ライター : 池野 三奈美

管理栄養士 / Webライター

バターとマーガリンの違い

そもそも、バターとマーガリンの違いって何なのでしょうか。ケーキに使用したり食パンに塗ったりと、似たような使い方をすることが多いですよね。

バターとマーガリンの違いを知るうえでまず重要なのが、原料です。いったい何から作られているのか気になりますよね。さらに、形状や味わいについても探っていきましょう。

それぞれの特徴を比較してみることで、違いが明らかになってきますよ。
種類原料味わい使用方法価格
バター牛乳香りや風味がよく、
コクと深みがある
お菓子やパン全般、
炒め物、焼き物など
加熱する料理向き
マーガリンより高く、
変動がある
マーガリン動物性・植物性の油脂あっさりしている冷えた状態で使う料理、
軽い食感のお菓子向き
比較的安価で、
安定している

バターとマーガリンは「原料」が違う!

牛乳で作られているバター

バターは、牛乳から分離したクリームの脂肪分を凝固させて作られています。近年バター不足が問題になっていましたが、それは原料である生乳不足が原因でした。

バターは、室温(20度程度)の状態ではとてもやわらかいのですが、冷蔵庫等で冷やすとナイフでもなかなか切れないほど固くなります。一方で、30度前後になると溶け始め、40度に近づくと完全に液体になります。温度によって形状が変化しやすいのもバターの特徴のひとつですね。

バターは先ほどご説明したとおり乳脂肪が主成分となっているため、香りや風味がよく、コクと深みがあります。お菓子やパンの材料に使えば、しっかりとしたバターの風味を楽しむことができますよ。

価格については、バターはマーガリンより高い値段で売られていることが多いですね。また、バターは生乳の生産量や原料価格などの影響を受けて、価格が変動します。

動物性・植物性の油脂で作られているマーガリン

マーガリンは油脂を原料に、バターに似せて作られた加工食品。バターよりも、比較的安価に購入できるバターの代替として作られた食品なのです。

冷蔵庫で冷やしてもバターのようにカチカチに固くなるようなことはありません。冷蔵庫から取り出して、すぐに使えるのが特徴です。バターと比較すると、マーガリンはあっさりとした味わい。お菓子作りに使えば、軽くてふんわりした食感が楽しめますよ。

バターのような価格の変動があまりないので、いつでも安定した価格で購入できる点も嬉しいポイントです。

カロリーはどれくらい違う?

両者のカロリーは、結論から言うとどちらもほとんど変わりません。ちょっとびっくりですよね。マーガリンは80%以上が油脂でできているのですが、実はバターも80%以上が乳脂肪分で形成されています。

有塩バターのカロリーは大さじ1杯(12g)あたり84kcal、ソフトタイプのマーガリンでは86kcalと大きな差はありません。どちらもカロリーの高い食品なので、とりすぎにはご注意を。(※1,2,3,4)

「トランス脂肪酸」は健康に影響するの?

バターに含まれるトランス脂肪酸の量は100gあたり約1.9g、マーガリンなら約0.99gとされています。大さじ1杯(12g)あたりだと、バターは約0.2g、マーガリンは約0.1gです。

トランス脂肪酸とは、脂質を構成している脂肪酸の一種。

厚生労働省が算出したトランス脂肪酸の摂取量の目標基準は、総エネルギー摂取量の1%未満、一日あたり約2gまでとされています。日本人のトランス脂肪酸の摂取量は、平均値で総エネルギー摂取量の0.3%なので、脂質に偏りすぎない食生活なら健康への影響は少ないようです。(※3,4,5,6,7)

使い方に違いはあるの?

熱を加えるとバターもマーガリンも溶けてしまうので、料理に使う際には使い勝手の差は感じられません。使い方にはどのような違いがあるのでしょうか。
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