ライター : さとみひろこ

フードディレクター / 食育指導士

旬の素材で「手作り」を楽しもう

八百屋やスーパーで“梅”を見かける機会も多くなってきましたね。 実は“梅”を使った保存食はたくさんあります。青梅を使って作る梅シロップ、梅酒の作り方などはよく耳にする方もいらっしゃると思いますが、そのほか、我が家では梅酢や梅味噌といった調味料なども作ります。 また、青梅ではなく熟した黄梅で作る代表的な保存食といえば梅干しがありますね。梅の旬は5月〜6月と短いですが、こういったさまざまな加工をすることで年中楽しむことができます。 今回は、6月中旬から店頭に出回る熟した梅を使って、初心者でもご自宅で簡単に作れる、自家製梅干しをご紹介します。

おいしい梅干しになる梅の選び方

Photo by hiroko satomi

梅干しを作る際には、必ず「完熟した梅」を使います。熟していない梅を使うと、皮も果肉も硬い仕上がりになってしまいますので気をつけてください。 もし購入時にまだ青い状態だった場合には、室温に1日〜3日ほど置いて、追熟させましょう。 また、選ぶときには、シワがなく、ツヤがあって、みずみずしいものを選びましょう。

袋で作れば簡単!「減塩梅干し」の作り方

今回は初心者の方向けに、ジップロックなどチャック付きの密閉できる保存袋で作れる簡単な作り方をご紹介します。 通常、梅干し作りに適した塩分量は15%〜18%とされていますが、今回ご紹介するレシピは減塩タイプで少し塩分控えめ。ただし、これ以上塩分量を減らしてしまうと、保存効果が減り、カビが発生する原因にもなりますので注意してください。

材料

黄梅(熟して黄色い梅)1kg 塩 130g(梅の重量の13%) 氷砂糖 100g(梅の重量の10%) 35度以上のお酒 50ml (焼酎やホワイトリカーなど、35度以上のもの)※梅の消毒のために使用。

手順

1. 梅をボウルに入れて流水でやさしく洗い、水気をよく拭き取ります。熟した梅は柔らかいのでやさしく扱いましょう。 2. 水気を取ったら、竹串を使ってヘタ(なりくち)をひとつひとつ丁寧に取り除きます。このとき金物は使わず、竹串を使いましょう。 3. ボウルに、梅と焼酎を入れ、梅に焼酎をくぐらせます。焼酎を使うことで梅のカビ防止にもなり、また梅酢をあげやすくする効果もあります。 4. 3のボウルに、塩全量と、氷砂糖の半量を入れて、全体をまんべんなく合わせます。 5. チャック付きの密閉できる保存袋に全て(梅、塩、氷砂糖、汁)を移します。 6. 全体を平らにし、空気を抜きながら口を閉じ、密閉状態にし、重しをして冷暗所で保管します。 ◎ここでポイント 重しは、梅とだいたい同じ重さから少し重いくらい(1〜1.5倍)が目安。お盆やお皿などを利用するとよいでしょう。 7. 2、3日経つと、水分(梅酢)があがってきますので、残りの氷砂糖を加えます。 8. そのまま7月の下旬まで冷暗所で保存します。 ◎ここでポイント 保存する際に梅酢に漬かっていない部分があると、そこからカビが発生しやすくなります。 一日1回、袋を揺すって上下を返し、塩や氷砂糖と梅をよくなじませてください。

もし梅にカビが生えてしまったら…

・梅酢にカビが浮いている場合は、きれいなスプーンなどで取り除きましょう。 ・梅の実にカビがついてしまったら、35度以上のお酒(焼酎やホワイトリカーなど、35度以上のもの)で洗ってから水気をふいて戻せば大丈夫です。

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