洋菓子研究家が教える!「いちごのショートケーキ」をおいしく作る3つのコツ

クリスマスシーズンに作りたい「ショートケーキ」。一見すると、シンプルでむずかしい工程はなさそうですが、細かいポイントをおさえると驚くほどおいしく仕上がるんですよ。今回は洋菓子研究家の直伝レシピをご紹介します。

2018年12月4日 更新

ポイントを押さえたところで、さっそく実践!

●祐梨子
「卵の性質や泡立て方が、スポンジ生地の焼き上がりに大きく影響しているとは知りませんでした。また、デコレーション用に適した生クリームの泡立て方があることにもびっくり! 教わったコツを一つひとつ丁寧にこなせば、上手く作られそうな気がしてきました!」

●先生
「そうなんです。コツといっても、難しいテクニックはありません。ショートケーキ作りは、スポンジ生地と生クリームのシンプルな構成だからこそ、ちょっとした工夫をするだけで格別においしくなりますよ♪ それではさっそく、最初に教えた3つのポイントをおさらいしながら作っていきましょう!」

●祐梨子
「わ~とっても楽しみ♪ 先生、よろしくお願いします!」

「イチゴのショートケーキ・クリスマスバージョン」の作り方

材料(※直径15cmサイズ、高さ6cmのデコ型一台分)

<スポンジ生地>
・全卵 … 120g(L玉およそ2個分)
・薄力粉 … 60g(今回は「特宝笠」を使用)
・グラニュー糖 … 55g
・トレハロース … 10g
・バター … 10g(今回は「よつ葉発酵バター」を使用)
・牛乳 … 10g
・バニラオイル … 適量

※卵はあえて冷やさなくてもOK
※「トレハロース」とは人工甘味料のこと。トレハロースを加えることで、スポンジ生地のパサつきを抑えてしっとりと仕上がる。ない場合は、グラニュー糖の総量を60gに変更。
※「特宝笠」を使用することで、口当たりが軽く仕上がる。
<クリーム・デコレーション>(適量)
・イチゴ … 1パック(お好みで調整) 
・ラズベリー、ブルーベリー … 適量(お好みで調整)
・生クリーム36% … 400g(およそ2パック)
・グラニュー糖 … 32g
・バニラオイル … 適量(お好みで調整)
・ナパージュ(上がけ用ゼリー) … 適量(あれば)
・その他(ハート型のチョコレート)など … 適量(お好みで調整)

※グラニュー糖の分量は、生クリームの量にたいして8~10%程度(お好みで調整)
※イチゴは、小ぶりなほうがデコレーションしやすい
※生クリームのパーセンテージが高いと、スポンジ生地と馴染むまでの時間がかかる。

今回使用したキッチンツール

<スポンジ生地>
・デコ型(直径15cm、高さ6cmサイズのものを使用)
・ハンドミキサー
・ボウル(大・小)
・粉ふるい
・ゴムベラ
・ホイッパー
・わら半紙
(※わら半紙がない場合は、ベーキングシートでもOK。ただ、焼きあがりにしわの跡がつきやすいため、わら半紙推奨)
<クリーム・クリスマスデコレーション>
・波刃包丁
・ルーラー(15mm角、10mm角)
・ハンドミキサー
・回転台
・パレットナイフ
・ホイッパー
・ボウル
・絞り袋
・口金(今回は、「サントノーレ」を使用)
・クリスマスケーキトッパー(お好みのもの)

下準備

<スポンジ生地>
・デコ型の底と周り(幅10cm高)にわら半紙を敷いておく。
・グラニュー糖とトレハロースは、混ぜ合わせておく。
・薄力粉はふるっておく。
・牛乳とバター、バニラオイルを合わせておく。

