4. 牛乳にバニラビーンズを加えて、温める

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

バニラビーンズは片手で軽く押さえながら、横からスライドさせるように包丁を入れて半分にします。包丁でていねいにバニラビーンズの種を取り、さやと種に分けます。

「さやも捨てないでくださいね。このあとさやと種の両方を使います」

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牛乳にバニラビーンズのさやと種を加えて中火で2分ほど温めます。沸騰直前まで煮たら、火から下ろします。

「バニラビーンズはさやも香りが強いんです。さやと種を一緒に加えて、バニラの甘い香りを牛乳にしっかり移します」

5. 3に4を加え、ゼラチンを溶かす

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34をゆっくり加え、混ぜ合わせます。再び鍋に移し、もったりと濃度がつくまで中火で1、2分ほど煮ます。

「とろみがつくまでゆっくりと混ぜながら温めてください。沸騰させると固まってしまうので、絶対に沸騰させないようにここは慎重に!温度計を持っている方は、82度くらいを目安するとよいでしょう」

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沸騰直前に火から下ろし、水で戻したゼラチン2g(ババロア)を手でしっかりと水気を絞ってから加え、溶かします。ゼラチンが完全に溶けたらボウルに移して氷をあて、20度くらいの温度になるまで冷やしておきます。

「ちなみに、ゼラチンを溶かしたあとに漉し器やザルを使って液を漉すと、よりなめらかな舌触りになりますよ」

6. 生クリームを立てる

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ボウルに生クリームを入れ、氷をあてながら7分立てにします。7分立てとは、全体にとろみがつき、泡立て器で持ち上げるととろりと落ちるくらいの状態です。

7. 生クリームに5を混ぜ合わせ、冷やし固める

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65を加えてよく混ぜます。なめらかなとろみが出たら、ババロアの完成です。

「卵液は、温度を20度くらいまでちゃんと下げてから生クリームに加えてください。20度とは、手で触ったときに夏場なら“冷たいな”と感じるくらいの温度です。卵液が温かいと分離してしまうので、温度管理には十分気をつけて」

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とろみのついたババロア液を絞り袋に入れて、ていねいにシャンパングラスに流し込み、冷蔵庫で約2時間冷やして固めます。

「絞り袋を使えば、ババロアをグラスの端につけることなく、きれいに流し込むことができますよ。もちろん、スプーンや小さなお玉などで注いでもよいです」

8. ゼリーとブルーベリーを交互に飾る

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冷蔵庫からゼリーを取り出し、ボウルを回しながらフォークで崩し、クラッシュゼリーを作ります。フォークを使うことで、お店のショーケースに並んでいるようなきらきらとしたゼリーができあがります。

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ババロアを流し込んだグラスを冷蔵庫から取り出し、ババロアの上にゼリーとブルーベリーを交互に盛りつけます。

「ブルーベリーとゼリーの比率は、お好みで大丈夫です。ブルーベリーを半分に切って、断面が見えるように盛り付けるのもおすすめ。いつものブルーベリーとは、また違った表情を見せてくれますよ」

ババロアの濃厚さとゼリーの瑞々しさがマッチ

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

見ているだけでも涼やかな気分になれる、美しいババロアが完成しました。9月といってもまだまだ暑い日が続きそうなので、今の季節にぴったりですね!

きらきらと輝くゼリーは、ほんのりと白ワインの香りが漂い、ブルーベリーの甘酸っぱさと見事にマッチ。さらに食べ進めると、ババロアとワインゼリー、ブルーベリーの3つの味のバランスが完璧で、計算し尽くされたものだということがよくわかります。ババロアとワインゼリーをあえて甘さ控えめにしているので、ブルーベリーのフレッシュさが際立つんです。

「今回はブルーベリーを使いましたが、ほかのものでもアレンジできるので、季節ごとの果物を使って楽しんでみてください。僕自身はメロンを使うことが多いです。メロンもとてもおいしいですよ」と鎧塚シェフ。

背の高いグラスに盛り付けることで華やかな見た目になりましたが、フルーツを変えて作っても、記念日のスイーツやおもてなしの席でさらに喜ばれそうですね。

次回は、「カスタードプリン 季節のフルーツ添え」をご紹介します。どうぞお楽しみに。
取材協力
取材・文/千島絵里香
撮影/宮本信義

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