ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

胡椒とは?

胡椒は香辛料の一種で、インドの南西部が原産地です。日本で胡椒が普及したのは、第二次世界大戦の終わったころ。食生活が西洋化したことで、食卓に欠かせないものとなっています。

さまざまな料理に活用できる胡椒は「スパイスの王様」の異名を持つほど。何気なく使うことが多い胡椒ですが、身体によい作用も期待できますよ。

胡椒にも種類がある!特徴も紹介

胡椒はツル性の植物で、香辛料として利用されるのは実の部分です。実の処理の仕方によって色や風味が異なります。胡椒の種類ごとに、特徴や違いを見てみましょう。

黒胡椒(ブラックペッパー)
完熟する前の胡椒の実を収穫し、天日干しにして作られるのが黒胡椒。白胡椒と比べると刺激的な辛味があり、肉料理や青魚の料理と相性抜群です。

黒胡椒は粉末状・粗びき状・粒状と異なる形状のものが販売されています。料理に合わせて使い分けるのがおすすめです。料理の仕上げにかける場合は粉末状、煮込み料理に使うときは粒状のものが向いています。

白胡椒(ホワイトペッパー)
白胡椒は黒胡椒と違って、熟した胡椒の実を使って作られるスパイスです。実を長時間水に浸して発酵させ、外側の黒い皮を剥くことで色が白くなります。

黒胡椒より辛味が穏やかなので、鶏むね肉や白身魚のように淡白な食材を使う料理にぴったりです。また、グラタンやクリームシチューなど、白く仕上げたいおかずに適しています。

赤胡椒(ピンクペッパー)
食卓ではあまり見かけることのない赤胡椒は、赤く熟した胡椒の実を塩漬けにしたものです。なお、ピンクペッパーと呼ぶ場合は、ペッパーツリー(コショウボク)の実を乾燥させたもののことを指すのが一般的です。

また、ナナカマドの実から作るスパイスもピンクペッパーと呼ばれています。

青胡椒(グリーンペッパー)
黒胡椒と同様に、青胡椒の原材料は熟していない胡椒の実です。未熟な緑色の胡椒の実を下ゆでしてから塩漬けにしたり、フリーズドライにしたりして作られます。粒状で販売されていることが多く、料理のアクセントや彩りに活用できますよ。

赤胡椒とともに料理の回りに散らすと、おしゃれなひと皿に仕上がります。また、フレッシュでさわやかな香りも魅力的です。

胡椒の効果効能

殺菌作用

胡椒は料理のアクセントや香りづけに活かせるほか、さまざまなメリットが期待できます。そのひとつが、胡椒に含まれる辛味成分であるピペリンがもたらす抗菌・防腐作用です。肉を長期保存する際に活用できることから、胡椒が珍重されていたという歴史もあります。

また、胡椒の抗菌作用は体内でも続くと考えられています。身体に入った細菌に対してもこの作用が期待できますよ。(※1,2)

発汗作用

スパイスたっぷりの料理を食べて汗をかいた……という経験がある方は多いのでは?胡椒の辛味成分であるピペリンには、唐辛子に含まれるカプサイシンと同様に発汗作用があります。この発汗作用により、新陳代謝が高まることが期待できますよ。

また、ピペリンには血流を促すはたらきがあるため、冷え性で悩んでいる方におすすめのスパイスだと言えます。(※1,3)

食欲増進作用

胡椒に含まれるピペリンや香り成分には、胃腸を刺激する作用があります。胡椒を料理に取り入れると食欲の増進につながりますよ。また、腸の運動が活発になるため消化が促されます。

ただし、胡椒は刺激があるため、胃腸が弱っているときにたっぷり摂るのは避けましょう。食欲がないときに適量を取り入れるのは問題ありません。(※1,4)
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