発酵食品を管理するコツ

瓶に分かりやすく書き込む

Photo by kazuhiro gohda

ここまでお話を伺い、気軽にやってみたい気持ちが芽生えつつも、まだ失敗の不安が残ります。そこで、発酵食品を管理するコツをお聞きしました。

「いつ仕込んだのか分からなくなって、失敗して……いつの間にか発酵食作りが面倒な印象になっていることもあると思います。

まずは、瓶に日付を書いて保存するとよいですよ。これを続けるだけで、どれくらいで発酵するのかタイミングがわかってきます。また、レシピを瓶に書いておけば、残り少なくなったときに瓶を見ただけで、何をどれくらい追加すればよいか分かるのでおすすめです。

でも、そんなに失敗をおそれなくても大丈夫。私も何度も失敗を重ねたことで、これだ!という感覚を掴みました。ともあれ、まずはチャレンジしてみて、どの発酵食品が自分に合うのか見つけるのも楽しみ方のひとつです」

菌が活性化する環境づくりを

Photo by kazuhiro gohda

山田さんのキッチン。通気性がよい古民家の造りは、発酵食品作りに適しているそう
失敗しても大丈夫という心強いお言葉に、発酵食品にチャレンジしたい気持ちが高まります。最後に、発酵させるときや保存するときの適切な場所を伺いました。

発酵食品作りには、通気性がよい場所が適しています。最近の家は気密性が重視されていて、発酵食品の菌にとっては居心地があまりよくないことがあるかもしれません。家の中でも特に風通しのよい、直射日光の当たらない場所で管理してみてください。基本は常温ですが、夏場の暑い日は冷蔵庫で。気温が低いと発酵はゆるやかになります」

Photo by kazuhiro gohda

常温で保存している山田さんお手製の発酵食品
「完成後については、長持ちするオイル漬けや酢漬けは瓶に入れ常温保存を。環境が整っていれば、らっきょうや梅、しょうゆも常温で大丈夫です。ただ、保管場所が安定するまでは、こまめにチェックしてみてください。それ以外は冷蔵庫で保存しましょう」

少しずつでも発酵食品を食べ続けると、健やかな世界が広がる

Photo by kazuhiro gohda

「ズボラな人やせっかちな人は発酵食品作りに向いていないって思うかもしれませんが、そんなことはないんですよ。ズボラなら冷蔵庫でゆっくり発酵させることで失敗を減らせるし、せっかちな人は発酵が進みやすい夏にチャレンジすることであっという間に発酵食品が作れたりと、発酵食品はその人なりの距離感で付き合えば誰でも気軽に取り組めるものなんです」と山田さん。

お話を伺う前は、毎日発酵食品を取り入れるのはむずかしそうと感じていた取材陣ですが、山田さんの豊かな生活を目の当たりにし、「ぬか漬けを作ってみようかな」「みそ作りにチャレンジしようかな」とそれぞれに想いを馳せながら温かい気持ちで家路につきました。発酵食品をむずかしく捉えすぎず、自分に心地よい形で取り入れていきたいですね。

後編では、山田さんお手製の発酵ピクルスのレシピをご紹介します。コツさえ知っておけば工程はとても簡単!手軽に作れるので、発酵食品を取り入れるきっかけにもなりますよ。

▼後編の記事はこちら
取材・文/鎌上織愛
撮影/合田和弘
※本記事の取材および撮影は2021年11月4日におこないました。撮影時のみ一時的にマスクを外していただきましたが、スタッフ一同、コロナウイルス感染予防の対策を十分に講じたうえで撮影に臨んでおります。
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