目次
小見出しも全て表示
閉じる
あんかけスパのルーツはスパゲッティミートソース!発祥店「そ〜れ」が明かす誕生秘話
名古屋のご当地グルメとして愛されている「あんかけスパ」。粘度のある赤褐色のソースと極太スパゲッティの組み合わせは、人々を虜にしています。その発祥店「そ〜れ」に、ルーツから未来の展望までを伺いました。
あんかけソースのルーツは、スパゲッティミートソースにあります。イタリア中部の郷土の味であるボロネーズソースが、アメリカに渡ってケチャップ味が強いミートソースとなり、日本に伝わったのは戦後のこと。
関東や関西を中心に普及していきましたが、「そ〜れ」が誕生した当時の名古屋では、スパゲッティもミートソースもまだ馴染みの薄い存在でした。そこで「そ〜れ」の初代が、スパゲッティミートソースを名古屋人の口に合うようアレンジして作ったのがあんかけスパ。
ミートソースの作り方を踏まえつつ、具材を濾してこしょうをピリッと効かせ、麺に絡むよう粘度をつけたソースを考案しました。パンチのあるあんかけソースとの相性を考えて、スパゲッティは2.2mmの極太麺に。
味わいの輪郭がはっきりとしたソースと、食べ応えのあるスパゲッティの組み合わせが名古屋人に受け、たちまち評判になりました。
関東や関西を中心に普及していきましたが、「そ〜れ」が誕生した当時の名古屋では、スパゲッティもミートソースもまだ馴染みの薄い存在でした。そこで「そ〜れ」の初代が、スパゲッティミートソースを名古屋人の口に合うようアレンジして作ったのがあんかけスパ。
ミートソースの作り方を踏まえつつ、具材を濾してこしょうをピリッと効かせ、麺に絡むよう粘度をつけたソースを考案しました。パンチのあるあんかけソースとの相性を考えて、スパゲッティは2.2mmの極太麺に。
味わいの輪郭がはっきりとしたソースと、食べ応えのあるスパゲッティの組み合わせが名古屋人に受け、たちまち評判になりました。
初代の製法は守りつつ、進化を遂げたあんかけスパ
3代目の金岡晃弘さんは、18歳の頃から「そ〜れ」の厨房に入り始めました。ひと通りのレシピを理解すると、調理の合理化に着手。初代が考案した工程は守りつつも、作業のスリム化ができるところはどんどん改善し、時代のニーズに合わせて味わいも進化させました。
「何百年も続く老舗でさえも、時代に合わせて使う素材や味を変えていると聞きます。なので、味は進化させていますが、基本的な作業工程は変えていません。
発祥の店が作り方を変えたら、あんかけスパの定義そのものが揺らぎますから。今も気の遠くなるような手間暇をかけて作っていますよ(笑)」と金岡さん。
「何百年も続く老舗でさえも、時代に合わせて使う素材や味を変えていると聞きます。なので、味は進化させていますが、基本的な作業工程は変えていません。
発祥の店が作り方を変えたら、あんかけスパの定義そのものが揺らぎますから。今も気の遠くなるような手間暇をかけて作っていますよ(笑)」と金岡さん。
香味野菜や肉を焼き、トマトペーストやトマトピューレを加えて煮込み、さらにオーブンで焼いて寝かすこと1週間。こうしてできあがったあんかけソースの素を金岡さんは「味噌」と呼んでいます。
その理由は、味噌のように人の手と時間をかけて作り出すからだとか。膨大な時間をかけて素材の旨みを凝縮した「味噌」を希釈し、たっぷりのこしょうや塩で調味します。
その理由は、味噌のように人の手と時間をかけて作り出すからだとか。膨大な時間をかけて素材の旨みを凝縮した「味噌」を希釈し、たっぷりのこしょうや塩で調味します。
さらに濾してデンプンで濃度をつけたら、ようやくあんかけソースの完成です。
一方、スパゲッティは硬めにゆでたあと、巨大なフライパンに注がれたたっぷりの油の中で泳がせるように火入れ。こうすることで適度に水分が抜け、独特のモッチリ感と香ばしさが生まれるのです。
一連の工程をお聞きして、家庭で再現するには難度が高すぎる料理だと痛感。あんかけスパは、プロの腕に任せるべき料理です。
一方、スパゲッティは硬めにゆでたあと、巨大なフライパンに注がれたたっぷりの油の中で泳がせるように火入れ。こうすることで適度に水分が抜け、独特のモッチリ感と香ばしさが生まれるのです。
一連の工程をお聞きして、家庭で再現するには難度が高すぎる料理だと痛感。あんかけスパは、プロの腕に任せるべき料理です。
共通用語は「ミラカン」。ミラネーゼとカントリーの相盛りメニュー
チェーンから個人店まで、名古屋市内にはあんかけスパを提供するお店がたくさんありますが、共通用語として用いられているのが「ミラカン」です。
