ライター : macaroni 編集部

記事を書いたのは……

macaroni 副編集長 / 高倉遼
「手料理には時間をかける」ことがモットーの、出張料理人でホムパ狂。おうち時間の増加に伴いビールの消費量も増加、「痛風予備軍」と判定され、いよいよ体にガタが来つつあるmacaroniの副編集長。

はじめに:編集部からご挨拶

こんにちは、macaroni副編集長の高倉です。

2021年もはじまって2週間ほど経ちましたが、昨年からの混乱はなかなか収束せず、先行きが不透明な状況が続いていますね。読者のみなさまも、不安が尽きない日々を過ごしていらっしゃることかと思います。

そんな日々の中であっても、いつもmacaroniをご愛読いただき、本当に感謝しています。少しでも、みなさまの暮らしに役立つ情報をお伝えできるよう、今後も頑張ってまいります。

さて、この連載ではmacaroniには珍しい"コラム"という形で、編集部員の頭の中をちょっとずつお届けしていく予定です。

初回は、わたくし高倉が最近体験した「手仕事」の魅力について、少しだけお話させてください。

30歳、はじめての柚子胡椒づくり

Photo by Ryo Takakura

僕は、料理が大好きです。macaroniでは時短/簡単レシピが人気ですが、自分が料理を作るときのスタイルは基本的に「こだわり派」。

じっくり時間をかけて最大限おいしく仕上がるよう、持てる知識と経験を総動員して、ひとつひとつの料理に向き合う……そんな時間が、楽しくて楽しくて仕方ないんです。

そんな僕が最近チャレンジしているのが、自家製の調味料や薬味作り。

自分のスタイルに合ったものを探すのも楽しいのですが、料理を作る身としては、自分の手で作ったもので味を決める、というのはある意味ひとつの究極系だと思っています。

そんな折、macaroniでも紹介した「マダムゆず」こと、調味料ソムリエの神谷よしえさんとご縁があり、神谷さんが提案する"黄柚子胡椒キット"を送っていただいたので、自家製の柚子胡椒を作ってみました。

手を動かすと、心が温まる

Photo by Ryo Takakura

柚子の皮をできる限り薄く剥き、撹拌しやすいように細かく切る。黄色唐辛子も種を除いて切る。それらを、塩と一緒にフードプロセッサーに投入して撹拌。

細かくなったらすり鉢に移し、辛味と塩味のカドをやわらかくするイメージで、しっかり丁寧にすり潰して……自家製柚子胡椒の完成!

文字にすると簡単そうに感じますが、皮を剥く工程や、すり潰してなめらかにする工程には、やっぱりある程度の時間が必要です。

ですが、こういう時間が僕にとってはとても大切で、かけがえのない時間だということに、改めて気づくことができました。

Photo by Ryo Takakura

「買えば手に入るおいしさ」も素晴らしいものですが、「自分だから作れるおいしさ」を信じて、手間と時間を惜しまず、目の前の"おいしさ作り"に没頭する。

贅沢な時間の使い方なのかもしれません。ただ、こういう時代だからこそ、何かを作るために一生懸命手を動かす行為は、とても大切な営みだと感じました。

冒頭でも述べましたが、今は、なかなか先行きが見えない時代です。

見えないのならいっそのこと、自分の感覚やいま眼の前にある物/人だけを信じて、手仕事に没頭する時間を作ってみると、心がちょっとだけ温かくなるのかもしれません。

そんなことを思った、はじめての柚子胡椒づくりでした。
写真・文/高倉 遼(macaroni副編集長)
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