4. 3に2を加える

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

軽く混ぜてなめらかにした3に、火からおろした2を少しずつ加え、その都度よく混ぜます。

「温めた牛乳と生クリームを一気に加えると、卵に急に熱が加わって分離してしまいます。でも、ゆっくりと加えていけば、卵液の温度が急激に上がることはありません。

もしも牛乳と生クリームの温度が高くなりすぎてしまった場合は、必ず適温に冷ましてから加えるようにしてください」

5. 4を濾し、型に流し込む

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

漉し器で4を濾し、ボウルに入れます。バニラの香りを最大限に引き出すために、漉し器の中央に集まったバニラビーンズは、スパチュラを使ってしっかりと濾します。濾したプリン液は、空気が入らないようにゆっくりと型に流し込みます。

「プリン液をていねいに濾すことで、なめらかな口あたりのプリンになります。濾し終わったら、焼き上がったプリンに細かい穴があかないように、プリン液の表面にできた気泡やアクをスプーンでできるだけ取り除いてください」

6. オーブンで湯せん焼きする

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

型に入れたプリン液をバットにのせたら、60度くらいの湯をバットの4分目くらいまで注ぎ入れ、120度のオーブンで約60分焼きます。

「お湯の温度は高すぎても低すぎてもダメ。60度の湯せんで焼成していくことで、“す”が入らず、口どけのよい食感に仕上がりますよ。

カスタードプリンのレシピには、160度くらいの温度でもっと短時間で焼き上げるものもあります。でも、低い温度でじっくりと火入れするほうが口あたりがよくなるので、120度で焼くのをおすすめします」

7.オーブンから取り出し、冷蔵庫で冷やす

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

オーブンからカスタードプリンを取り出します。粗熱を取り、冷蔵庫で1時間ほど冷やします。

「プリンの固さは、オーブンから取り出して型をゆらしてみたときに“少しやわらかいかな?”と感じるくらいがちょうどよいです。その後も余熱で少しずつ固まっていきますから」

8. ホイップクリームを絞り、フルーツを盛り付ける

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事前に用意しておいた8分立てのホイップクリームを絞り袋に入れます。8分立てとは、すくい上げるとポタリと落ちる状態です。

7を冷蔵庫から取り出したら、ホイップクリームをカスタードプリンの表面の片側に絞ります。

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

桃とマンゴーはそれぞれくし形に切り、ホイップクリームの上にバランスよくデコレーションします。りんごは皮付きのまま薄く切りそろえ、らせん状に広げて、高さを出しながら盛り付けます。最後に、ブルーベリーとラズベリーを散りばめれば完成です。

「きれいなくし形に切るコツは、包丁が種に当たるまでしっかりと切れ目を入れること。果肉を押さえながらていねいに包丁をはずすと、形が崩れません。

ブルーベリーはそのままトッピングしてもいいですが、包丁で半分に切って断面が見えるように散りばめるとまた違った表情になります。

より本格的な仕上がりにしたい方は、ツヤ出しのナパージュを塗ると、乾燥を防いでフルーツのフレッシュさを保つことができますよ」


ナパージュに関する記事はこちら▼

とろける食感!果物の甘さが引き立つプリンアラモード

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

5種のフルーツを贅沢に盛り付けたプリンアラモード。豪華で美しいデコレーションに、取材陣から歓声が上がりました。

バニラの芳醇な香りが口いっぱいに広がるカスタードプリンは、とろけるような口あたり。プリンそのものやトッピングの生クリームが控えめな甘さなので、果実の甘酸っぱさが強く感じられます。まさに、フルーツが主役の洗練されたスイーツです。

「りんごの本格的なシーズンはまだ少し先ですが、あえてさまざまな季節のフルーツを合わせたほうが面白いかなと思い、今が旬の桃と合わせました。もちろん、季節の果物だけを盛り付けてもおいしくできると思います」と鎧塚シェフ。好きなフルーツでいろいろと試してみるのも楽しそうですね。

さて来週は、鎧塚シェフが特に得意とされている「スフレ」をご紹介します。どうぞお楽しみに。
取材協力
取材・文/千島絵里香
撮影/宮本信義


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