ライター : enid

食いしん坊ライター

「ボロネーゼ」とは?

1分でわかるボロネーゼの定義

  1. イタリア美食の都「ボローニャ」が生んだパスタ料理
  2. ひき肉などを赤ワインを加えて煮込んだトマトソース系のこと
  3. 平たいパスタの「タリアテッレ」と合わせて食すのが一般的
  4. ほかのパスタを使うものはボロネーゼとは呼ばない

ボロネーゼはイタリアが発祥

ボロネーゼは、ひき肉をトマトやワインと一緒に煮込むパスタソースのこと。オリーブ油でにんにく、玉ねぎ、にんじん、セロリ、トマトなどの野菜と粗挽きのひき肉を炒め、赤ワインを加えて煮込みます。タリアテッレという種類の平打ちパスタや、ラザニアにあわせて食べるのが一般的です。

ボロネーゼの正式名称は、「ragu alla bolognese(ラグー・アッラ・ボロニェーゼ)」。イタリア語で「ボローニャ派のラグー」を表す言葉で、その名の通りイタリアの美食の都ボローニャで生まれました。

ボロネーゼは、イタリアにトマトが伝わった16世紀以降から食べられていたと考えられています。フランスの煮込み料理「ラグー」を元に肉や野菜、ワインをたっぷり入れて作るるのが特徴です。

フランスの煮込み料理「ラグー」

ラグーとは、フランス語で「煮込み」を意味します。一般的には肉や魚介類、野菜を大きめに切って煮込んだ料理を指し、英語ではシチューと訳されることもあります。ラグーの味付けや食材には特別な決まりがありません。

煮込み料理のラグーを元にするイタリアのボロネーゼは、パスタにかけずそのままいただくことも多かったそうです。ただ、国外で“ボロネーゼパスタ”が好まれるようになってから、イタリア国内でもパスタソースとしての食べ方が一般化していきました。

ボロネーゼに使うパスタの種類

Photo by Snapmart

実は、ボロネーゼは使うパスタが決まっています。それは「タリアテッレ」というきしめんタイプのパスタ。幅4〜8mmのパスタのことで、地域やお店によっては「フェットチーネ」と同じものとして扱う場合も。

なお、ボローニャではタリアテッレ以外の麺の使ったパスタはボロネーゼと呼びません。タリアテッレとボロネーゼの組み合わせこそが正真正銘のボロネーゼなんですよ。

「ポモドーロ」との違い

ボロネーゼと似たパスタ料理に「ポモドーロ」がありますよね。ポモドーロとは、シンプルなトマトソースのパスタのことで、一方ボロネーゼは、肉とトマトを使ったソースのパスタのことです。

ポモドーロとは、元々イタリア語で「トマト」を意味します。イタリア料理の基本であるトマトソースを「salsa di pomodoro(サルサ・ディ・ポモドーロ)」と呼ぶことから、トマトソースを用いるパスタ料理にポモドーロと使われます。

「ミートソース」との違い

ひき肉を使ったトマトソースといえば、「ミートソーススパゲッティ」もなじみ深いですよね。ボロネーゼとミートソースは、発祥や材料が異なります。

ミートソースとは、戦後アメリカから日本に伝わったパスタソース。一説では、イタリアの移民がアメリカで作るようになり、アメリカ進駐軍が日本で食べるようになったのが始まりといわれています。その後、1959年に国内の食品メーカーがミートソースの缶詰を発売し、一般家庭に広まりました。

また、ボロネーゼは塩こしょうや赤ワインでシンプルに味付けするのに対し、ミートソースは砂糖やケチャップ、ウスターソースなどで甘味を加えることが多い点も違います。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