ハムやソーセージなど肉系のトッピングをメインにした「ミラネーゼ」、玉ねぎをはじめとする野菜系のトッピングをメインにした「カントリー」というメニューがそれぞれあり、両者をバランスよく相盛りしたのが「ミラカン」。
「そ〜れ」においても不動の人気を誇るメニューです。
ハムやソーセージなど肉系のトッピングをメインにした「ミラネーゼ」、玉ねぎをはじめとする野菜系のトッピングをメインにした「カントリー」というメニューがそれぞれあり、両者をバランスよく相盛りしたのが「ミラカン」。
「そ〜れ」においても不動の人気を誇るメニューです。
絶対的な人気を誇る「ミラカン」
お皿からこぼれ落ちそうなほどボリュームのあるトッピングが、食欲をそそる「ミラカン」。
トッピングは強火で手早く炒められ、玉ねぎやピーマンがシャッキシャキです。野菜の甘みをしっかり感じられる定番ソースと、油通ししたモチモチのスパゲッティが渾然一体となり、絶妙なハーモニーを奏でます。
スパゲッティはノーマルサイズでも300gとボリューム満点ですが、インパクトのあるソースとバラエティに富んだトッピングのおかげで、ぺろりと食べられてしまうから不思議です。
トッピングは強火で手早く炒められ、玉ねぎやピーマンがシャッキシャキです。野菜の甘みをしっかり感じられる定番ソースと、油通ししたモチモチのスパゲッティが渾然一体となり、絶妙なハーモニーを奏でます。
スパゲッティはノーマルサイズでも300gとボリューム満点ですが、インパクトのあるソースとバラエティに富んだトッピングのおかげで、ぺろりと食べられてしまうから不思議です。
開業50周年を記念して復刻させた「クラシックソース」
時代の移り変わりを読み、3代目の味を構築してきた金岡さんですが、開業50周年のタイミングで、初代の味にスポットを当てることにしました。
初代が残したレシピノートに従って忠実に再現したところ、今よりも黒っぽい色合いで、こしょうの味が鮮烈に効いたソースに仕上がりました。「クラシックソース」と名付け、50周年記念の期間限定メニューとして提供したところ、初代の味を知るお客様から大きな反響が。
「現場でたっぷり汗をかいたあとに、この味が沁みたんだよなぁ」「『そ〜れ』の味はコレ、コレだよ!」とさまざまな声が寄せられました。
予定していた提供終了日が近づくと、「やめるなんてとんでもない!」と新旧のファンから大ブーイング。以降、定番とクラシックソースから選べるようになり、それぞれに根強いファンがついています。
初代が残したレシピノートに従って忠実に再現したところ、今よりも黒っぽい色合いで、こしょうの味が鮮烈に効いたソースに仕上がりました。「クラシックソース」と名付け、50周年記念の期間限定メニューとして提供したところ、初代の味を知るお客様から大きな反響が。
「現場でたっぷり汗をかいたあとに、この味が沁みたんだよなぁ」「『そ〜れ』の味はコレ、コレだよ!」とさまざまな声が寄せられました。
予定していた提供終了日が近づくと、「やめるなんてとんでもない!」と新旧のファンから大ブーイング。以降、定番とクラシックソースから選べるようになり、それぞれに根強いファンがついています。
あんかけスパとご飯の絶妙なコンビネーション「そ〜れランチ」
「ミラカン」と人気の双璧をなす「そ〜れランチ」をクラシックソースで作っていただきました。
金岡さん曰く、「そ〜れ」のソースは定番とクラシックを問わず、ご飯にぴったり合うのだとか。あんかけスパとご飯というダブル炭水化物に少々腰が引けましたが、実際に食べてみると納得の味わい!
こしょうの効いた濃厚なソースが、スパゲッティはもちろん、ご飯にもしっかり寄り添うのです。サラダが箸休めとなって、最後まで飽きることなく完食できます。
サイドメニューにご飯をオーダーする方も多いと聞き、ご飯に合うおかず的な側面があることを知りました。
金岡さん曰く、「そ〜れ」のソースは定番とクラシックを問わず、ご飯にぴったり合うのだとか。あんかけスパとご飯というダブル炭水化物に少々腰が引けましたが、実際に食べてみると納得の味わい!
こしょうの効いた濃厚なソースが、スパゲッティはもちろん、ご飯にもしっかり寄り添うのです。サラダが箸休めとなって、最後まで飽きることなく完食できます。
サイドメニューにご飯をオーダーする方も多いと聞き、ご飯に合うおかず的な側面があることを知りました。
- 1
- 2
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
おでかけの人気ランキング