<クリーム>
・生クリームはボウルに入れて、ボウルごと冷蔵庫で冷やしておく。

<デコレーション>
・イチゴは表面の汚れを取り、ヘタを切り落としておく。スポンジの間に挟む分は4mmくらいの均一の厚さにスライスしておく。

スポンジ生地を作る

① ホイッパーで全卵をよく溶きほぐし、混ぜ合わせておいたグラニュー糖とトレハロースを一度に加えてよくなじませる。
② ハンドミキサーに持ち替え、ボウルを回しながらまず中速で泡立てはじめる。全体が白っぽくなるまで泡立てたら低速に切り替えて、ハンドミキサーを持つ手は固定して、ボウルを回しながらゆっくりと泡立て続ける。泡立てる時は「の」の字を書かない。
ポイント
・ハンドミキサーのメーカーや馬力、卵の状態によるが、目安は中速で2~3分、低速で10分以上。
・ハンドミキサーを持ち上げたときに、たれ落ちる生地で描いた線がゆっくりと消えるくらいまで泡立てればOK。
③ 下準備でふるっておいた薄力粉を②のボウルに3~4回に分けて再びふるいながら加えていく。その都度ゴムベラで底からすくうように優しく混ぜる。
ポイント
一度に加えてしまうと生地に負担がかかるため、1回目に加える粉の量は少なめにし、徐々に量を増やしていく。

④ 鍋で湯煎用の湯を沸かし、火からおろす。合わせておいた牛乳とバター、バニラオイルの入ったボウルを鍋にのせ、湯煎で溶かしておよそ50℃にする。
⑤ ④に③の生地の4分の1程度加えて、ゴムベラで手早く混ぜる。③のボウルに戻し入れて、全体をなじませる。ボウルを回しつつ下から生地をすくいあげるように混ぜる。
⑥ 生地を低い位置から型に流す。160℃の余熱で温めたオーブンに入れる。160℃で25分程度焼く。天板の奥と手前を入れ替えてさらに5分程度焼く。(今回は、ガスオーブンを使用。電気オーブンの場合は、180℃で25分程度、向きを変えて5分程度焼く)
ポイント
焼き色が薄い場合は、3分程度追加で焼く。
⑦ 高さ10cm程度のところから、型ごと生地を一度落として中にこもった熱い空気を抜く。
⑧ すぐに型から取り出し、わら半紙ははがさずに布巾を敷いた網の上にのせる。上に飛び出しているわら半紙は、スポンジ生地の高さまで細かく縦に裂く。
⑨ 裂いたわら半紙を外向きに広げて、表面を平らにするため生地をひっくり返す。
すぐにもう一度ひっくり返して、布巾で包み、網の上にしばらく置き、粗熱を取る。
⑩ 粗熱が取れたら、焼きあがった表面を上にした状態で布巾ごとラップで包み、涼しいところで一晩休ませる。

ホイップクリームを泡立てる

⑪ 生クリームを入れて冷やしておいたボウルをたっぷりの氷水にあてる。グラニュー糖を一度に加え、ハンドミキサーで泡立てる。
ポイント
・はじめは、中高速で泡立てる。とろみがついてきたら低速に切り替えて、混ぜ跡が残る程度までゆるめに泡立てる。
・室温の影響を受けやすいため、涼しい場所で作業すること。室内の温度に気をつける。
⑫ ゆるく混ぜ跡が残る程度まで泡立てたら、ホイッパーに持ち替える。“あと少しの固さ”まで全体を泡立てる。→生クリームを氷水につけた状態で、スポンジ生地の準備へ。
ポイント:・はじめからクリーム全体を塗るのにちょうどよい固さにしない。

