ライター : あだちよしこ

ライター / 野菜ソムリエ / 調理師

ゆで卵にお酢を入れる意味は?疑問を徹底解決!

Photo by あだちよしこ

ゆで卵を作る際にお酢を加えると、殻がむきやすくなり、ゆでている途中に殻が割れても白身の流出を防ぐ効果が期待できます。これは、お酢が卵殻の成分に働きかけることで殻と膜の間に変化が起きることや、たんぱく質を固める性質があるためです。

また、塩も白身を早く固める作用があり、殻にヒビが入った際の白身流出を防ぎます。お酢と塩は併用することでより安心ですが、味に影響はほとんどありません。

ただし、殻むきの成功は卵の鮮度や冷やし方などの要素も重要で、これらを組み合わせることきれいなゆで卵が作れます。次から失敗しないゆで卵作りのための具体的なテクニックをひとつずつ詳しく解説しますので、ぜひチェックしてみてくださいね!(※1)

ゆで卵の調理ステップまとめ

  1. 冷蔵庫から出したての卵を使う
  2. 卵の鈍端(丸い方の端)に、画鋲や卵の穴あけ器などでごく小さな穴を開ける
  3. お湯を沸かし、卵を入れる直前に塩と酢を入れる
    ※お湯1リットルならお酢大さじ1、塩小さじ1/3くらいが目安
  4. 穴を開けた卵を、お玉などを使って鍋の底にそっと沈めるように入れる
  5. 卵を入れたら、最初の2〜3分ほどは菜箸などでやさしく転がす
  6. ゆでる
    ・とろ〜り半熟: ゆで時間8分
    ・しっとり固ゆで: ゆで時間11分
    ・しっかり固ゆで: ゆで時間13分
  7. すぐに冷水(できれば氷水)につけるか、流水で急冷する
  8. スプーンの背でやさしく叩いたりして、卵全体に細かいヒビを入れる
  9. 流水の下、またはボウルにためた水の中で殻をむく

失敗しない!ゆで卵の作り方と殻むきのコツ

ステップ1:卵の準備

Photo by あだちよしこ

ゆで卵をゆで始める前の「準備」は、きれいに殻をむくための大切な一歩。まずは卵を冷蔵庫から出したてのまま使うのがポイントです。季節で室温が変わるため、冷蔵庫から出したての一定温度の卵のほうが、毎回同じ固さに仕上がります。

きれいに殻をむきやすくするための大切なコツは、ゆでる前に卵の鈍端(丸い方の端)に、画鋲や卵の穴あけ器などを使ってごく小さな穴を開けることです。そうすることで、気室の空気が抜けやすくなって、ひび割れしにくくなります。

卵の穴あけ器は100円ショップで買えて、穴の深さも自分で調節しなくていいので、おすすめです。スプーンの背で軽くヒビを入れてもOK!

Photo by あだちよしこ

穴を開ける場所は、卵の鈍端(丸い方の端)にある「気室」という空洞の部分です。(穴を開ける場所は写真の卵の下の部分です。)

Photo by あだちよしこ

穴の深さは、白身まで達しない、薄皮を破らない程度で大丈夫。このくらいの小さな穴でOK!

では、なぜゆでる前に穴を開けると殻がむきやすくなるのでしょうか。穴を開けることで、ゆでる際に気室の空気がスムーズに抜けるようになって、殻の内側と白身の間に水が入り込みやすくなるんです。これによって、殻をむく際に白身がくっつきにくくなり、剥がれやすくなります。また、ゆでている最中にひび割れしにくくなる効果も期待できますよ。(※1)

ステップ2:お湯の準備をして、酢と塩を入れる

Photo by あだちよしこ

卵の準備ができたら、次はゆでるお湯の準備です。鍋に卵が完全に浸る量のお湯をしっかり沸騰させます。お湯が沸騰したら、卵を入れる直前に塩と酢をお湯の量に合わせて(例えばお湯1リットルならお酢大さじ1、塩小さじ1/3くらいが目安)加えます。

