ライター : Natsumi Yokomizo

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ブームを先取り!おうちで手軽にバクラヴァ

Photo by Natsumi Yokomizo

バクラヴァとはトルコで古くから愛される伝統菓子。紙のように薄い生地を何層にも重ね、間にドライフルーツやナッツをはさんで焼き上げ、熱々のところに花の蜜をかけたアラブの焼き菓子のことです。

日本ではまだ馴染みの薄いスイーツですが、昨年銀座にバクラヴァの高級老舗ブランド「ナーディル・ギュル」が上陸したことから、グルメメディアでも取り上げられるなど、注目が集まっています。

実際にバクラヴァを食べた人の声を集めてみると、
「一度食べたら忘れられない、虜になりそうな魅惑のおいしさ」
「ここ数年で食べたスイーツの中で一番甘い」
「噛むとパイ生地に浸み込んだバターとシロップがじゅわっと溢れてくるのがたまらない」
など、気になる声ばかり。

現在日本で購入できる店舗は限られているため、お住まいの地域によっては手に入りにくいこともあるかと思います。そこで、地中海・アラビア料理の人気店「CARVAAN」にお願いし、バクラヴァを得意とするシェフのレシピを特別に教えていただきました。オーブンがあればおうちで簡単に作れて、その上格別においしいレシピです。

プロが教える簡単バクラヴァのレシピ

Photo by Natsumi Yokomizo

調理時間 40
*うち、オーブンが30分
バクラヴァのレシピを紹介してくれたのは「CARVAAN BAY YOKOHAMA」のニウレ シヴ(Niure Shivu)さん。カタールやドバイなど富裕層の多い都市の有名インド料理店で活躍した経歴を持つ実力派料理人です。

「CARVAAN」で販売されているのは、生地の間にペースト状にしたデーツと、たっぷりのくるみが散りばめられたバクラヴァ。今回は、おうちで手軽に再現できるよう、代替できる材料の紹介と一緒に作り方をご紹介いたします。ぜひ手に入る材料で再現してください。

材料(12人分)

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  • フィロ生地 250g(21枚)
  • デーツ(ほかのドライフルーツで代用可) 100g
  • くるみ 100g
  • ピスタチオ 100g
  • 無塩バター 150g
  • シロップ
    • 200g
    • 花蜜糖 300g
※花蜜糖は、黒糖やきび砂糖、三温糖で代用可能です。花蜜糖以外を使う場合は、お好みで量を加減し、甘さを調整してください
※※フィロ生地は以下でも購入可能です

ITEM

パートフィロ(フィロ生地)

¥1,280〜

フランス産パートフィロ500g/約20枚入 原材料名:小麦粉66%、トウモロコシの粉0.5%、塩0.5%、水33% 賞味期限:お届け後、半年程度 内容量:500g(約20枚入り)、長方形 30cm×40cm、厚さ 0.2mm 保存方法:冷凍

※2023年3月27日時点 価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpおよびshopping.yahoo.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

コツ・ポイント

  1. フィロ生地はしっかりと解凍する
  2. くるみやピスタチオなどのナッツは粗く砕く
  3. 型(耐熱皿)からはみ出たフィロ生地はカットする
フィロ生地がきちんと解凍ができていないと、重ねた時に空気が多く入ってしまい食感が変わってしまうため、しっかりと解凍しましょう。フィロ生地は冷蔵庫でひと晩解凍し、使用する前に30分ほど常温に置いておきます。そうすることで、きれいな見た目になります。

ザクザクとした食感を楽しむために、くるみやピスタチオなどのナッツは粗く砕くのがおすすめです。ザクザクした食感が好みでない方は、細かく砕いたり、ペースト状にしたりしても、違った食感を楽しめます。

最後のフィロ生地を重ねた後、型(耐熱皿)の底よりもはみ出た生地は忘れずにカットしましょう。そうすることで端が焦げてしまうのを防ぎ、バクラヴァの風味を楽しめます。

下ごしらえ

・フィロ生地は冷蔵庫でひと晩解凍し、使用する前に30分ほど室温に置いて常温に戻す
・オーブンを200度に予熱する

作り方

1.シロップを作る

バクラヴァのシロップを作る

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シロップの材料を鍋に入れ、混ぜながら加熱します。沸騰したら中弱火にして、砂糖が溶けるまで煮込み、火からおろして完全に冷まします。 花蜜糖は黒糖やきび砂糖、三温糖で代用しても問題ありません。風味のある砂糖を使う方がおいしく仕上がるので、白砂糖はおすすめしません。

