ライター : 満畑ペチカ

調理師ライター

ホイップクリームと生クリームの主な違い

Photo by 満畑ペチカ

ホイップクリームと生クリームの大きな違いは、原材料です。ホイップクリームの原材料は、「植物性油脂のみ」または「植物性油脂と動物性油脂の両方」のどちらか。一方、生クリームは原材料が動物性油脂のみで、添加物なども一切入っていません

生クリームと呼べるのは、動物性油脂のみが原材料かつ乳脂肪分が18.0%以上の「種類別:クリーム」の商品だけ。クリームに添加物が加わったものは「名称:乳等を主要原料とする食品」なので、生クリームとは別のものです。

価格は生クリームのほうが高価。200ccパックの商品で比較すると、ホイップよりも生クリームが100〜200円高いです。
比較項目ホイップクリーム生クリーム
原材料植物性油脂のみ
or
植物性油脂と動物性油脂の両方
動物性油脂のみ
※添加物も入っていない
価格
味・食感・生クリームよりも口に残る時間が長い
・生クリームよりあっさり
・ふわふわでとろけるような食感
・ミルクのコクと香りがある
ほぼ白一色うっすら黄色みを帯びている
見た目・形をキープしやすい
・絞り出すと筋がきれいに出る
・なめらかでつやがある
・絞り出すと、角がまるくやわらかい印象

それぞれ代用はできる?

基本的に、生クリームとホイップクリームはそれぞれでどちらの代用も可能です。ただし、完成後の味わいに差が出るので注意が必要。生クリームを使用した場合、料理やお菓子はコクのある味わいに仕上がり、ホイップクリームを使用した場合は、さっぱり・あっさりとした風味になります。

また、ホイップクリームは加熱すると分離しやすくなってしまうので、煮込み料理やクリームパスタには向いていません。それぞれの特徴を生かして使い分けるのがおすすめです。

2つのクリームを泡立てて比較してみた

Photo by 満畑ペチカ

植物性脂肪分40%のホイップクリームと、乳脂肪分35%の生クリームを泡立てて比較してみましょう。ホイップクリームと生クリーム各100ccを氷水に当てながら、ハンドブレンダーの低速で泡立てたものを用意しました。

実際に泡立てたクリームを食べたときの味や食感、絞り出したときの色と見た目の違いをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ホイップクリーム

Photo by 満畑ペチカ

ホイップクリームを泡立てたときの特徴

  1. 泡立ち加減の変化がゆるやかなので、クリームの泡立てに慣れていない人におすすめ
  2. 密度が高くなめらかでもったりした食感
  3. 形を保ちやすく、真っ白に仕上がる
植物性脂肪40%のホイップクリームをハンドブレンダーで泡立てたところ、八分立てになるまで約2分間かかりました。泡立ち加減の変化がゆるやかなので、クリームの泡立てに慣れていない人も安心です。

のちほど泡立てた生クリームと比較すると、クリームの手応えはやや重め。泡立てたあとしばらく放置しても、しっかりとかたさを保っていました。乳化剤や安定剤などの添加物が多く含まれていますが、使いやすさを優先するならホイップクリームがおすすめです。

味・食感

泡立てたホイップクリームは、生クリームと比べると密度が高いような、なめらかでもったりした食感。口の中でさらっと溶ける生クリームに比べると、やや口の中に残る時間が長いように感じました。

しかし、口溶けの割に味はしつこくなく、生クリームよりはあっさりしています。ホイップクリームには乳脂肪分が少ない、もしくは含まれていないので、ミルク独特の香りや味が苦手な方にはおすすめです。

色・見た目

泡立てたホイップクリームは、ほぼ白一色。生クリームのような黄色みがないので、よりお菓子を白く仕上げたいときは、ホイップクリームを使うとよいでしょう。

ホイップクリームは、生クリームよりも形を保ちやすい特徴があります。実際に絞り出した写真を比較してみても、ホイップクリームのほうが絞り出したときの筋が際立っていました。

デコレーションした形をできるだけ長く保ちたいときは、かたさの変わりにくいホイップクリームが作業に向いています。
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