ライター : Raico

製菓衛生師 / スイーツ&フードアナリスト / フードライター

プロが解説。生チョコが固まらない原因と対処法

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濃厚で口どけがなめらかな生チョコ。チョコレートと生クリームでガナッシュ(クリーム)を作り、純ココアパウダーを振りかけるだけで簡単に作れます。

一方、冷蔵庫で冷やしても生チョコがうまく固まらなかったことはありませんか。固まらないいくつかの原因と対処法をプロが解説するので、ぜひチェックしてみてください。

生チョコが固まらない原因4つ

  1. 生クリームの脂肪分が低い
  2. 生クリームの分量が多い
  3. チョコレートのカカオ分が低い
  4. レシピ通りの材料で作っていない

原因1. 生クリームの脂肪分が低い

生チョコは、使用する生クリームの脂肪分によって固まり方が変わります。脂肪分が高い生クリームを使うほど、固まりやすいです。

チョコレートと生クリームでガナッシュを作って冷蔵庫で冷やすとき、基本的なレシピは1時間ほど冷やす必要があります。このとき同じレシピで作っても、47%の生クリームを使うとレシピ通りでも固まりますが、35%の生クリームは2~3時間、植物性の生クリームは半日~ひと晩ほど冷やさなければガナッシュは固まりません。

脂肪分が低い生クリームを使うほど、冷やす時間を長くして固める必要があります。

原因2. 生クリームの分量が多い

生チョコ(ガナッシュ)を作るとき、基本的なチョコレートと生クリームの比率は2:1です。生クリームの分量が多くなるほどやわらかくなり、多すぎる場合は固まらなくなります。低脂肪の生クリームは、少し分量が多くなるだけで固まらないことがあるため注意が必要です。

また口どけや風味をよくするため、バターやリキュールを加えることがあります。その場合も生チョコがやわらかくなり、固まりにくいでしょう。

原因3. チョコレートのカカオ分が低い

使用するチョコレートによっても、生チョコ(ガナッシュ)の固まり方が変わります。チョコレートのカカオ分が高いものほど硬くなり、低いものはやわらかい仕上がりに。

なお市販の板チョコを使う場合は、カカオ分が低いため注意が必要です。板チョコには植物油脂や砂糖が多く含まれるため、いっそう固まりにくくなります。

またホワイトチョコレートで作る場合も、カカオ分が低いので気をつけましょう。ホワイトチョコレート用のレシピで作るか、生クリームを減らすといった配合を調整する必要があります。

原因4. レシピ通りの材料で作っていない

お菓子作り全般にいえますが、レシピ通りの材料で作ることも大切です。特にチョコレートは温度変化に弱く、とてもデリケートな食材。配合を守らなかったり食材をアレンジしたりすると、仕上がりが変わってしまうこともよくあります。

生チョコなら、チョコレートと生クリームはレシピで使っているもので作るのがおすすめです。市販の板チョコは手に入れやすいですが、製菓用チョコレートのレシピで作るとうまく固まらないことも。板チョコを使う場合は、板チョコ用のレシピで作ると失敗しにくいでしょう。

生チョコを冷やしてもしっかり固まらない場合の対処法

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生チョコが固まらなかった場合、まずは冷蔵庫で冷やす時間を増やしてみてください。ひと晩置いても固まらないときは、チョコレートを追加すれば固まることがあります。

上記の通り、基本的な生チョコ(ガナッシュ)のチョコレートと生クリームの比率は2:1です。少しずつチョコレートを溶かして混ぜながら、生チョコが固まるか様子を見ましょう。チョコレートと固まらなかった生チョコをそれぞれボウルに入れ、50℃程度の湯せんにかけて溶かしてから混ぜ合わせてください。

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