ライター : macaroni 編集部

中華の巨匠が教える、シビ辛な家庭料理

Photo by Mio Gohda

夏本番ももうすぐそこ!食欲が落ちがちなこれからの時期は、スパイスの利いたひと皿でなんとか乗り越えたいものです。

世界にはじつにさまざまなスパイスがありますが、中国特有の香辛料も忘れてはいけません。そこで、テレビでもすっかりおなじみの「中國菜 老四川 飄香(ピャオシャン)」の井桁良樹シェフに、香辛料が主役の家庭料理を教わります。中国香辛料を知り尽くす巨匠は、どんなレシピを教えてくれるのでしょうか。

Photo by Mio Gohda

中國菜 老四川 飄香 オーナーシェフ/井桁良樹さん 千葉県出身。高校時代の中華料理店でのアルバイトをきっかけに、中華に魅せられ、料理の道へ。国内で経験を積んだのち、中国へ単身渡り、上海、成都で修業。四川料理の料理と味を守る松雲派の日本唯一の継承者で、多彩な味と香りの伝統四川料理で多くの人を魅了している
井桁シェフの夏のおすすめスパイスは、唐辛子、花椒、陳皮、クミンの4種。そのなかから今回は、漢方薬としても重宝される、陳皮を使った料理を紹介します。

マンダリンオレンジの皮を乾燥させた陳皮は、整腸や咳止め効果がある漢方として用いられるほか、柑橘系の甘酸っぱい香りを楽しむスパイスとして重用されています。身近なところでは、七味唐辛子に混ぜられているんですよ。

たっぷりの陳皮を冬瓜と鶏肉と煮込んでいくと、ごはんにもビールにも合うひと皿ができあがります。
前回のレシピはこちら▼

ごはんやビールとの相性抜群!鶏と冬瓜の陳皮煮込み

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調理時間:30〜35分

「うさぎを唐辛子と陳皮で煮込む四川料理の前菜をアレンジしたレシピです。うさぎを鶏肉に変え、本来は野菜は使わないのですが、夏らしく冬瓜を加えました。唐辛子をたくさん入れる料理ですが、今回は陳皮が主役なので、控えめしています。

“養生”という言葉があるように、中国料理の基本は“食べて健康になる”という考え方。それぞれの食材やスパイスには、体を整える効果があると考えられています。

陳皮はリラックス効果や気を巡らす働きがあるので、お肉のような活力を補うものを取り入れたときには最適です。一方の冬瓜は体の熱を冷まし、利尿作用がある、暑い夏にぴったりの野菜なんですよ」

材料(2人分)

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・鶏もも肉……1枚(350g)
・しょうゆ……小さじ1杯
・冬瓜……450g
a. 唐辛子……3本
a. 花椒……10粒
a. 陳皮……25g
a. 長ねぎ(青い部分)……30g
a. しょうが……15g
b. 紹興酒……大さじ3杯
b. しょうゆ……大さじ1杯
b. 砂糖……大さじ3杯
b. 塩……小さじ1/4杯
・チキンスープ……500cc
・黒酢……小さじ1杯
・ごま油……小さじ1杯

下準備

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・陳皮を15分ほどぬるま湯につけて戻す
・長ねぎの青い部分としょうがは、香りがでやすいように包丁の腹で叩いておく

作り方

1. 鶏もも肉に下味をつける

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鶏もも肉を3cm角くらいの大きさにぶつ切りし、しょうゆを揉み込んで下味を付けます。

「しょうゆを先にお肉にまぶしておくと、炒めるときに香ばしく焼き上がります」

2. 冬瓜を下ゆでする

Photo by Mio Gohda

冬瓜は種を除き、皮をむいて約4cm角にカットし、面取りをします。ピーラーを使うと皮むきも面取りもサッサッとできます。続いて熱湯で軽く下ゆでします。沸騰したお湯に冬瓜を入れて、再度沸騰してきたらザルにあげます。

「冬瓜は90%以上が水分です。煮崩れしやすいので必ず面取りしてくださいね。また、下ゆですることでアクが取れ、独特の青臭さが気にならなくなります

大きめにカットすると食べ応えもありますし、中まで味がしみてとてもおいしく仕上がるんですよ」

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