ライター : macaroni 編集部

いいことづくめの“ゆる精進料理”

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

8月13日から16日までの4日間は、一般的にはお盆といわれる期間。地域や宗教によって違いはあるものの、古くから日本では先祖の霊をお迎えし、精進料理と供えておもてなしをしてきたようです。

お盆の期間中、一食くらいは精進料理に置き換えて先祖に思いを馳せてみたいものですが、「そもそもよくわからない」という方がほとんどなのではないでしょうか。

和ごはん研究家の麻生怜菜さんは、嫁ぎ先がお寺だったことから精進料理の勉強をはじめたそう。以来、その魅力をたくさんの方に伝えていきたいと、和食文化の普及に尽力されています。

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

和ごはん研究家/麻生怜菜さん 新卒で営業職、編集職に従事。結婚後、夫の実家がお寺であったことをきっかけに、和食(特に精進料理)に興味を持つ。伝統的な調理法や食材を現代のトレンドと融合した食文化の発信する場として、2011年より「あそれい精進料理教室」主宰。近著に『おからパウダーでスッキリ腸活レシピ』(主婦の友社)
「精進料理とは、野菜類、穀類、海藻類、豆類、木の実、果実など植物性の食材のみを使う日本の伝統的な料理形式のひとつです。元々は修行者たちが必要最低限の栄養を摂取するために作られた料理なので、肉や魚などの動物性の食材は用いず、にら、にんにく、らっきょうなど刺激の強いねぎ類も使いません。

そう聞くと、“なんだか面倒くさそう”とか“むずかしいのでは?”というイメージを持ってしまう方もいらっしゃると思います。でも、精進料理ってじつはとてもシンプルなんですよ。私も嫁ぐまでは作ったこともなければ食べたこともなかったのですが、教わって作ってみたら意外と簡単で、飽きのこない味に仕上がって驚きました。

調味料は基本的に“さしすせそ”の砂糖、塩、酢、しょうゆ、みそ。スーパーにあるような身近な食材でできるので、凝った料理はあまり作らないという方やヘルシーな食事を心がけたいという方には特におすすめですよ。

本来の精進料理は細かな決まりがありますが、家庭でちょっと楽しむならいいところだけ取り入れてみてはいかがでしょうか。せっかくのお盆ですから、ぜひ“ゆる精進料理”を作ってみてください」

そう言って麻生さんが教えてくださったのは、夏野菜を使った「白和え」とたくさんの根菜類が入った「ばら寿司」。カジュアルに楽しむ“ゆる精進料理”の作り方をご紹介します。

クリーミーな口溶け!夏の白和え

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

調理時間:10分

「白和えというと和食の定番で、葉物野菜を使うことが多いですよね。でも私は、和え衣のことを豆腐ソースと呼んでいて、普段からマヨネーズやドレッシングのようにかけて使っています。

和えるのはもちろん、さっとゆでた野菜をディップして食べるのもおすすめです。季節の野菜やくだものと合わせて、サラダ感覚で食べてみてください」

材料(2人分)

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

・なす……小2個
・オクラ ……3本
・とうもろこし……1/4本
・ミニトマト……適量
a. 絹豆腐……60g
a. 砂糖……小さじ1杯
a. うす口しょうゆ……小さじ1/2杯
a. 塩……少々
a. 太白ごま油……小さじ2杯

下ごしらえ

・豆腐は表面の水分を拭いておく

・なすは揚げ焼きして皮をむき、ひと口大に切る

・オクラは下ゆでし、1本は縦半分に切り、2本は小口切りにする

・とうもろこしは下ゆでし、粒をばらす

作り方

1. (a)をフードプロセッサー(またはブレンダー)に入れ、なめらかになるまで攪拌する 

2. ボウルに小口切りしたオクラととうもろこし、1を適量入れ、和える

3. 皿になす、ミニトマト、縦半分に切ったオクラを盛り付けて1の残りを適量かけ、2を添える

コツ・ポイント

1. 豆腐ソースはとろりとするまで撹拌する

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

「フードプロセッサーを使うことで、豆腐の水分とごま油の油分がとろりと乳化し、なめらかな舌触りになります。

口溶けのいい仕上がりにしたいときは絹豆腐、ボリュームをだしたいときは木綿豆腐を使ってください。ちなみに木綿豆腐の場合は、すり鉢であたるほうが口当たりがよくなります」

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