ライター : FOODIE

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この記事は、三越伊勢丹が運営する、「FOODIE」の提供でお送りします。
<ストウブ>をはじめ、料理上手な人のキッチンに必ず一つは置いてある、あのずっしりとした見た目のお鍋たち。これらの鍋は「鋳物(いもの)ホーロー鍋」と呼ばれています。「おしゃれな見た目だし、料理がおいしくできると聞くので、ぜひわが家のキッチンにも!」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
いざ購入を検討しようと思っても、実際に持ってみると意外に重たいし、何より気軽に買うにはちょっとお高め…。ほかの鍋に比べて、いったいどんな点が優れているのか、さらに購入するならどのサイズ、どの形がベストなのかが知りたい!
そんな声にお応えして、今回は数ある鋳物ホーロー鍋の中から、人気ブランド<ストウブ>の特徴について、プロに詳しく教えてもらいました!

お話をうかがったのは、<ストウブ>の製造・販売を行うツヴィリングJ.A.ヘンケルスジャパンの前島直美さんです。現在、マーケティング本部 シニアプロダクトマネージャーを務め、2018年の入社以来、クックウェアを担当してきたプロ!
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目次
Q1 鋳物ホーロー鍋は、なぜ重たいの? Q2 鋳物ホーロー鍋が得意な料理、不得意な料理って? Q3 鋳物ホーロー鍋はサイズや形がいろいろあって、どれを選べばいいの? Q4 鋳物ホーロー鍋を結婚のお祝いで贈るなら、どれがおすすめ? Q5 鋳物ホーロー鍋はラウンド形のほかに、どんな形がある? 得意な調理はある? Q6 小さいサイズの鋳物ホーロー鍋は、何に使うの? Q7 プロがやっている、意外な鋳物ホーロー鍋の使い方を教えて! Q8 鋳物ホーロー鍋のお手入れで気をつけることは? Q9 鋳物ホーロー鍋の内側が焦げてしまったら、お手入れは大変ですか? Q10 鋳物ホーロー鍋の外側のホーロー部分が欠けてしまったときは? Q11 初めて買う<ストウブ>なら、どの色がおすすめ?
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Q1 鋳物ホーロー鍋は、なぜ重たいの?

A  高い蓄熱性を持たせるため、しっかりとした厚みがでるように、鉄を型に流して作られているから。

高温でドロドロに溶かした鉄を型に流し込んで作られるのが、鋳物ホーロー鍋の特徴。
アルミ、ステンレス製の鍋が金属の板を薄く延ばして作られるのに対し、鋳物ホーロー鍋は鉄を型に流し込んで作られます。そのためずっしりと重く厚みがありますが、その厚みがあるからこそ高い蓄熱性が生まれ、やさしくムラなく食材を加熱できるんです。
特にフタをすることで、鍋の中で熱が360°の全方向から食材に伝わります。まるで小さなオーブンのようにじっくりと火が通っていくので、野菜は甘みが濃く、肉はジューシーにふっくら仕上がります。

Q2 鋳物ホーロー鍋が得意な料理、不得意な料理って?

A  特に「煮込み料理」や「炒めてから煮込む料理」にベストマッチ! スピード勝負の調理は苦手です。

鋳物ホーロー鍋が得意な調理
煮込み料理(シチュー、角煮など)、煮物(肉じゃが、ラタトゥイユ、おでんなど)、無水調理、揚げ物(唐揚げ、揚げ出し豆腐など)、炊飯、スープ・味噌汁、蒸し物(茶碗蒸し、プリン、スフレなど)、焼き物(パン、ケーキなど)、アヒージョ、アイスクリームなど

鋳物ホーロー鍋が不得意な調理
たっぷりのお湯で麺や野菜をゆで上げる調理
鋳物ホーロー鍋は高い蓄熱性があるため、煮込み料理は得意中の得意です! 食材を煮汁やスープとともに入れて中火でいったん煮立たせたら、あとはフタをしたまま弱火に落としてコトコト煮込むだけ。

火加減をこまめに調整したり、かき混ぜたりする必要がなく、大きめにカットした野菜や肉もやわらかく仕上がります。
また鋳物ホーロー鍋の中でも<ストウブ>の場合、鍋の内側を触るとザラザラした感触になっていますが、これは凸凹のあるホーロー加工がされているため。

