、腸のぜん動運動を促してくれます。その結果、便通がよくなるんです。
また、腸内環境は肌と深く関係していますから、便秘が改善されれば肌の調子も整ってきます。お通じを良好に保ち、腸内に老廃物を溜めないようにすることも、美肌作りの大切な要素です。
ダイエット
上に述べたアルギン酸は、脂肪とくっついて、便と一緒に体外に排出する作用があります。体に吸収される脂肪分が少なくなりますから、自然とダイエットにつながるんです。
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