たらこは日本生まれ、明太子は韓国生まれ

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たらこのルーツ

たらこのルーツは、1696年頃の江戸時代までさかのぼります。茶人・遠藤元閑の「茶湯献立指南」には「鱈の子は北国より出る名物也」とあり、江戸時代の始めにはすでに日本で食べられていました。

1903年頃の明治時代に入ると、北海道で不漁とされていた大型のたら・まだら漁に代わり、スケトウダラ漁が発展します。この時期から、たらこの加工が本格的になり、国内に普及するようになりました。

明太子のルーツ

明太子のルーツは、17世紀~18世紀にかけての朝鮮半島です。朝鮮半島は、当時から赤唐辛子とにんにくを加えるキムチやコチュジャンなど、辛味を活かす伝統料理が広まっていました。そのなかのひとつが、辛子明太子です。

日本に伝わってきたのは終戦後の1949年頃。朝鮮半島に暮らしていた日本人が帰国し、現地で食べたものを日本人の口に合うように、塩たらこと赤唐辛子入りの調味料で漬け込んだのが始まりとされています。

地域によって呼び名に違いがあることも

たらこは地域によって呼び方に違いがあります。1955年の昭和30年頃までは、「鱈の子(たらのこ)」と呼ばれるのが一般的でした。いつから「たらこ」と呼ばれるようになったのかは、はっきりしていません。

ほかにも北信越地方では「紅葉子(もみじこ)」と呼ばれていたり、福岡県では、たらこのことを「明太子」と呼んだりします。

たらこと明太子は代用できる?

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たらこと明太子は、同じ原材料・スケトウダラの卵巣から作られているため代用が可能です。明太子をたらこで代用する場合は、一味唐辛子や七味唐辛子、豆板醤などで辛味をプラスしましょう。辛めの調味料を加えることで、ほとんど違和感なく使えます。

たらこを明太子で代用する場合はすでに辛味があるため、お子さんや辛いものが苦手な方がいるときは注意が必要です。辛さがそこまで気にならなければ問題ありません。

たらこと明太子の違いを知ると料理の幅が広がる!

たらこと明太子は、どちらもスケトウダラの卵巣から作られているので、似たような食感や味を楽しめます。赤唐辛子の有無により、明太子のほうが少し辛味のある刺激的なテイストになりますよ。それぞれの違いを知ると、料理の活用や代用がスムーズになります。ぜひ実際に違いを意識しながら、召し上がってみてください。
【参考文献】
(2024/07/17参照)
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