この<ストウブ>独自の凸凹のおかげで食材を焼き付けてもこびり付きにくく、「炒めてから煮込む」という料理工程が鍋一つでできるというわけです。さらにフタをすれば食材の水分だけで調理する「無水調理」も可能!
意外かもしれませんが、実は揚げ物も得意なんですよ。鍋の厚みのおかげで食材を入れても油温の変化が少なく、安定した温度で揚げられるので、「外は焦げてしまったのに、中は生だった」といったような失敗が防げます。
鋳物ホーロー鍋の不得意なことはほとんどありませんが、あえていうならたっぷりお湯を沸かして麺や野菜をゆでたりする調理です。理由は鍋全体が温まるまでに時間がかかってしまうため。そういった調理は、鋳物ホーロー鍋ではなく厚みの薄い鍋を使ったほうが素早くできるでしょう。

Q3 鋳物ホーロー鍋はサイズや形がいろいろあって、どれを選べばいいの?

A  初めて買うなら「20cmまたは22cmのラウンド形」がおすすめです。

<ストウブ>「ピコ・ココットラウンド」の多用なサイズ展開の一例。10cmは卵が1つ、20cmは輪切りにした大根が4つ、22cmは豚ロース2枚、24cmはキャベツが1つ入るサイズ感。
初めて購入する<ストウブ>として一番人気なのは、ラウンド形の20cm(2~3人分用)と22cm(3~4人用)。メインディッシュにもサブディッシュにも使いやすく、そのまま食卓に出しても映え、ちょうどいいサイズ感です。
「ラウンド形」は、シチューやポトフなどの煮込みから、ハンバーグ、炊き込みご飯などの定番料理にぴったりです。また、鋳物ホーロー鍋は、サイズが大きくなるほど使われる鋳鉄量が増え、重さが増します。

初めて買うなら料理をたっぷり作るための大きなサイズのものよりは、煮物や炒め物など毎日のメインディッシュに使いやすいサイズを基準に選ぶことをおすすめします。

Q4 鋳物ホーロー鍋を結婚のお祝いで贈るなら、どれがおすすめ?

A  2人分にちょうどいい「18cmまたは20cmのラウンド形」がおすすめです。

2人暮らしの方へ贈るなら、Q3の理由で定番の料理に使いやすいラウンド形の18cmか、20cmが喜ばれると思います。おかず作りだけでなく、ふっくらおいしいごはん(2合)を炊くのにもぴったりのサイズです。

Q5 鋳物ホーロー鍋はラウンド形のほかに、どんな形がある? 得意な調理はある?

A  長い食材を丸ごと調理できる「オーバル形」も人気。和食使いのために開発されたオリジナルの形もあるのでチェックして!

ラウンド形に続いて人気なのがこちらのオーバル形。楕円形なので、かたまり肉、一尾のままの魚、さつまいもやとうもろこしなど、長い食材を切らずに丸ごと入れることができます。
ラウンド形よりも高さが低く設計されているのも特徴です。そのまま食卓に出せば、取り分けもスムーズです。
日本のお米をおいしく炊き上げるために開発された鍋です。ラウンド形やオーバル形とは違って、鍋底に羽釜のような丸みがあるので、加熱中にお米が対流しやすく、一粒一粒むらなく芯までじっくり熱が通り、ふっくらツヤツヤに炊き上がります。炒めてから炊くピラフも、鍋一つでできます。
「ラ・ココット de GOHAN」と同じように鍋底が丸い形状です。筑前煮やかぼちゃの煮物など、出汁を含ませたい調理に適しています。途中でかき混ぜなくても煮汁が全体にまわりやすいので、煮崩れ防止の効果もあります。

Q6 小さいサイズの鋳物ホーロー鍋は、何に使うの?

A  アヒージョやソース作りがおすすめ。調理したらそのまま食卓に出せば、温かいまま楽しめます。

直径10cm、14cm、16cm…(※オーバル形は11cm~展開)と、かわいいミニサイズの鋳物ホーロー鍋は、アヒージョやバーニャカウダのソースなどの調理に使うのがおすすめ。

温かいままで食卓に出したい小さなおつまみや付け合わせの調理に便利です。サイズは小さくても機能は大きいサイズと同じなので、耐熱容器としてトースターやオーブンで焼く調理にも使えます。
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