2. 肉や魚を漬ける

Photo by Yasuaki Watanabe/UP inc.

「味糀は、塩糀と同じようにお料理の下ごしらえにも活用できます。多くの酵素を含む糀の力でお肉がやわらかくなり、甘味が引き立つジューシーな食感が楽しめますよ。

お肉やお魚を漬け込む場合は、味糀をチャック付きの袋やフタ付き容器で量を多めに作っておくと便利です」

3. 鍋に加える

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「味糀のよいところは、何度も繰り返し使うことができる点。使い込むことで野菜やお肉などのエキスが味糀にたっぷり含まれていきます。そんな旨味のつまった味糀は、最後は鍋のだしとして使うのがおすすめ。いつもの鍋に投入するだけで、格段においしさがアップします。

『味糀の発酵臭が強くなったな』とか、『ちょっと失敗しちゃった』とか、『水分が出すぎてもう使えないかも』というような味糀も、最後まで無駄なく使い切ることができますよ」

味糀の楽しみ方

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とても手軽に作れるうえに、活用法の幅も広い味糀。神谷さんがこの冬イチオシの楽しみ方を最後に教えてくださいました。

「冬が近づくと温かいものが恋しくなり、サラダやマリネなどの冷たい食べ物は敬遠しがちに。でも、煮物やスープは作るのに時間がかかるし、色合いがちょっと暗くなっちゃうんですよね。

そんなときにおすすめしたいのが、味糀で漬け込んだ冬野菜を使ったサラダごはん。糀の甘味が染み込んだ野菜はお米との相性がよく、野菜だけでごはんが進みます。

お好みでかぼすや、お酢、バルサミコ酢、黒こしょうなどをかけると味のバリエーションが広がります。冬のヘルシーメニューとして重宝すると思いますよ!

また、サンドイッチもおすすめです。味糀で漬けた野菜を刻んでハムや卵と一緒にパンではさめば、色鮮やかな萌断サンドイッチの完成!ぜひ試してみてください」

古米を活用した味糀はフードロスに大きく貢献できる

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古米が余りがちという方にとって、味糀は新たな救世主になりそうです。また、古米同様、もち米でも味糀は作れるそうです。

「もち米も、白米と同じ作り方で味糀にすることができますよ。どちらでもおいしく仕上がりますし、どちらも余ってしまった場合は混ぜて作ってもよいと思います。

味糀は、余った食材を何でも漬けておくことができる食材の避難所のようなもの。中途半端に余らせてしまって、ただしなびていく野菜を見て見ぬふりをしていたときの罪悪感とさよならできると思います」

SDGsの観点からみても、食品ロス削減に貢献できる味糀。今の季節だけでなく、ちょっとごはんを多く炊きすぎてしまったというときは、一度トライしてみませんか。


取材・文/鎌上織愛


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