ライター : dressing

洋菓子研究家が伝授! 最高においしい「イチゴのショートケーキ」の作り方

この記事は、豊かなフードライフを演出するWEBメディア「dressing」の提供でお送りします。
もうすぐクリスマス。ブッシュ・ド・ノエルやシュトーレンなど、聖夜の食卓を華やかに飾る定番スイーツが数あるなか、圧倒的に人気のクリスマスケーキといえば「イチゴのショートケーキ」。 純白の生クリームに包まれたしっとりふわふわの「スポンジ生地(ジェノワーズ)」作りや、宝石のように真っ赤に輝くイチゴに彩られた豪華な「デコレーション」が上手にできるようになれたら…と、憧れを抱く方も多いのでは?
実は、シンプルなスイーツほど、ちょっとした手順の違いで仕上がりに大きく差が出てしまうもの。逆にいえば、プロが実践する調理のコツを知っているだけで、とびきりおいしくてきれいなイチゴのホールケーキが作れるようになるのです! 今回は、プロがオススメする「イチゴのショートケーキ」レシピを教わるべく、グルメライターの植木祐梨子(写真下・左)が、洋菓子研究家・たけだかおる先生(同・右)に弟子入り。 たけだ先生主宰の予約がとれないお菓子教室に参加して、とっておきのレシピを教わってきました!
●祐梨子 「今年もクリスマスの季節がやってきました♪ 昨年に続き、手作りしようと思っているのですが、実は挑戦してみたいスイーツがあるんです!」 ●先生 「あら! それは何かしら?」 ●祐梨子 「イチゴのショートケーキです! 先生にお菓子作りを習い始めてから1年が過ぎて、まだまだ上達したとはいえませんが、憧れのショートケーキをクリスマスっぽくかわいくデコレーションして主人にプレゼントしたいんです!」 ●先生 「とっても素敵ね♪ じゃあ、こんなのはどうかしら?」
●祐梨子 「わぁ~! 純白の生クリームにイチゴがのっている定番のショートケーキだ! 大人っぽいシックなデコレーションもまさに理想です! でも、こんなにきれいにクリームを塗れるかなぁ。なんだかレベルが高そう…」 ●先生 「そうね、今回はいつもより上級編よ! 味の要となるのは「スポンジ生地」と、デコレーションに欠かせない「生クリーム」。しっとりふわふわで口当たりの軽い食感に仕上げるポイントは、“卵の泡立て方”と“生クリームの固さ”にあるんです。ショートケーキは人気の高い王道スイーツだし、お菓子作りの基礎となる要素がたくさん詰まっているので、1年の集大成としてチャレンジしてみましょう!」 ●祐梨子 「やったー♪ よろしくお願いします!」

「イチゴのショートケーキ」作りの押さえておきたいポイント3つ

1.スポンジ生地:卵を泡立てるときは湯煎しない! 2.スポンジ生地:卵を泡立てるとき“大きな泡”を作らない! 3.デコレーション:生クリームの状態が肝。クリームを一度に全部、塗る固さには仕上げない!

[point1]スポンジ生地:卵を泡立てるときは湯煎しない!

●祐梨子 「先生~!レシピを見て気になったのですが、先生はスポンジ生地を作るときに、卵を湯煎しないんですね!」 ●先生 「そうなんです! 一般的なレシピでは、湯煎しながら卵を泡立てて作ることが多いです。 それは湯煎することで卵が早く泡立つからなのですが、わたしのレシピではより“キメ細やか”に仕上げるために、卵を温めずに泡立てていきます」
▲左:湯煎あり 右:湯煎なし
●祐梨子 「湯煎せずに泡立てると、どうしてキメ細やかに仕上がるのでしょうか?」 ●先生 「いい質問ね。卵には冷たいと表面張力が強いという性質があって、その力は温度が上がるにつれて弱まっていきます。表面張力が強い状態のまま泡立てた方が、丈夫な泡を作ることができるんです。 ●祐梨子 「なるほど。あえて卵の温度を上げずに泡立てるのですね」   ●先生 「冷たい卵といっても、あえて冷やす必要はありません。湯煎して泡立てるときよりちょっと時間がかかるのですが、家庭で作る量は少量ですから湯煎に頼らずに泡立てましょう!」

[Point2]スポンジ生地:卵を泡立てるときは“大きな泡”を作らない!

