ライター : 前田未希

料理家 / フードコーディネーター

豚ロース、トンカツ以外で使ってみない?

スーパーのお肉売り場に行くと、ほとんどのお店に並んでいる「豚ロース肉」。トンカツ用と表示されているものも多いので、「豚ロース肉=トンカツ」というイメージをもっている人は多いのではないでしょうか? でも、トンカツだけなんてもったいない!あの厚みを生かせば、トンカツ以外の料理でも簡単にボリュームのある一品になるのです。 今回は、そんな豚ロース肉のトンカツ以外のオススメレシピをご紹介。 このマスタードパン粉焼きは、油で揚げ焼きせずに、焼いてからパン粉をつけるのでトンカツよりヘルシー。材料だって、粒マスタードをわざわざ買いに行く必要はありません。チューブのねり辛子で作るのが、ピリッと辛味が効いた美味しさの秘けつです。 ごはんもお酒も進むこの一品、ご家庭にある基本の調味料や材料でできるので、作らなきゃ損ですよ!

『豚ロースのマスタードパン粉焼き』の作り方

分量(2人分)

豚ロース肉 2枚 塩胡椒 少々 A マヨネーズ 大さじ1 A ねり辛子 小さじ1 A すりおろしにんにく 1片分 オリーブオイル 大さじ1 薄力粉 適量 パン粉 大さじ2 パセリ(あればでOK) 小さじ1程度

作り方

①豚肉の両面を、包丁で筋切りする。
筋切りの方法:脂身と赤身の境目に、包丁の先を刺して数カ所切り込みを入れる。
筋切りは、焼き上がりをきれいに仕上げるために行います。肉は加熱するとタンパク質が収縮し、筋切りをしないと反り返ってしまうのです。 脂身と赤身の境目に切り込みを入れるのは、脂身と赤身で収縮率が異なるため。ただ、切り込みを入れすぎると切り口からせっかくの肉の旨味が逃げてしまうので注意です。 薄切り肉の場合は片面だけで十分ですが、今回のロース肉のように厚みがある場合は、両面行いましょう。
②肉叩きなどで全体を叩き、一回り大きくする。
こうして全体を叩くことで、筋切りだけでは処理できない肉全体の筋を切ることができます。
肉叩きがない場合は、瓶やめん棒で叩いてもOK。また、フォークや竹串で穴を空けても同様の効果を期待できます。
③両面に塩胡椒をふる。
下味がつくほか、肉の臭みを取る効果もあります。
④Aを混ぜ、マスタードスプレッドを作る。
⑤豚ロースに薄力粉をまぶす。
薄力粉をまぶすことで、肉汁や旨味を逃さず焼き上げることができます。 袋に薄力粉を豚肉を入れ、空気を含んだ状態で振るときれいにつきます。また、薄力粉をまぶしたあとは、軽く肉を叩いて余分な薄力粉を落としましょう。
⑥フライパンにオリーブオイルを熱し、豚肉を中火で3〜4分焼く。
フライパンに肉を乗せたらあまりいじらない。これがカリッと仕上げるためのポイントです。時折フライパンを揺すって火の通りをまんべんなくする程度にしましょう。
⑦こんがり焼きあがったら、反対側も同じように焼く。
豚肉から油が出てくるので、油ハネが気になる場合はキッチンペーパーなどで油を軽く拭き取りましょう。
⑧焼きあがった豚肉を取り出し、マスタードスプレッドをまんべんなく塗る。
スプーンの背でなでるように塗ると、まんべんなく広げられます。
⑨パン粉とパセリを混ぜ合わせる。
⑩マスタードスプレッドを塗った上に、まんべんなく⑨を散らす。
全体にまんべんなく散らしたら、軽く手で押してパン粉を密着させると、食べる時にこぼれづらくなります。
⑪グリルやトースターで、パン粉にこんがり焼き色がつくまで焼く。

食べやすいように切って、できあがり!

油で揚げないので、ヘルシーで後始末も楽ちん! ロース肉は脂身が多いので、揚げないで仕上げると丁度いいですよ。パン粉がギトギトしないで、香ばしいのも嬉しいところ。 火の通ったマヨネーズが全体にコクを生み、お肉との相性バツグン。辛子とニンニクでキレの良い、大人な仕上がりになっています。 基本調味料で出来る簡単な味付けなのに、バルやビストロの一品のような味が楽しめます。ビールや赤ワインと合わせてどうぞ!

編集部のおすすめ