禁断のリキュール「アブサン」とは?その魅力と驚きの歴史

ハーブリキュールの「アブサン」を、飲んだことはありますか?かつては幻覚作用を及ぼすことから悪魔のお酒としておそれられ、発売禁止になった時期もあるお酒です。今回はアブサンの驚きの歴史と、改良されて復活した現在のアブサンについて詳しく解説していきます。

2019年8月29日 更新

禁断のリキュール「アブサン」とは

アブサンはブランデーなどのスピリッツに薬草や香草、スパイスなどを漬け香り付けしてから再蒸留させたもの。ハーブ系リキュールのひとつです。ニガヨモギの苦みやアニスのさわやかな香りの中にほんのりと甘みがあり、飲めばハマる人が多いお酒です。

色は淡い緑色で、水割りにすると白く濁った色に変化します。名前の由来は、ギリシア語の"apsínthion"(ヨモギ)。

アルコール度数が高く、平均するとだいたい70度、中にはなんと90度のものまであることから悪魔のお酒としても知られています。ストレートで飲むにはキツすぎるので、水割りにしたりカクテルにしたりして楽しむ人が多いようですよ。

名だたる芸術家を魅了し作品にも登場

香り高く美しい色合いのアブサンは、多くの芸術家にインスピレーションを与えていました。

オランダの画家ゴッホやスペインの画家ピカソ、フランスの画家ロートレックやモネ、フランスの詩人ベルレーヌ、アメリカの小説家ヘミングウェイなどは、アブサンを愛飲していたことでも有名です。

日本の文学作品では、太宰治の『人間失格』には「飲み残した一杯のアブサン」という一節が、芥川龍之介の『河童』には主人公がアブサンとを大量に飲むシーンが記されています。アブサンが、喪失感や憂いのメタファーとして用いられたそうです。

心身に異常をきたすほど大量に飲み続けた芸術家も少なく、自殺者も多く出ています。

1915年に販売禁止に

アブサンの人気が高まるとともに、安い粗悪品が出回るようになります。粗悪品はニガヨモギに含まれるツジョンという有毒物質の濃度が高く、大麻のような幻覚作用もあったとのこと。

そんなアブサンが引き金となり、ヨーロッパでは犯罪をおこしたり自殺したりする人が増加。社会問題にまで発展し、1915年ころから各国で製造、流通、販売が禁止されるようになりました。

日本やスペイン、チェコなどでは禁止になりませんでしたが、流通量は限られていたようです。

原料が改良され復活したアブサン

1981年、世界保健機関(WHO)はツジョンの残存許容量が10ppm以下であれば安全であると発表。数年後にアメリカで、2000年代に入ってアブサンの生まれ故郷スイスやフランスで製造方法や原料を改良した製品が解禁となりました。

現在日本で流通している人気銘柄は、ツジョンの残存量もアルコール度数も低いフランスの銘酒「アブサン55」や、20世紀末にフランスのカフェで流行った「ペルノ アブサン」、国際的にも高評価を得ている「アブサン スイスの妖精」など。

アブサンの代表的な飲み方

アブサン・カクテル

アブサンの定番の飲み方といえば、アブサン・カクテルが有名。氷を入れたシェイカーにアブサンとミネラルウォーターを2:1の割合で加え、ガムシロップとアンゴスチュラビターズを少量たらしてシェイクします。

アブサン特有の刺激的な風味はそのままに、甘みも増して飲みやすくなりクセになるおいしさです。アルコール度数は高いので、飲みすぎには注意しましょう。

アブサン・ドリップ

アブサン・ドリップは、色が美しく変化していくようすを楽しめる飲み方です。

アブサンを注いだグラスに、いくつか穴が開いている「アブサンスプーン」をセット。角砂糖をのせて上から水をたらします。角砂糖からしたたり落ちる甘い水でアブサンが白濁していくようすは、まさに神秘的!

角砂糖にアブサンをたらして火をつける、という驚きの作り方もありますよ。
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wasante

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