スポンジ生地を切る

⑬ 15mm角のルーラーの上をすべらせるように波刃包丁を動かし、15mmの厚さにスライスする。
ポイント
・切り始めと切り終わりの高さが水平かどうか、確認しながら切る。
・生地は押さえつけすぎないこと。
⑭ 次に10mm角のルーラーに置き換えて、10mmの厚さを2枚スライスする(焼き色のついた一番上の生地は使用しない)。
⑮ ⑫の生クリームの一部分のみをホイッパーで縦に泡立て、1回使用分だけを塗る固さに仕上げる。
ポイント
1回分ずつその都度仕上げることで、クリームをよい状態に保つ。
⑯ まず一段目。厚さ15mmの生地を回転台の中心に置き、⑮の使う量だけ仕上げた生クリームを置き、全体に塗り広げる。
ポイント
パレットナイフを持つ手は動かさずにもう片方の手で回転台を回す。
⑰ スライスしておいたイチゴを並べる。もう一度、生クリームを塗る。
ポイント
ケーキをカットしやすいよう、中心にはイチゴを置かずスペースを空けておく。
⑱ 二段目。⑰の上に、厚さ10mmの生地を1枚のせる。サイドからはみ出した生クリームをパレットナイフで広げる。段がずれていないか確認しながら、サイドの下塗りをする。
⑲ 使う分量だけ泡立てた生クリームを生地の上にのせて、⑯と同様に生クリームを塗る。
⑳ ⑰を繰り返し、上に、厚さ10mmの生地をのせる(ラスト三段目)。
㉑ 上面は、パレットナイフを持つ手を立てた状態で中央に固定し、もう片方の手で回転台を回して一気に平らにならす。
㉒ パレットナイフを縦に当て、側面に生クリームをのせていく。回転台を回してきれいにならす。
ポイント
下にたまったクリームは、生地と回転台の間にパレットナイフを入れて取り除く。
㉓ 上面を平らにならして角を整える。

上面を飾り付けする

㉔ 残りの生クリームでデコレーションする。生クリームは流れない固さになるまでホイッパーで泡立てる。
ポイント
絞り袋へはたくさん入れすぎないこと。手の熱で生クリームの状態が悪くなってしまうため。
㉕ 口金「サントノーレ」をつけた絞り袋に生クリームを入れる。上から下へ向かって波状に絞る。
ポイント:・ケーキの上に絞る前に、別皿に絞るなどして生クリームの固さを確認する。
㉖ イチゴ、ラズベリー、ブルーベリーなど好みのフルーツとクリスマスケーキトッパーでデコレーションする。
ポイント
・トッピングはいきなり乗せるのではなく、同サイズのセルクルの中に一度並べて、イメージトレーニングしておくとよい。
・カットしたフルーツは、断面が乾燥しないようにナパージュを塗る。
「イチゴのショートケーキが完成しました~!」

●祐梨子
「ケーキの上に飾りを乗せると、一気にクリスマスバージョンに仕上がりました~! トッピングをのせる前に、イメージトレーニングしておいてよかったです♪ 達成感がスゴイ~!!!」
●先生
「本当にお疲れ様でした(笑)デコレーションも、生クリームを塗った側面も、とってもきれいに仕上がりましたね♪」

●祐梨子
「先生に教わったポイントを守るだけで、ワンランク上のイチゴのショートケーキが作れました♪ さっそく、いただきまーす!
●祐梨子
「生地がしっとりしていて、口に入れるとなめらかに溶けていく~! 卵とクリームの上品な甘さとイチゴの酸味もバランスがよくて、もう完璧です♪」

●先生
「デコレーションしたら、冷蔵庫で半日から一晩程度寝かせて食べるのがおすすめなんですよ。生クリームに含まれる水分が生地に馴染んで、味がまとまるんです。その際は、生クリームが乾燥しないように、密閉容器に入れましょう」

●祐梨子
「よりおいしくいただきたいところですが、食べ頃まで待てるかな?(笑) 今年もクリスマスが待ち遠しい~!」
●先生
「旦那さんにも喜んでもらえるといいわね♪ ところで、クリスマスの次は、バレンタインの季節です! 次回のレッスンでは、クランチチョコを作りたいと思います。手軽に作れるスイーツですが、食感にとことんこだわった、とっておきのコツを伝授しますよ」

●祐梨子
「バレンタインの時期だけでなく、一年を通して食べたくなるスイーツですね! 今からとっても楽しみです! よろしくお願いします♪」

文/植木祐梨子、写真/岡本寿
材料協力:中沢乳業株式会社

※本編は「イチゴのショートケーキ・クリスマスバージョン」です。
より詳しい行程の「基本のスポンジ生地」と「基本のイチゴのショートケーキ デコレーション」を、明日公開します。どうぞお楽しみに!
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