食べ方の違い

どちらのハムも、スライスしてそのまま食べることができます。一般的なハムは厚切りでステーキのようにするなど、お料理によって厚さを変えて食べることがありますが、生ハムは基本的に薄切りの状態でいただきます。 ヨーロッパでは、スライスした生ハムをそのまま手でつまんでいただくことも多いんだとか。 お肉としての食べごたえや食感を楽しみたいときはハム、薄切りに食感を楽しみたいときは生ハムといった使い分けをするのもよさそうですね。

生ハムの種類

ひと口に「生ハム」といっても、その種類は多岐にわたります。原料となる豚の品種や塩漬けの方法、熟成期間などによって味や食感に違いが生まれるんです。 ここでは、それぞれの生ハムの特徴や味わいの違いについてご紹介します。好みの生ハムが分かると、よりおいしくいただけますよ。

スペイン産「ハモン」

スペインも、イタリアに並ぶ生ハムの名産地です。改良した白豚で作る「ハモン・セラーノ」と、黒豚のイベリア種で作る「ハモン・イベリコ」が有名です。「ハモン・セラーノ」は、イタリア・パルマの生ハムと並ぶ世界3大ハムのひとつとして高く評価されています。 スペイン産の生ハムは、豚肉の皮をとってから塩漬けして熟成するのが特徴。イタリア産の生ハムにくらべて塩気が強いです。

イタリア産「プロシュート」

イタリアを代表する生ハム「プロシュート」は、燻製している「プロシュート・コット」と燻製していない「プロシュート・クルード」の2種類があります。日本で一般的に「生ハム」と呼ばれているのは「プロシュート・クルード」のことです。 プロシュートはやわらかく、口当たりがよいのが特徴。スペイン産の生ハムと違い、豚肉の皮をつけたまま塩漬けするため、塩分がマイルドです。 パルマ産の「プロシュート・デ・パルマ」は世界3大ハムのひとつで、1~2年かけて乾燥・熟成させて作られています。

日本産「ラックスハム」

日本のスーパーで取り扱っている生ハムは、ほとんどが「ラックスハム」という種類です。「ラックス(Lachs)」は、ドイツ語で鮭の意味で、鮭のような赤色をしたハムという意味で名づけられました。 通常の生ハムは1~2年間熟成させますが、「ラックスハム」は低温でいぶすか、いぶさない状態で乾燥させて作ります。 加熱していないので、しっとりした食感とやわらかさが特徴です。

中国産「金華ハム」

「金華(きんか)ハム」は、中国浙江省金華地区が原産の豚で作るとても貴重なハムです。「ハモン・セラーノ」、「プロシュート・デ・パルマ」と、この「金華ハム」が世界3大ハムと言われています。 中国語では「金華火腿(きんかかたい)」。ハムを切った断面が火のように赤いことから名づけられました。 見た目はイタリアやスペインの生ハムのように赤色ですが、生で食べるよりはスープなど加熱して食べるのが一般的です。

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