2.フィロ生地を切りそろえる

フィロ生地を切りそろえる

Photo by Natsumi Yokomizo

型(耐熱皿)※のサイズ・形に合わせてフィロ生地を切りそろえます。作業中にフィロ生地が乾燥しないよう、 湿らせた布巾で覆ったり、ジップロックなどの密閉された袋に入れたりして、工夫しましょう。生地は乾燥してしまうと、きれいに仕上げるのがむずかしくなります。 ちなみに、フィロ生地はライスペーパーでも代用できます。ただ、食感が変わってしまうので、フィロ生地を使うのがベストです。通販を利用するなら「フィロ生地」「パートフィロ」などのワードで検索すると見つけやすいでしょう。 ※チーズケーキ用の型がおすすめ。大きめの天板やグラタン容器でもOK

3.型にバターを塗り、溶かしバターを塗ったフィロ生地を重ね敷きする

フィロ生地にバターを塗る

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型(耐熱皿)の底と側面にバターを塗り、フィロ生地1枚を敷き詰め、溶かしバターを塗ります。その上に2枚目のフィロ生地を置き、また溶かしバターを塗ります。これを7回繰り返します。 必ず最初に型(耐熱皿)の底と側面にバターを塗るようにしてください。これを忘れると、焼き上がったバクラヴァを型からきれいに取り出せなくなります。フィロ生地を重ねたら毎回軽く手で抑え、バターが全体に行き渡るようにするのも大事なポイントです。 なお、バターを塗り過ぎてしまうとしっとり感の強い仕上がりになるので、パリッとした食感を楽しみたいなら薄くまんべんなく塗るようにしてください。

4.ナッツとデーツを散らし、フィロ生地を重ねる

ナッツとデーツを散らす

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3の上に刻んだくるみとデーツ、ピスタチオを散らし、さらに14枚のフィロ生地を、バターを塗りながら重ねます。 ここで重ねるフィロ生地は、最低7枚あれば問題ありません。多いほどバリっとした食感になり、ボリュームが増すので、お好みに合わせてアレンジしてください。 デーツが苦手だったり手に入れにくいという方は、他のドライフルーツで代用を。フィグ(いちじく)やアプリコット(あんず)など、酸味が少なく食感のねっとりしたものがおすすめです。 ナッツは入手しやすいもので試してみてください。コンビニやスーパーで買えるミックスナッツでもOKです。

5.最後に重ねた生地にバターを塗る

フィロ生地にバターを塗る

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最後に重ねた生地にもまんべんなくバターを塗ります。

6.型からはみ出た生地をカットする

フィロ生地をカットする

Photo by Natsumi Yokomizo

型(耐熱皿)からはみ出ているフィロ生地をカットします。 フィロ生地がはみ出ていると、端が焦げてしまい、その匂いがオーブンにまわってバクラヴァの風味が損なわれてしまいます。ここはぜひ丁寧に作業してください。

7.生地を切る

フィロ生地をカットする

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ナイフで生地を縦に切り、さらに斜めに切り込みを入れます。 切り方はお好みでOK。仕上がりがパリパリになるので、ドライフルーツの深さまでは切れていないと、取り出すときに割れてしまいます。しっかりと切り込みを入れましょう。 底までしっかり切り込みを入れれば、焼き上がったあとで型から取り出しやすくなります。

8.オーブンで焼く

バクラヴァオーブンで焼く

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オーブンに入れ、200度で30分ほど、表面がきつね色になるまで焼きます。 オーブン内の様子を見ながら焼き上がりのタイミングを計りましょう。焼け具合が心配な方は、20分ぐらいで一度様子を見て、アルミホイルを上に被せても良いでしょう。

9.オーブンから取り出し、シロップをかける

バクラヴァにシロップをかける

Photo by Natsumi Yokomizo

オーブンから取り出し、バクラヴァが熱いうちに、冷ましたシロップをかけます。 シロップをかけたときに、ジュワーと音が出るのが正解。この音が楽しめるのも手作りだからこそ。1時間ほど置くと、シロップが層に染み込み、できあがりです。

10.盛り付ける

バクラヴァにトッピングをする

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シロップが染み込んだらお皿に盛り付けます。お好みでバクラヴァの上にトッピングするのもおすすめ。 ピスタチオやローズペタルなど、色味のあるものをトッピングすると華やかになります。今回は、くるみをトッピング。
いかがでしたでしょうか。基本的なレシピを覚えてさえしまえば、アレンジがかなりきくバクラヴァ。重ねる作業は多少時間がかかりますが、あとはオーブンに入れるだけなので簡単。洋菓子に比べて、失敗が少ないのでお菓子作り初心者の方にもおすすめです。

バクラヴァの保存方法

シロップがたっぷりかかったバクラヴァは、あまり日持ちがしないため、できる限り早く食べきりましょう(賞味期限は2日以内)。保存する場合は、容器に入れて冷蔵保存がベターです。

冷えたまま食べるのも良し、パリッと感を楽しみたい方はトースターなどでリベイクして温めて食べるのも良し。温めるとより甘みが増すので、まずは冷やして食べてみるのがおすすめです。

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