ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

苦い大根は食べても大丈夫?体に悪いの?

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大根を調理して、いざ食べてみたら苦かった……という経験はありませんか。苦味の正体は大根に含まれるポリフェノールです。大根の成分なので食べても問題ないですが、このポリフェノールの含有量が多いと苦味やえぐみを感じます。

ただし、苦味の原因が腐敗やカビの場合は食べられません。傷んだ大根は、皮やカットした断面が全体的に茶色に変色したり、白カビや黒カビが生えていたりします。また酸っぱいような異臭がしてブヨブヨとやわらかい場合もNG。使わずに処分してくださいね。

【すぐできる】調理方法別・苦味の応急処置テクニック

調理中の煮物・味噌汁が苦い!今すぐできる緩和ワザ

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大根の煮物を作る際は、下ゆでしてアク抜きをすると苦味やえぐみを取り除けます。ゆでたら、大根を水に取りぬめりを取るのもおすすめです。みそ汁や炒め煮など下ゆでしないで作る場合は、調理中にこまめなアク取りを徹底するようにしましょう。

さらに味付けに砂糖やみりんを使い甘味を足したり、旨味のあるだしを濃くしたりすると苦味が気にならなくなります。また煮汁にレモンやかぼすなどの柑橘類の果汁を少し加えると苦味を感じにくくなりますよ。仕上げに加えても柑橘の香りとさわやかな風味が加わって苦味をカバーできます。

生のまま食べたい!サラダ・和え物の苦味を和らげる即効ワザ

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大根を生で食べる場合は、塩もみして水分とアクを絞り出すと苦味が和らぎます。なるべく細切りや薄切りにしておくと苦味が流出しやすくなりますよ。さらに、水にさらす方法もおすすめです。

生のほうが苦味を感じやすいため、サラダや和え物の味付けを濃いめにするのもポイント。マヨネーズやごまだれなどで甘味のある濃厚な味わいにしたり、鶏がらスープの素やオイスターソースなど旨味のある調理料をプラスしたりするのもよいですよ。

大根に苦味・えぐみが出る3つの主な原因

原因1:大根の下部分や筋を食べている

調理の際、大根の下部分や筋部分を使うと苦味やえぐみを感じやすいです。大根は部位によって味わいが異なり、上部のほうが甘く下部にいくほど辛味や苦味が強く感じられます。また皮の付近や先端部分は、虫に食われないために筋っぽく硬くて苦いという特徴もありますよ。大根は部位によって調理方法や下処理を工夫したり皮は厚めにむいたりして対応することが大切です。

原因2:旬でない大根を食べている

大根は通年出回る野菜ですが、本来の旬は冬です。11月〜3月の秋冬大根はみずみずしくてやわらかく多汁で、甘味があるのが特徴。おでんや煮物に適しています。いっぽうで夏場の大根の特徴は、硬くて辛味が強いものが多いです。煮物には向かず薄く切って炒め物にしたりすりおろして薬味として使ったりします。夏場の大根を旬の大根と同じように調理すると、苦味や辛味を特に感じやすいでしょう。

原因3:鮮度の低下

大根は鮮度が落ちると苦味を感じやすくなります。特に生食する場合は苦味を感じやすいため、新鮮なものを使うことが大切です。葉付きの大根を購入したらすぐに葉と根を切り分けるのがポイント。葉からどんどん水分が蒸発するので、分けて保存することで長持ちしますよ。また立てて保存すると大根にストレスがかからず鮮度がキープできます。

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