体内の浸透圧調整に関わる「カリウム」

カリウムはミネラルの一種で、浸透圧の調整のほか、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わる栄養素です。ナトリウム(塩分)を身体の外に出しやすくするはたらきがあるため、濃い味付けの料理やファストフードなど、塩分を摂り過ぎたときに積極的に取り入れると良いでしょう。(※7)

不足しがちな「食物繊維」

パプリカには水溶性と不溶性どちらの食物繊維も含まれます。食物繊維は消化酵素の作用を受けずに大腸まで届くのが特徴です。便の体積を増やす材料となるほか、大腸内の環境を良くする腸内細菌に利用され、これらの菌を増やすことが明らかとなっています。

日本人の摂取量は不足気味なため、便秘の対策や血糖値のコントロールのためにも意識して摂り入れましょう。(※2,8,9)

パプリカの色による栄養の違い|ピーマンとも比較

カロリー糖質ビタミンCβ-カロテン当量ビタミンEビタミンB2カリウム食物繊維
赤パプリカ28kcal5.6g170mg1100μg4.3mg0.14mg210mg1.6g
黄パプリカ28kcal5.3g150mg200μg2.4mg0.03mg200mg1.3g
オレンジパプリカ19kcal2.4g150mg630μg3.1mg0.03mg230mg1.8g
ピーマン(緑)20kcal2.8g76mg400μg0.8mg0.03mg190mg2.3g
(※2)
(※100gあたりで比較しています)
赤・黄・オレンジのパプリカとピーマンの栄養素を比較すると、カロリーと糖質は赤・黄パプリカが高い値。また、赤パプリカは、ビタミンC・β-カロテン当量・α-トコフェロール・ビタミンB2においても4種のなかでもっとも多く含んでいます。

ピーマンはカロリー・糖質・ビタミン等の栄養素だと赤パプリカより少ない値ですが、食物繊維は2.3gと、もっとも多く含まれています。

そもそもパプリカとピーマンの違いは?

パプリカとピーマンは同じナス科トウガラシ属ですが、大きな違いはその色と大きさと味わいです。パプリカはカラフルで、ピーマンより大型であるほか、苦味や青くささがなく、肉厚で甘みがあります。 その鮮やかな色合いは、お弁当やおもてなし料理にも使いやすく、ピーマンとはまた違った調理を楽しめますよ。(※10)

パプリカの栄養素を上手に摂り入れるコツ

食べ方のコツ

  1. 水溶性ビタミンが損失しない調理法にする
  2. 油と一緒に食べて吸収をよくする
  3. 丸ごと食べてタネやワタの栄養を摂取

水溶性ビタミンが損失しない調理法にする

パプリカには熱に弱い水溶性ビタミンが含まれるため、生で食べるのが無駄なく栄養を摂れる方法です。生で食べる場合、水溶性ビタミンが損失しないためにも、切ってから洗ったり水にひたしたりしないようにしましょう。加熱する場合はゆでるよりも焼くかサッと炒める調理法が向いています。

通常ビタミンCは水溶性で熱にも弱い栄養素ですが、パプリカのビタミンCは熱で壊れにくい性質をもつため、サッと加熱する分にはほとんど損失はありません。(※4,11)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