※今回使用した鍋は直径17cmほどの片手鍋。水は約1Lに対して、お酢大さじ1、塩小さじ1/3を加えています。

お酢と塩をゆでるお湯に入れることで、ゆでているときに殻にヒビが入ってしまっても、ひび割れから白身が流れ出るのを防いでくれる効果が期待できるんです。これは、お湯に溶け込んだお酢と塩の成分が、流れ出ようとする白身(たんぱく質)に触れると、白身がサッと固まるのを助けてくれるためです。(※1)

ステップ3:卵をゆでる

Photo by あだちよしこ

お湯がしっかり沸騰して、お酢と塩を入れたら、卵をゆでていきましょう。穴を開けた卵を、お玉などを使って鍋の底にそっと沈めるように入れましょう。卵同士がぶつからないようにやさしく入れてくださいね。

ここでの大切なポイントは、必ず沸騰したお湯に卵を入れるということです。水からゆでると、鍋の大きさや水の量によってお湯が沸騰するまでの時間にばらつきがでてしまいます。ゆで時間を同じにしても仕上がりにムラが出やすくなってしまいます。

Photo by あだちよしこ

卵を入れたら、最初の2〜3分ほどは菜箸などでやさしく転がしてあげましょう。そうすることで、黄身が偏りにくくなり、カットしたときに黄身がきれいに中央に。見た目も美しく仕上がります。

ゆでている間の火加減は、卵が鍋の中でぶつかったりゴロゴロ転がったりしない程度に、フツフツと静かに沸騰するように調整してください。

Photo by あだちよしこ

好みの固さに仕上げるためのゆで時間の目安は以下の通りです。
・とろ〜り半熟: ゆで時間8分
・しっとり固ゆで: ゆで時間11分
・しっかり固ゆで: ゆで時間13分


卵の固さはゆで時間と温度で決まります!卵の白身は約60℃〜70℃、黄身は約65℃〜70℃でそれぞれ固まり始めると言われています。ゆでるときの「温度」と「時間」をきちんとコントロールすることで、半熟から固ゆでまで、思い通りの仕上がりに近づけることができるんです。特に、しっかり沸騰したお湯(100℃)でゆでることで、卵全体に熱がムラなく素早く伝わるので、ゆで時間を守れば、好きな固さになりやすいですよ

ステップ4:ゆでたらすぐに急冷する

Photo by あだちよしこ

卵がゆで上がったら、すぐに冷水(できれば氷水)につけるか、流水で急冷します。熱い卵を冷水に入れると、白身と殻の間に急激な温度差が生じて、白身が殻の内側から剥がれやすくなります。これが、殻をツルンとむくための仕組み。 また、余熱で黄身が固まりすぎるのを止める目的もあります。

流水かたっぷりの氷水につけるのが、素早くゆで卵を冷やすコツ。氷水の場合は氷が少ないとぬるくなってしまうので、たっぷり氷を入れてくださいね。

Photo by あだちよしこ

流水なら常に冷たい水が流れ続けるので、効率よく急冷できますよ。

ステップ5:殻をむく

Photo by あだちよしこ

卵がしっかり冷えたら、いよいよ殻をむいて仕上げです。きれいに、ツルンとむくための最後のコツをマスターしましょう。まず、スプーンの背でやさしく叩いたりして、卵全体に細かいヒビを入れます。

Photo by あだちよしこ

ゆで卵を台などに軽く打ち付けて、手のひらでやさしく押しつけながら転がすやり方もおすすめです。

Photo by あだちよしこ

次に、流水の下、またはボウルにためた水の中で殻をむきます。水の中で卵をむくと、 ヒビを入れた隙間から水が殻の内側に入り込みやすくなり、剥がれやすくなった白身と殻が、水の力によってスムーズに剥がれやすくなります。

Photo by あだちよしこ

ツルンときれいにむけましたね!
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
レビュー(0件)
emptystar emptystar emptystar emptystar emptystar -
レビューはまだありません
レビューをする
loading
ユーザー名(ニックネーム)
評価(必須)
5.0
大満足のおいしさ。 定番料理にしたい。
画像(任意)
コメント(必須)
レビューをする
キャンセル
レビューが投稿されました
閉じる
このコメントを削除してもよろしいですか?
「」
削除
キャンセル
コメントが削除されました
閉じる

編集部のおすすめ