ライター : カフェ巡りスト/バリスタ 柳 隆晴

日本バリスタ協会ライセンスレベル1 / ドリンクコーディネーターベーシック

ラテアートってどうやって描いているの??

カフェに行ってカフェラテやカプチーノを注文した時、凄いキレイなデザインだったり可愛い絵が描いてあるのを見たことある方は少なくはないと思います。 ですが、その時疑問に思ったことはありませんか?「このデザインってどうやって描いているのだろう??」今回、ラテアートの描き方の全貌についてご紹介したいと思います。

そもそも何でコーヒーに絵が描けるのか??

カフェラテやカプチーノのように、コーヒーの上にデザインがどうやって描かれると言いますと「エスプレッソのクレマという泡の部分に、蒸気の力を使って泡立てたミルクが浮かんで白い模様が出来る」上記のような仕組みでデザインが描かれていきます。 例えるなら、クレマというキャンパス上に泡立てたミルクという絵の具を使ってデザインを描くというイメージです。

ラテアートが出来るまでの流れについて

ラテアートが出来上がるまでには ①エスプレッソの抽出 ②ミルクのスチーミング ③カップに注ぐ 以上の3つの工程から成り立っています。
①エスプレッソの抽出
ポルタフィルターという専用のフィルターに、エスプレッソ用のコーヒーの粉を詰めます。粉を詰めたら水平にならしタンピングという粉を押し固める作業を行います。 そして、フィルターをエスプレッソマシーンにセットして抽出を行います。
②ミルクのスチーミング
ミルクを専用のピッチャーに入れてスチームノズルにセットします。スチームノズルの先端に穴が空いており、そこから蒸気が出てきます。この時ポイントが2つあります。 1つ目は、その蒸気の出る穴とミルクの水面をギリギリの距離にセットすること。そうすることできめ細かい泡が出来ます。そして2つ目は、蒸気の力でピッチャー内で対流を十分起こすこと。 泡を作ったあと、十分ピッチャー内で対流を起こすことで全体が混ざり合い、密度が均一なミルクが出来上がります。対流を起こすためには、蒸気がピッチャーの壁にぶつかって反射する力を利用します。 ミルクがピッチャーの中でキレイに渦を巻いていたら、キレイに対流が起こっている証拠です!キレイに対流させるにはノズルの位置がポイントですが、色々自分でノズルの位置を動かして確認するのが一番です。 初心者の方は、ピッチャーの中心よりも左右のどちらかにちょっとだけずらした位置にノズルを置くのがやりやすいと思います。 実は、このミルクがちゃんと出来るかどうかがラテアートをキレイに描くための最大のポイントなのです!ミルクの温度は60度くらいがBest!! 専用の温度計を利用するか、ピッチャーの側面を素手で触ってみて「ちょっと熱い、触れない」くらいが60度くらいの温度になります。
③カップに注ぐ
エスプレッソの抽出、ミルクのスチーミングが終わったら、いよいよカップに注ぎます。この時にも絶対に外せないポイントがあります! それは、「カップ内の液面とピッチャーの注ぎ口を出来るだけ近づけること」です。そうすることで、コーヒーの上にミルクの白い泡が浮かび上がってきて模様になります。 距離が離れ過ぎていると、重力の力でミルクが沈んでしまい泡が浮かんできません。また、近すぎると泡まみれで真っ白になってしまいます。 注ぎ方のポイントとしては、まずはカップの縁から2cmくらい距離を離してミルクの泡が浮かんでこないように注ぎ嵩(かさ)をカップの半分くらいまで上げていきます。 嵩が半分くらいまで上がってきたら、注ぎ口を近づけて泡を浮かび上がらせるというのが一般的な流れです。 注ぎ口を近づけるタイミングが早ければ早いほど白い泡の部分が大きくなりますし、逆に遅ければ遅いほど泡の部分が小さくなります。 どんなデザインを描きたいかで、注ぎ口を近づけるタイミングが変わってきます!

ラテアートしている様子を動画でわかりやすくご紹介します

秋のこの時期にピッタリの、”栗”のラテアートを描いてみました! 季節によって、色々なラテアートを描くのも楽しみの1つです♪

家庭でもラテアートって出来るの??

ラテアートが出来上がるまでの仕組みについて、今回はご紹介させていただきました。ですが、お店にあるような専用のマシーンが無いとどうせ出来ないんじゃないの?! そう思われる方も多いはず!結論を言うと、家庭でもラテアートを十分に楽しむことが出来ます! 家電量販店などで1万円前後で家庭用のエスプレッソマシーンを販売していますので、簡単なデザインであればそれで十分に描くことが可能です。 個人的に一番オススメのマシーンは、「deviceSTYLE」というメーカーの「TH-W020」という機種です。 1万円そこそこという値段ではありますが、ラテアートをする時に一番ポイントになるスチームのパワーもしっかりしていて、きめ細かいミルクを作ることが出来ます。
また、100円ショップなどで販売しているハンディタイプのミルクフォーマーでも、手軽にミルクを泡立ててラテアートを楽しむことが出来ますし、 エスプレッソが無くてもインスタントコーヒー、抹茶やココアでもデザインが可能です。
ここまで、ラテアートがどうやって出来ているのかについてご紹介させていただきましたが、身近に感じて頂けましたでしょうか? 「実際に私もラテアートをやってみたい!!」そういう方が1人でも増えていただければ、本当に嬉しく思います。 自宅でも簡単に作れますので、是非お試しください!

次回予告

次回は、「現役バリスタ直伝!フードとコーヒーのマリアージュの世界」について お伝えしていきます。
最後に、私自身も都内を中心にラテアート教室を開催させていただいています。ブログなどで告知していますので、もしご興味ありましたらご覧いただければ幸いです。
【執筆者】
バリスタ 柳 隆晴 日本バリスタ協会ライセンスレベル1保持。ドリンクコーディネーターベーシック取得。macaroni連載キュレーター。 私のバリスタとしてのミッションは『バリスタという仕事を通して、1人1人の日常生活にちょっとした活力を与えること』普段はカフェでバリスタとして働きながら、空いた時間にラテアート体験会やコーヒー関連のワークショップなどを個人で開催しています。今の仕事を通して、webを使ってオススメカフェやコーヒーなどドリンクに関連した情報を発信していきたいと思っています。

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