3. 陳皮をひし形に切る

Photo by Mio Gohda

陳皮は内側の白い部分をそぎ落とし、表皮を1cm幅のひし形に切ります。

白い部分は煮込むと苦味が出てくるので、できるだけ削ぎ落としてください」

陳皮は一般のスーパーではあまり見かけませんが、ネットや中華系スーパー、漢方薬局等で購入することができますよ。
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4. 鶏もも肉を軽く炒める

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中華鍋でサラダ油(分量外)を熱し、下味をつけた鶏もも肉を中火で炒めます。あまり動かさずに、軽く焼き色を付けます1分ほどで色付いたら肉は別皿に取り出します。

「お店では油通しで火を入れますが、ご家庭では油で軽く炒めれば十分です。テフロンのフライパンを使う場合は、油は入れなくてもいいですよ。

日本料理ではさっとゆでて煮込むことが多いですが、中国料理では必ず油を通して香ばしくしてから煮込みます」

5. (a)を炒め、(b)を加える

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鍋にサラダ油大さじ2杯(分量外)を入れ、弱火で赤唐辛子、花椒を炒めます。油に香りを付け、続いて陳皮を加えて軽く炒め合わせます。

油が全体に回ったら、しょうが、長ねぎを加え、さらに炒めます。香りが十分でたら、紹興酒、しょうゆ、砂糖、塩を加えます。

「この料理では陳皮に加えて、唐辛子と花椒が入ります。元のレシピより控えめにしていますが、辛味が苦手な人はさらに減らしてもOKです。香辛料を油で炒めることで、香りと旨味が増すので、弱火でじっくり火を通してください」

6. スープ、冬瓜、鶏もも肉を加える

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5にチキンスープ、冬瓜、鶏もも肉を加えます。強火で煮立たせ、鶏肉のアクを取り除きます。アクが出なくなったら、落とし蓋をして弱火で20分ほど煮ていきます。

「骨付きの鶏肉の場合はアクがたくさんでますが、今回は骨なしのもも肉を使っているので、あまりアクは出ないと思います。落とし蓋はベーキングペーパーを鍋の大きさに合わせてカットして使ってください」

Photo by Mio Gohda

「スープを500cc入れるので、フライパンでは溢れ出てしまうかもしれません。その場合は、炒めるときにはフライパン、煮込みは鍋でと使い分けるといいでしょう。

今回使ったのは33cmの広東鍋です。ご家庭用に購入する場合は、30cm前後のサイズが使いやすいと思います」

7. 仕上げに黒酢とごま油を加え、煮詰める

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20分煮込んだら、香り付けの長ねぎ、しょうがを取り除き、黒酢、ごま油を加えて強火でさらに煮詰めていきます。汁気がなくなってきたらできあがりです。

「しょうがは見つけにくいので、取り除くのはお皿に盛り付けるときでも大丈夫ですよ。

酢はコクのある黒酢をぜひ使ってください。アツアツもおいしいですが、冷めるとさらに味が染みます」

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冬瓜のイメージが大きく変わる逸品

Photo by Mio Goda

「これが冬瓜?」と思うほどのねっとりとした食感に衝撃を受けました。鶏肉はしょうゆが香ばしく、陳皮の風味もじつに爽やか。間違いなく、冬瓜の新しい魅力を伝えるひと皿です。

「冬瓜と鶏もも肉の煮あがりの時間がほぼ同じなので、今回は鶏もも肉を使いました。でも、牛肉や豚肉を使ってもおいしくできます。

気を付けたいのは、煮込みにかかる時間の違いです。煮込み時間の長い牛のすね肉ではできあがりの20分前に冬瓜を加えてください。

豚の薄切り肉も合いますが、その場合は冬瓜を先にゆで、仕上げに豚の薄切り肉を加えてくださいね」と、井桁シェフからは貴重なアドバイスも。

柑橘風味がいいアクセントになる「鶏と冬瓜の陳皮煮込み」。アツアツもよし、冷めてもよし。ごはんにも合うし、ビールにも合う。この夏、いろいろな場面で活躍してくれそうです。
取材協力
※麻布十番本店、六本木ヒルズ店、銀座三越店では、いずれも本場成都の伝統四川料理が味わえます。汁なし成都タンタン麺「正宗担担面」が人気。“ひとさじ加えるだけでいつもの味が劇的に変わる!”と噂のオリジナルラー油「一滴香(イーディンシャン)」はオンラインでも購入が可能です。

取材・文/古川あや
撮影/強田美央
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