●先生 「それでは卵を泡立てていきましょう! ここでは、ハンドミキサーを使う前提で説明しますね。キメ細やかなスポンジ生地を作るコツは、“大きな泡”を作らないことです」 ●祐梨子 「卵の泡立て方が、焼き上がりの生地に影響するのですか?」 ●先生 「はじめから一気に高速で泡立ててしまうと、冷たい卵を使っていても大きな泡ができてしまいます。この大きな泡を残したまま焼くと、焼き上がりのスポンジ生地に大きな穴がたくさんできてしまうんです。この写真を見れば、違いがわかるかしら?」
▲左:はじめから高速で泡立てて焼いた生地 右:低速で泡立てて焼いた生地
●祐梨子 「わぁ。穴の大きさも数も全然違う! 右は生地の表面にほとんど穴がありませんが、左は大きな穴がたくさんできてしまっていますね。スポンジ生地全体のキメも少し粗い気がします……。泡立てる速度ひとつで、こんなにも差がでるなんてびっくり…」 ●先生 「そうなんです。そうはいっても、冷たい卵を最初から低速で泡立てると、時間がかかり過ぎてしまいます。そのため、最初の3分の1の時間は中速で、残りの3分の2は低速に切り替えて泡立てましょう。卵がもったりしてくると、一度できた泡は消えにくくなってしまうので、気をつけてくださいね!」 ●祐梨子 「卵って想像以上に繊細……」

[Point3]デコレーション:生クリームの状態が肝。クリームを一度に全部、塗る固さには仕上げない!

●先生 「スポンジ生地が焼きあがったら、デコレーションに使う生クリームを泡立てていきます! デコレーションした生クリームをよい状態に保つためのポイントは、生クリーム全部を塗るときの固さまで完成させてしまわないことです!」 ●祐梨子 「これからデコレーションするというタイミングで、生クリームを完成させておかなくて大丈夫なのですか!? 」 ●先生 「生クリーム全体を最初からちょうどいい固さに仕上げてしまうと、塗り終わりまでよい状態を保つことができなくなってしまうんです。まずは“あと少しの固さ”まで全体を泡立てます。次に、ボウルの中の一部分だけを泡立てて、少しずつ塗るのに“程よい固さ”の生クリームを作り、仕上げた部分だけをホイッパーですくってスポンジ生地に塗っていきましょう! それぞれの固さの目安は、このくらいがベストね」
▲左:“あと少しの固さ”まで泡立てた生クリーム(ゆるく混ぜ跡が残る程度)、右:“程よい固さ”まで泡立てた生クリーム(ホイッパーにすくい絡めてぎりぎり移動ができる程度)
●祐梨子 「なるほど~。1回塗るのに使う分量だけを塗るのに“程よい固さ”に仕上げて塗る。塗り終えたらまた使う分だけ“程よい固さ”に仕上げて塗る…を繰り返すということですね!」 ●先生 「そういうこと! 一つひとつ丁寧に作業することで、なめらかな食感に仕上がるのです!」

きれいに生クリームを塗る(ナッペする)には?

●先生 「スポンジ生地が完成したら、生クリームを塗っていきます。この工程を“ナッペする”と言いますが、ナッペするときにも気をつけてほしいことがあります。それは、生クリームをあまりいじらないことです!」 ●祐梨子 「え~! 手慣れていないナッペ初心者の私には、ハードルが高そう…。一度できれいに塗りきることができず、何度も重ね塗りをしてしまいそうです……」 ●先生 「重ね塗りを何度もしてしまうと、生クリームのツヤがなくなって口どけが悪くなってしまうんです。細かい塗り方のコツについては、実際に作りながら紹介していきましょう!」

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