ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

ベーコンは生で食べられるものもある!でも注意が必要!

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パッケージに「加熱食肉製品」や「そのままでもお召し上がりになれます」といった文言が明記されている国産のベーコンなら、生(非加熱)で食べることができます。

一方で「外国産ベーコン」と「自家製ベーコン」を非加熱で食べるのは安全ではありません。外国産ベーコンは日本の安全基準を満たしているか不明確です。また、自家製ベーコンは作る際の温度管理や殺菌処理がむずかしいため、市販のベーコンとは違って食中毒のリスクがあるものになります。

なお、「加熱食肉製品」表示のある安全な国産ベーコンであっても、生食する際にはいくつか注意点があります。まず、非加熱で食べるのは開封してすぐのベーコンのみにしてください。また、食中毒対策として、生のままのベーコンはお弁当に入れないことが大切です。

それでは安心して食事を楽しむために、ベーコンを生食する際の選び方や食べ方について詳しく見ていきましょう。(※1.2)

生で食べられるベーコン・NGなベーコンの見分け方

パッケージの「加熱食肉製品」表示を確認

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加熱せずにベーコンを食べたいときは、商品のパッケージに「加熱食肉製品」という表示があるかどうかを確認することが大切です。ベーコンを生食できるかどうか見分けたいときは、この表示を確認するのがもっとも確実だといえます。

加熱食肉製品とは、食品衛生法で決められた方法で原料肉を加熱したあと、冷却された食品を指します。中心部まで加熱することにより殺菌されているため、加熱食肉製品のベーコンなら家庭で加熱調理をしなくてもそのまま食べられます。

加熱食肉製品の表示は、名称欄の上部(一括表示の欄外)に記載されています。名称欄には「ベーコン」「ロースベーコン」などという記載があるので、その上部に「加熱食肉製品」という表示があるかどうかを確認してくださいね。(※2,3,4)

「そのままでも召し上がれます」等の表記も判断の目安に

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加熱食肉製品という表示があるベーコンのなかでも、より消費者に親切なメーカーの商品には「そのままでもお召し上がりになれます」といったように、非加熱で食べられることがわかるような直接的な文言がパッケージに記載されている場合があります。

「そのままでもお召し上がりになれます」という文言があると「非加熱でベーコンを食べてよい」とわかりやすいですが、この文言が記載されていない場合でも、加熱食肉製品であれば生食ができます。

食べ方についての表記は判断の目安になりますが、生食できるか知りたいときは「加熱食肉製品」のベーコンであるかどうかを確認することを優先してくださいね。(※2)

ブロックベーコンも「加熱食肉製品」表示があれば生食可能

スライスべーコンと同様に、ブロックタイプのベーコンも「加熱食肉製品」であれば中心部まで殺菌されているため、加熱調理をせずに食べることが可能です。お好みの厚さにスライスしてそのまま食べられますよ。

生食できるブロックベーコンを見分けたいときは、食品表示の名称欄の上部に「加熱食肉製品」と明記されているかどうかを確認しましょう。(※2,3,4)

「無塩せきベーコン」を生食したい場合の条件と注意点

「無塩せきベーコン」とは、塩漬けの工程で発色剤や添加物を使わずに作られたベーコンを指します。発色剤を使わないことで、一般的なベーコンのような桃色ではなく、加熱した肉のような茶色をしているのが特徴。添加物を控えたい人に人気があるベーコンです。

無塩せきベーコンであっても、一般的なベーコンと同様にパッケージに「加熱食肉製品」という表示があれば非加熱で食べられます。

ただし、無塩せきベーコンには、ボツリヌス菌という食中毒菌の増殖を抑える「亜硝酸ナトリウム」という発色剤が使われていない点に注意が必要です。塩せきしたベーコンに比べて賞味期限が短いため、非加熱で食べるのは開封直後のみにすることをおすすめします。(※2,5)

「外国産ベーコン」と「自家製ベーコン」は生食を避ける

そのまま食べられる加熱食肉製品の国産ベーコンとは異なり、外国産ベーコンや自家製ベーコンを非加熱で食べるのはおすすめできません。

なぜなら外国産のベーコンは、日本の食品衛生法の規格に基づいて製造されているかどうかを確認することが困難です。また、自家製のベーコンは市販のベーコンとは異なり、食品衛生法に基づいて厳格な温度管理や殺菌処理をおこなったものとは言えません。

このように外国産のベーコンや自家製のベーコンは衛生面に危険性があるため、生食には向いていません。少しでも安全性に疑問や不安があるベーコンは生食するのを避けて、しっかり加熱してから食べるようにしてくださいね。(※2)
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