ライター : とも花

料理家 / レシピライター

たけのこのえぐみを取る基本的なゆで方

Photo by とも花

調理時間 120
アクが十分に抜けきっていないたけのこを食べたときに、苦みや喉のいがらっぽさを感じることがあります。この「えぐみ」の原因になるものは主にふたつあり、ひとつはほうれん草に含まれることで知られているシュウ酸です。 もうひとつの原因物質ホモゲンチジン酸は、たけのこの節の間にある白い粒「チロシン」が酸化したものです。チロシンはアミノ酸の一種で食べても害はありませんが、酸化したホモゲンチジン酸には、えぐみがあります。 いずれも米ぬかを使ってゆでると取り除けるので、その方法をご紹介します。

材料(扱いやすい量)

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上手にえぐみを取るコツ

コツ・ポイント

  1. 手に入れたらすぐにゆでる
  2. 時間をかけてゆでる
  3. ゆで上がりには根本部分がやわらかくなっているか確認する
たけのこは掘り起こされてから時間がたつにつれ、えぐみが強くなります。このため手に入れたらすぐにゆでることが重要です。

また、時間をかけてゆでることでやわらかくなり、アクが抜けやすくなります。ご紹介したゆで時間は、あくまでも目安です。ゆで上がりには、根元の部分がやわらかくなっていることを必ず確認しましょう。

ゆで方

1.根元を切り落とす

まな板の上でたけのこの根元を切り落としている

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外側の皮を2~3枚むき、付いている泥を水で洗い流します。根元の固い部分は切り落としてください。

2.穂先を切り落とす

まな板の上で穂先を切り落とされたたけのこ

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穂先を3~5cmほど切り落とします。

3.縦に切り込みを入れる

まな板の上で先端部分に切り込みを入れられているたけのこ

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切り落とした先端部分の切り口から根元に向かって、深さ1~2cm程度の切り込みを入れます。中のたけのこを傷つけないように注意しましょう。反対側の側面にも同じように切り込みを入れてください。こうすることでえぐみの元になるアクが抜けやすくなり、火の通りもよくなります。

4.鍋でゆでる

たけのこが入った鍋の中に鷹の爪、米ぬかが振り入れられている

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深さのある鍋にたけのこを重ならないように並べ、かぶるくらいの水を入れます。鷹の爪、米ぬかを加えて、強火にかけてください。米ぬかが入っていると、吹きこぼれやすくなるので注意しましょう。
けこのが入った鍋にふたをのせている

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沸騰したら弱火にして、落としぶたをのせましょう。ゆでている間、たけのこが空気に触れ続けていると、酸化して色が悪くなってしまいます。鍋の直径より小さく、ある程度の重さがあれば、平皿で代用しても構いません。このまま1時間半~2時間ほどゆでてください。

5.ゆで上がったら鍋に入れたまま冷ます

鍋の中で串を刺されているゆでたけのこ

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根元の固い部分に竹串を刺してみて、スッと中まで入ればゆで上がりです。再びゆで汁に完全に浸かるように落としぶたをのせ、鍋のまま自然にゆっくり冷まします。急に冷ますとアクが抜けなくなるので、注意してください。8時間以上、できればひと晩そのままにしておきましょう。翌日になってから、皮をむいてください。 穂先の皮の根元部分は「姫皮」と呼ばれ、とてもおいしく食べられるので、捨てずに取っておきましょう。

たけのこのえぐみが残ってしまった場合の対処法

調理前であれば、もう一度米ぬかを入れた湯でアク抜きをしましょう。加熱時間は10分程度です。あまり長くゆでていると、たけのこの旨味がなくなってしまうので注意してください。鍋のまま冷まして30分以上置いておきましょう。

すでに味付けをしてしまったものは天ぷらにすると、えぐみを感じにくくなりますよ。このほかチリソース炒めや青椒肉絲など、濃い味付けをする中華料理に使うのもおすすめです。

たけのこの選び方と保存方法

選び方

1. 皮の色が薄く、穂先が黄色いもの

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たけのこは土の上へ顔を出し、日に当たっている時間が長くなると、えぐみが増してきます。皮の色は濃い茶色になり穂先が緑色に変化します。皮の色が薄く、穂先の先端が黄色いものは、ぎりぎりまで土の中に埋まっていたものです。このようなたけのこは、アクが少なく甘みがあります。

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